【体験者が語る】双子を妊娠する確率を上げて産む方法は、本当にあるのか?
[公開日]2016/11/12[更新日]2019/01/14
筆者は、9年前に一卵性双生児の男の子を生みました。
「私も双子が欲しい!」とよく言われますが、自然妊娠の一卵性なので、「こうすればいいよ」という的確なアドバイスはできません。
そこで、双子が生まれる確率を上げる方法があるのかを、徹底的に調査してみました。
また、その調査を踏まえ、記事の最後で筆者に当てはまるところがあるのかどうかを検証してみます。
まずは、どうして双子が生まれてくるかについてから、見ていきましょう。
一卵性、二卵性の双子を妊娠する理由
双子を産み分ける方法があるのか?あるとすれば、それはどういう方法なのかを知る前に、双子になるメカニズムをご紹介しましょう。
そこには、双子を授かるためのヒントが隠れているかもしれません。
まったくの偶然!不思議な一卵性双生児
卵子と精子が出会って受精した卵は、細胞分裂をくり返して成長します。その細胞分裂の初期の段階で、受精卵が2つに分かれ、そのまま成長すると、一卵性の双子になります。文字通り、卵が1つから発生する双子なのです。
これは、メカニズムが解明されておらず、まったくの偶然から起こります。
同じ卵がコピーされたように、2つに分かれますので、当然のごとく性別は同じ(ごく稀に性別が違うことがある)、同じDNA、同じ血液型を持っています。
姿形がそっくりですが、育つ環境によって個性が出てきて、性格も得意なことも違ったりします。
しかし、双子ならではの不思議なシンクロもよく起こり、古くからミステリアスな存在として、禁忌されたり畏怖や崇拝の対象になったりしたようです。
何もかもそっくりな双子っているよね〜。そんな双子は一卵性なのかなあ?
誕生日が同じきょうだい!二卵性双生児
一度の排卵で一個の卵子が排出されるのが普通ですが、何らかの刺激、もしくは体質によって一度に複数の卵子が排出され、それが同時期に受精すると、二卵性の双子になります。こちらは、遺伝子も違えば性別、血液型も違うことがあり、言うなれば、誕生日が同じのきょうだい。
顔かたちも、普通のきょうだいが似ている程度には似ていますが、メカニズムとしては、同時に生まれてくること以外は普通のきょうだいと同じです。
両親が混血であった場合、人種のDNAをそれぞれに受け継ぐこともあり、双子なのに人種が違うといったことが起こるのも、二卵性ならでは。
海外では、父親が違う二卵性双生児が生まれたこともありました。
双子が生まれるメカニズムについて詳しくは、双子妊娠、出産リスクを参照してください。
こんにちは!「アンチエイジングの神様」管理人の安藤美和子です。どちらにしても、双子を自然妊娠で授かる確率は0.5%程度の奇跡的な確率なのよね。詳しく見ていきましょう
双子を妊娠する確率は?
双子を望む人が多い中で、双子は一体、どのくらいの確率で生まれてくるのかを知りましょう。自然妊娠と不妊治療によっても違いがありますので、まずはデータを見てみましょう。
自然妊娠で双子になる確率
自然妊娠で双子になるのは、一卵性の場合と二卵性の場合で差があります。自然妊娠の場合
・一卵性→4/1000
・二卵性→2/1000
という確率で昔から推移しており、この確率は現在も変わっていません。
日本においては、一卵性の方が二卵性より多かったのですが、1995年頃には二卵性の方が数では上回り、双子の出産率は2倍近く伸びています。
これは、不妊治療による排卵誘発剤や体外受精の多胎妊娠が増えたことを受けています。
現在では、双子の出産は、それなりのリスクを伴うため、体外受精でも受精卵を体内に戻す数に規制があります。
双子妊娠〜出産のリスクについては、こちらの記事を参照してください。
日本と海外での双子確率の差
日本人は、多胎妊娠は少ない人種のようです。ただし、一卵性双生児は、受精卵が偶然2つに分かれて生まれるので、4/1000という確率は人種や家系に関わらず、変わりません。
二卵性の場合は、一度に複数の卵子を出す母親の体質というのがあるようです。
人種による多胎妊娠の差は、多い順に
黒人→白人→黄色人種
となっています。
もっと細かく見ていくと、
アフリカ系→ヨーロッパ系→ヒスパニック・アジア系の順で双子の確率が高いです。
アフリカでは1/20が多胎妊娠というデータもあり、特に双子や三つ子が珍しくもない確率ですね。
筆者の体験談 双子は個人病院では対応できないほど珍しい!
筆者は、妊娠検査に行った際に、すぐに双子だとわかりました。エコーで胎児の袋が2つ見えたからです。医師の第一声が「双子だね〜、うちでは見られないから紹介状書くね」というもので、とても衝撃を受けました。
まず、双子というのが想定外だったこと。そして、何の知識もないため、この病院で診てもらえないとはどういうことか理解できなかったためです。
双子は早産や帝王切開になる危険性が高く、手術や赤ちゃんが小さく産まれたりした場合の施設が整った大きな病院でないと、ということでした。
ということは、個人病院の産婦人科では双子を産めないことが多いということです。
どうして個人病院では対応しないのかという理由については、施設を整えるほど双子の数がそこまで多くないから、そしてそれだけ専門のスタッフを抱えなければならないからだと医師の方はおっしゃっていました。
双子はやはり珍しく、その上出産リスクが高いということなのでしょう。里帰り出産を考えていても、できない場合も多いそうです。
双子って、個人の産婦人科では診てもらないことが多いのね〜。それだけ珍しいってことなんだね!
親が双子だと遺伝で確率UP?双子妊娠の確率を上げるには
双子を授かるため、確率を上げる方法は存在するのでしょうか?また、どういう人に双子が生まれやすいのでしょうか?
不妊治療で双子の確率は上がる?
一卵性の場合
先にも述べましたが、一卵性の場合は、まったくの偶然が起こす受精卵の分裂によって双子になるため、確率を上げることは不可能に近いです。全世界的にも一卵性の生まれる確率は0.4%と、ほぼ一定の出産率です。ただし、最近は不妊治療の影響によって、一卵性の出産がわずかにですが増えているようです。理由ははっきり解明されていませんが、排卵誘発剤や体外受精といった、不妊治療の刺激が、受精卵の分離を促しているのではないかと考えられています。
二卵性の場合
二卵性は、一度に複数個の排卵が起こるために生まれるので、そのような体質というのがあるようです。これは遺伝的な要素が大きく、特に母方の家系に二卵性の双子がいる場合は、確率が上がると言われており、普通の約4倍もの確率に跳ね上がります。
また、二卵性の場合は不妊治療によってかなり確率が上がります。
まず、体外受精の場合は、受精卵を複数個体内に戻すため、例えば2つ戻したうちの2つともが順調に育てば、二卵性双生児になります。
排卵誘発剤も、卵子が誘発されて複数排出することが起こるため、この時に妊娠すれば、二卵性の双子になります。
高齢出産で確率が上がる?
年齢が上がると、妊娠自体が難しくなりますが、高齢出産での双子の出産確率は増えるというデータがあります。・40歳→7%
・45歳→17%
高齢だと双子になりやすいのは、排卵が複数個起こる可能性が高くなるためです。
ちなみに、40代での自然妊娠の確率は、
・35歳以降→50%
・40代前半→30%
・45歳以降→5%以下
となっていますので、このうち双子になる確率は……、と考えると、やはり限りなく奇跡に近い数字になりますね。
ちなみに、筆者は36歳での初産でした。
高齢出産とは?
日本産婦人科学会では「35歳以上の初産婦」を高齢出産と定義しています。
1993年までは30歳以上となっていましたが、女性の社会への進出を背景とし、30歳以上の初産婦が増えたことと、35歳を越えると妊娠、出産に関わるリスクが高まるということで、年齢が引き上げられました。
尚、経産婦の場合は40歳以上を高齢出産といいます。
1993年までは30歳以上となっていましたが、女性の社会への進出を背景とし、30歳以上の初産婦が増えたことと、35歳を越えると妊娠、出産に関わるリスクが高まるということで、年齢が引き上げられました。
尚、経産婦の場合は40歳以上を高齢出産といいます。
家系で双子の確率が上がる?
一卵性の場合は、家系や人種に関わらず、自然妊娠の確率は0.4%です。
ただし、二卵性の場合は排卵が一度に複数個起こる体質というのがあるようで、これは家系が深く関わっています。
特に、母方に二卵性の双子がいる場合、双子率は約4倍にもなると言われています。
また、アフリカ系も多胎の確率が高いことで知られています。
医師に相談すれば、双子の確率を上げられる?
二卵性双生児が増えている理由として挙げた排卵誘発剤や体外受精で、双子を授かる確率を上げることはできるでしょう。
ただし「双子が欲しいから」という理由で、自然妊娠が可能な人にこのような医療行為を行ってくれるかどうか?は、医師の判断に委ねられるところです。何故なら、双子の妊娠・出産はリスクが高く、赤ちゃんに障がいが残る確率もゼロではないからです。
しかしながら「双子で生むことが必要」という場合は、医師への相談も可能かもしれません。
例えば、
高齢出産の場合は、一人ずつ2回の出産をするより、双子を1回産む方がリスクが減る
続発性不妊症、Rh-型の人に多く見られる血液型不適合妊娠など、1度しか妊娠できないような可能性が高い場合
など、医療として必要な双子であれば、医師へ相談することは可能だと思われます。食生活で双子確率を上げられる?
食べ物で双子の確率を上げる……、というよりは、体格よく、栄養状態のよい人が双子の確率が上がるので、そのための食生活ということです。
中でも、葉酸は厚生労働省も葉酸サプリの摂取を奨めているくらい、妊娠とは切っても切れない栄養素ですが、葉酸は双子の妊娠確率を上げるという研究結果も出ているようです。
痩せた人より太り気味の人が双子の妊娠率が高いようですが、双子が欲しいからと不健康に太ってはいけません。あくまでも栄養状態の良い、健康的な体格の良さが理想です。
葉酸
葉酸はビタミンの一種で、妊婦なら必須とも言われる栄養素です。細胞が新しく生まれるのには、核酸という生命活動の維持に重要な役割を果たすものが必要ですが、葉酸は、この核酸を作るのにとても重要です。
妊娠初期は、赤ちゃんの重要な器官が作られる大切な時期なので、この頃は葉酸を積極的に摂るようにと言われます。
そんな葉酸を、妊娠前から摂っていると、双子を妊娠する確率が高くなるという研究結果があるようです。
妊娠前から葉酸が充分あると、細胞分裂が活発になり、1個の受精卵が分裂して2つになる、つまり一卵性双生児になりやすいという訳です。
オーストラリアの研究チームによると、その確率は40%も上がったと報告されており、これが本当なら、かなり高い確率ですね!
しかし、双子が欲しいからと、通常の2倍摂取する必要はありません。葉酸は摂り過ぎると、赤ちゃんに喘息が発症する可能性が高くなるので、適正な量を守りましょう。
葉酸サプリについて詳しくはこちらをご覧ください。
ヤムイモ
前述のように、アフリカ系は双子が生まれる確率が高い人種です。ヤムイモとはキャッサバとも呼ばれるもので、アフリカや熱帯アジア、ラテンアメリカなどで主食として食べられているものです。日本のヤマノイモ、山芋、自然薯などの仲間です。
アフリカのヤムイモをよく食べる部族では、双子の出生率が世界の平均と比べて4倍も高く、複数の排卵を誘発する刺激が与えられるのではないかと考えられています。
真偽のほどはわかりませんが、食品として食べることには何も問題はないでしょう。
乳製品などの動物性食品
アメリカのデータによると、牛乳を飲んでいる人は双子の妊娠確率が5倍も高いとしています。これは、牛の肝臓で作られるインスリン様成長因子(IGF)が、生殖機能を高めて卵子の生産数をアップさせるということからです。
カルシウムも生殖機能を高めることから、乳製品の他に、魚や肉などの動物性食品も双子妊娠の確率を上げるために効果的ではないかと言われています。
筆者の場合、「高齢出産」のみ当てはまってました
こうしてマユツバものの情報も交えてみると、実際に一卵性双生児を生んだ筆者が当てはまるのは、「高齢出産」だったということです。36歳の時に初めて妊娠出産したので、立派な高齢出産です。しかし、一卵性なので、体質や家系にも関係なく、もちろん事前に葉酸サプリなど飲んでおらず、体格も157㎝47㎏(当時)と、大柄どころか小柄な方でした。
ライターという職業柄、昼夜が逆転したような生活をしていましたし、不規則な生活、ほぼ毎晩アルコールも飲んでいました。
もちろん、妊活などしていないどころか、当時のパートナーとはまだ結婚さえしておらず、当然ですが不妊治療も受けたことがありません。
しかし親戚に双子が意外に多くてビックリしました。父方の親戚(筆者の従兄)に、不妊治療による二卵性、母方の従弟には一卵性、パートナーの叔母も一卵性の双子だったそうです。
科学的に見ると家系は関係ないとはいえ、一卵性双生児が多いなぁとは思います。
結局、しっかりと当てはまるのは高齢出産だったということだけですが、一卵性の生まれる確率が0.4%しかないのに、家系に3組の一卵性双生児がいることは確かです。
いずれにしても、一卵性の双子を授かった時は驚きましたが、特別な運命を感じたことも事実です。
実は筆者は何をするにも「普通じゃない」数奇な人生を辿っているのですが・・・(笑)、その中でも、一番数奇な部分かもしれません。
実際に双子を生んだ人に、家系やいつ生んだかを聞いてみるといいわね!ただ、参考にはなっても確実な方法なんてないし、双子はリスクが高いことも覚えておいてね!
双子の妊娠を望む人は多いが、リスクはかなり大きい
双子に憧れる気持ちはわかります。神秘的で、並んでるとかわいいし、特別な感じがしますよね。筆者も、正直「双子」と聞いた時には焦りましたが、ちょっぴり自慢でもありました。
しかしながら、双子は生むまでにものすごくリスクが高く、もし筆者が「一人ずつ2回生むのと、二人を一度に生むのとどっちがいいか」と尋ねら
れたら確実に「一人ずつ2回生む」と答えます。
実際に、筆者の息子たちは、極低体重児で生まれ、双子の兄は脳性マヒで歩けません。もちろん、一人ずつ生むのだって、リスクはありますし、一人で生まれてきても障がいがある子どもたちはたくさんいます。
しかし、わざわざ双子を望んで、赤ちゃんたちを危険にさらす必要はないと考えます。
もちろん、双子は普通のきょうだいよりも絆が強いと感じることが多く、双子ならではの不思議なシンクロもよくあります。
色違いやお揃いの服を着せるのもかわいいし、何といっても「特別感」たるや、筆舌に尽くしがたいでしょう。
それでも、やっぱり双子は授かるものであり、望んで産み分けるものではないと思います。
不妊や一度しか妊娠できない特別な理由がない限り、一人ずつ生む方が、安心で安全な妊娠・出産ができます。双子に安産はないという理解が必要です。
双子は私たちの意思では左右できない"授かりもの"
双子ができるメカニズムを理解すると、双子を産み分ける方法のひとつひとつも「なるほど」と思うことがあります。
ただし、どの方法を取っても「確実」とは言えず、医療行為が一番確率が高いとはいえ、それも「絶対」ではありません。
双子を望む気持ちはわかりますが、例え授かったとしても、出産までのリスクが高いことは覚えておいていただきたいと思います。
双子とは、知れば知るほど摩訶不思議で奇跡のような存在。確率を上げる方法はあっても、産み分けるなんて、不可能に近いのかもしれませんね!