キシリトールは虫歯予防の効果ナシ?歯科医が教えるキシリトールの真実

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キシリトールは今や虫歯予防の代名詞となる存在ですが、キシリトールの効果を過信している風潮に歯科医である筆者は不安を覚えます。

たしかにキシリトールは砂糖のように虫歯にならないという点においては、非常に優れた甘味料です。

ただ、キシリトールには「虫歯を予防する効果」はそれほど期待できません。

「キシリトールを摂りいれているから虫歯予防はバッチリ」と思っている方は、もう一度キシリトールに関する正しい知識を身に着けておきましょう。

歯科医である筆者が、キシリトールにまつわる様々な疑問にお答えしながら、正しい情報を提供できればと思います。



この記事は、歯科医師の方に執筆していただき、アンチエイジングの神様チームで編集しております。

キシリトールは「虫歯にならない甘味料」


食べ物に「甘味(甘み)」を加えていくのが甘味料の役割です。甘味の代表格といえば砂糖ですが、この砂糖は虫歯菌の大好物でもあるので、虫歯をつくる原因になってしまいます。

キシリトールも砂糖と同じ甘味料の仲間ですが、キシリトールは砂糖とは異なり、虫歯にならない甘味料として注目されています。

キシリトールは虫歯をつくらないが、虫歯予防の効果は低い

ミュータンス菌 歯垢 予防歯科 キシリトールはそれを口にいれても虫歯にならないというだけで、キシリトールを食べたからといって虫歯を予防できるわけではありません。

虫歯は「歯」と「虫歯菌」、そして「糖分」と「時間」という4つの条件が重なることで発生します。キシリトールはこの糖の部分に関わらないため、虫歯を発生させません。

ただし、キシリトールは4つの条件すべてを0にしてくれるわけではないのです。

キシリトールはあくまでも「補助的な役割」
過去から現在に至るまで、キシリトールの虫歯予防効果に関する様々な情報が多くあります。

しかし近年、科学的データに基づく医学情報を公表するコクランライブラリーにおいて、過去のキシリトールに関する論文等は科学的根拠が薄いという結果が報告されています。

キシリトールに関しては過大な広告も多いため、「キシリトールを摂ってさえいれば虫歯にならない」という思い込みが強くなりがちです。

しかし虫歯予防の観点でいえば、キシリトールはあくまで補助的な役割を果たすものだと考えておくべきでしょう。


キシリトールが虫歯予防に良いと言われる4つの理由

なぜここまでキシリトールが虫歯予防として注目を集めたのでしょうか。そこには4つの理由があります。

  1. キシリトールは虫歯の原因となる酸を作らない
  2. キシリトールは虫歯菌の動きを弱くする
  3. キシリトールがプラークの性質を変える
  4. 再石灰化を促す

キシリトールは虫歯の原因となる酸を作らない
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図のように虫歯は虫歯菌がつくる酸によって歯が溶ける病気ですが、キシリトールには虫歯菌に酸をつくらせない性質があります。

虫歯菌も自身が生きていく上でエネルギーをつくらなければなりません。そこで虫歯菌は糖を原料にしエネルギーををつくるわけですが、同時に酸もつくりだし外へ吐き出します。

この酸が歯の表面にあるエナメル質を溶かすことが、虫歯になる原因です。

虫歯菌はキシリトールでは酸をつくれない
一方のキシリトールは虫歯を作る砂糖ととても似た形をしているため、虫歯菌が砂糖と勘違いをして体に取り込んでしまいます。

しかし虫歯菌にはキシリトールでエネルギーをつくる機能が備わっていないため、エネルギーや酸をつくりだすことができません。

そのため、キシリトールは虫歯をつくらない糖として、さまざまな食品に応用されています。

キシリトールは虫歯菌の動きを弱くする
歯科衛生士 糖アルコール ミュータンス菌 キシリトールにはもう1つ、虫歯菌の活動を弱める働きがあります。

先にも述べた通り、虫歯菌は砂糖と勘違いしてキシリトールを摂りこんでも、そのキシリトールからはエネルギーをつくることはできません。

つまり結果的に虫歯菌はエネルギー不足になってしまい、動きが鈍くなってしまうのです。

キシリトールに殺菌効果はない
キシリトールを大々的に宣伝するキャッチコピーに「キシリトールで虫歯菌を殺菌」「虫歯菌を減らす」などのようなフレーズが使われます。

しかしキシリトール自体には「虫歯菌を殺菌する効果はない」ので注意しましょう。

キシリトールはあくまで虫歯菌の動きを弱めるだけで、虫歯菌自体を殺してしまう働きはありません。

キシリトールがプラークの性質を変える
キシリトールには虫歯の原因となるプラークの性質を変え、虫歯菌が歯の表面に集まりにくくする働きがあります。

虫歯菌は砂糖を元にしてエネルギーと酸、そしてもう1つ不溶性グルカンという物質をつくります。

不溶性グルカンとは水に溶けにくいネバネバした成分で、このネバネバ成分によって虫歯菌同士が結束を固めるわけです。

ネバネバ成分で集まった虫歯菌の集まりがプラークで、プラークが歯の表面に密着しやすいことも虫歯のリスクを高める原因となります。

キシリトールでプラークのリスクを減らす
虫歯菌はキシリトールで酸やエネルギーのみならず、ネバネバ成分の不溶性グルカンをつくることもできません。

不溶性グルカンが作られないことで虫歯菌が結束しにくく、またプラークも固まりにくいため歯ブラシで落としやすくなります。

再石灰化を促す
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キシリトール自体に再石灰化の効果はないのですが、副次的な効果として再石化を促すことは期待できます。

キシリトールは砂糖に匹敵するほど甘味の強い甘味料です。この強い甘味によって唾液の分泌が活発になります。

唾液と歯の再石灰化には深い関係があり、唾液の量が増えると歯の再石灰化が促され、結果として虫歯予防の効果が得られるというわけです。

ただ、これはキシリトール自体の効果ではありません。キシリトールの仲間であるソルビトールやマルチトールも甘味が非常に強く、上記と同様の効果が得られることがわかっています。

再石灰化とは?
歯の表面にあるエナメル質は酸に弱く、口の中が酸性になると溶けだす性質を持っています。酸によって歯が溶けだすことを脱灰(だっかい)といいます。

一方で唾液によって酸が薄められ、口の中が中性~アルカリ性に戻ると唾液中のカルシウムが再び歯に取り込まれます。これが再石灰化です。

口の中でエナメル質の表面は、常にこの脱灰と石灰化が繰り返されています。

虫歯は口の中が酸性になる時間が多くなることで、再石灰化よりも脱灰が進むことが原因で起こる病気です。

つまり脱灰よりも再石灰化を優位にすることが、虫歯予防においては非常に効果的と言えます。

キシリトール製品はキシリトール以外の成分に注意する


歯科衛生士 糖アルコール ミュータンス菌

キシリトールは虫歯予防の効果があると注目を浴びており、市販でも多くの商品が販売されています。

しかし選び方に注意しなければ、虫歯予防どころかかえって虫歯を引き起こす恐れがあります。

そこでキシリトール製品を選ぶに際し、注意すべき4つのポイントをご紹介していきましょう。

キシリトールの有無より「何が入っていないか」に注目する
キシリトール製品を選ぶ際はキシリトールが入っていることも大切ですが、それ以外の成分に何が含まれるかが非常に重要です。

例えばキシリトールが入っていても、別の糖が一緒に入っていれば虫歯予防どころかかえって虫歯の原因になってしまいます。

また原料に柑橘系や酸味のある原材料を使用している製品は、口の中を酸性にして脱灰(ページ上部へ)を進めてしまう可能性があるので注意が必要です。

キシリトール製品を選ぶ際は
・他の糖が入っていない(糖類0である)
・クエン酸や果汁などが入っていない
ことを確認しましょう。

キシリトールの含有量が高いものを選ぶ
キシリトールの効果を期待したいのであれば、できる限りキシリトールの含有量が高いものを選ぶ方が得策です。

その基準として「50%以上であれば効果あり」というような具体的な数値も多く目にします。ただその数値の根拠となるデータはありません。

ただスーパーやドラッグストアで販売されているキシリトール製品の中には、20%程度しか配合されていないものもあります。

ですので「50%」という数値は1つの目安と考え、そのうえで最も含有量の高い商品を選ぶと良いでしょう。

キシリトールの含有量の求め方
キシリトールの含有量は、パッケージに記載されている成分分析表から出すことができます。

成分分析表の「キシリトール」と「炭水化物」の量を確認し、
キシリトールの量(g)÷炭水化物(g)×100
で出だされた数値が、その製品のキシリトール含有量です。

歯科医院で販売されている製品はキシリトール100%が多い
歯科医院でもキシリトール製品は販売されています。

歯科専売用の製品はキシリトール含有量が100%のものもあるので、より効果を実感したいという人にはお勧めです。

ただ価格は市販のものよりも高くなります。キシリトールの含有量も重要ですが、自身に負担のない価格帯を選ぶことも忘れないようにしましょう。

再石灰化の効果を期待したいなら+αの成分を選ぶ
キシリトール自体には再石灰化を促す働きはありませんが、その他の成分に歯の再石灰化を期待できるものがあります。

虫歯になりにくいことに加え再石灰化によって歯を丈夫にする効果を狙いたいなら、以下のような成分がプラスされた製品を選ぶと良いでしょう。

歯の再石灰化が期待できる成分
・フクロノリ抽出物(フノラン)
・リン酸一水素カルシウム
・リン酸化オリゴ糖カルシウム
・リカルデント(CCP-ACP)

またキシリトール配合の歯磨き粉やデンタルリンスを使用する場合は、フッ素配合のものをお勧めします。

タブレットやキャンディーよりガムの方が唾液を増やす効果が期待できる
現在販売されているキシリトール配合の食品は、タブレットやキャンディー、ガム、チョコレートなどあります。その中ではガムが1番お勧めです。

ガムをかむと唾液の分泌が促されます。唾液は再石灰化効果のほかにも、汚れを洗い流す自浄作用があるため、口の中を清潔に保つ効果が期待できます。

また唾液の量が増えることで口の乾燥を防ぎ、虫歯や歯周病予防のほかに口臭にも良い効果をもたらすでしょう。

ただ小さなお子様やかむ力の弱い高齢者の方には、タブレットやキャンディーをお勧めします。

まだまだある!キシリトールにまつわるQ&A


キシリトールに関しては正しい情報と根拠のない情報とが入り混じって広がっているのが現状です。

ここではキシリトールにまつわる様々な疑問にお答えしていきます。

キシリトールの安全性は問題ない?
キシリトールは天然の甘味料でイチゴやほうれん草、レタスなどの野菜や果物にも含まれています。

またガムやキャンディなどに使用されるキシリトールも国が安全と認めた食品添加物なので、子供でも安心して口にできる甘味料です。

ただキシリトールは消化されにくい性質があるため、一度に多量を摂取すると下痢や腹部に不快感を生じる恐れがあります。

その量は体質なども関係しますが、およそ20~30gです。つまりパッケージ内のガムやタブレットを一気に食べてしまえば何らかの副作用があらわれる恐れがあります。

大人であればその心配はないでしょうが、小さなお子様の場合は製品の管理にも注意してください。


1日にどのくらいのキシリトールを摂取すると良い?
キシリトールはその効果を得やすい量の研究などがあまりなく、明確な推奨量などは定められていません。

一説には「1日5g」とか「1日10g」などと言われていますが、いずれも根拠に乏しい数値と言えます。

ただ上記にもあるように、キシリトールは一度に大量に摂取すると、下痢やお腹の不快感を招くおそれがあります。

どの製品にもパッケージに摂取の目安が載せられていますで、その量を参考に摂りいれてください。

子どもの虫歯予防にキシリトールは効果がある?
キシリトールは虫歯にならない甘味料ですが、予防という意味において期待できる効果は低いと言えます。

甘いものを欲しがる子供にキシリトール製品を与えることは良いことですが、虫歯予防のためにキシリトールを頻繁に与えることは少し慎重に考えましょう。

なぜなら、甘味は依存性が高い味覚だからです。大人でも甘い食べ物を口にすると幸せな気分なれるほど、甘味という味覚は非常に魅惑的な要素を持っています。

キシリトールの甘味は非常に強いため、強制的に与えてしまうと子供はより甘味を強く欲するようになる可能性があることを理解しておいて下さい。


キシリトール配合の飴やガムは寝る前に食べても問題はない?
糖類が0gのキシリトール製品であれば、就寝前に食べても虫歯になることはありません。

ただ糖類0gであっても、カロリーは0ではないので注意しましょう。歯の健康のみを考えれば支障はありませんが、就寝前にカロリーのあるものをあえて摂るメリットもあまりないと言えます。


小さな虫歯であればキシリトールで治る?
キシリトールはあくまで虫歯をつくらない甘味成分であり、虫歯を治すといった働きはありません。

たしかに初期の虫歯は、歯の再石灰化を促すことで修復することは可能です。

しかしそれは正しい歯磨きによって口内を清潔に保つことと、唾液の量を増やすことが条件です。

キシリトールだけで虫歯を治せたらこんなに嬉しいことはないのですが、残念ながらキシリトールにはそこまでの働きは期待できないでしょう。


まとめ:キシリトールの効果を過信しないよう注意する


キシリトールの効果が注目を集めはじめて10年以上の月日が経ち、市場には様々なキシリトール製品が販売され、虫歯予防の効果が大々的に広められました。

しかし、近年はその効果の根拠に疑問符が打たれ、歯科専門家の間でも賛否が分かれています。

もちろんキシリトールは「他の糖のように虫歯にならないこと」「虫歯菌の動きを弱めること」など、他の糖類に比べて優れた性質を持っていることは確かです。

毎日の歯磨きにまさる虫歯予防はありませんが、キシリトールは日々の虫歯予防のサポート役としての効果は期待できるでしょう。

キシリトールが虫歯にならない3つの理由
1. 虫歯の原因となる酸がつくられない
2. プラークの性質を変える
3. 唾液の分泌を促進し再石灰化を促す


◆参考文献
・日本トゥースフレンドリー協会
・コクランライブラリー 2015年3月
・特定食品表示許可商品/公益財団法人 日本健康・栄養食品協会

《編集:安藤美和子》
サプリメントアドバイザー、化粧品検定一級、薬事法管理者の有資格者チームの管理人。化粧品開発・プロモーションの実務経験を活かし、雑誌・WEBメディアの執筆/ディレクションを行う。


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