舌が白い原因はストレスかも!歯科医が教える正しい舌苔ケア法
[公開日]2017/10/18[更新日]2017/10/20
「舌が白いと病気って本当?」
「子供の舌が白くて心配」
舌は、通常ピンク色をしています。そのため、舌が白くなると不安に感じるかもしれません。
舌が白い原因は、「舌苔」という食べ物のカスが舌の溝に溜まっているからです。
舌苔は病気ではなく誰でもあるものですが、ストレスが溜まったり免疫力が下がると増えてしまいます。
この記事では、舌が白くなる原因や正しい予防法などについて、歯科医である筆者の知識や経験を元に解説していきます。
※舌苔を取り除こうと舌磨きしすぎるとかえって舌が白くなる原因になるので正しい知識を知っておきましょう。
舌が白くなる原因の1つが舌苔(ぜったい)と呼ばれる付着物です。
ここでは、まず舌苔とはどのようなものなのか詳しく解説したいと思います。
白くなった部分は舌苔(ぜったい)と呼ばれ、その名の通り舌に付着してたまったものが、白い苔のように見えるのが特徴です。
舌苔を構成するものには、
などがあり、これらの物資が舌の表面にある舌乳頭(ぜつにゅうとう)というヒダの間に入り込んで、舌苔となります。
そのため、多くの場合は舌苔で舌が白くなっても、歯医者さんに行って治療を受ける必要はありません。
ただし、舌苔が増えたり減ったりするのには、口内や体全体の健康状態が関係している場合があります。
そのため舌苔が急激に増えたりすることがあれば、まず自身の体調面について注意することが必要でしょう。
口臭の原因になるのは、上記に述べたように舌の表面に大量の舌苔が付いている場合です。少量の舌苔では口臭についてさほど気にすることはないでしょう。
口臭の原因は他にも、歯や歯ぐきについた汚れや歯周病といった歯ぐきの病気が深く関わっているため、安易に『舌苔=口臭』と結びつける必要はありません。
効果的な口臭対策については歯科医が教える口が臭い人がすべき対策と4大原因で詳しく解説しています。
舌苔が増える原因には様々あり、健康な人であっても体の状態によって舌苔の量は変化します。
舌の色は健康のバロメーターになるため、舌苔が気になりだしたらまずは自身の体調や生活習慣などを振り返ってみましょう。
唾液には口内の汚れを洗い流す働きがあります。その唾液の量が減ってしまうと、舌に食べ物のカスが溜まりやすくなり、舌苔が多くなってしまいます。
今まで全然気にならなかったのに、ある時から舌の白さが気になりだす人の場合、健康に異常がなければ加齢による自然な現象である可能性が高いでしょう。
一方、唾液の量が減り、口の中が乾いてしまうと舌苔が増えてしまうわけです。そのため、口呼吸やドライマウスの方は注意が必要です。
唾液が減る原因は他にも
口の中が汚いことも、舌苔が増える原因です。歯磨きは最低でも1日2回は必ず行いましょう。
磨き残しを減らす歯磨き方法は「正しい歯磨き方法とやりがちなNG歯磨きの仕方」で解説しています。
風邪を引いた時に舌が白くなるのも、免疫力が弱って舌苔の量が増えるからです。ただ風邪が治れば、舌苔の量も減っていきます。
一方で糖尿病などの慢性的な病気の場合は、舌苔が常に付着している状態が続き、量も増える傾向があります。
厚みのある舌苔が毎日続くようであれば、健康診断などで自身の健康状態を1度確認してみるもの良いでしょう。
例えばひどく緊張する時に口が乾きやすいように、過度なストレスは唾液の量を減少させるため、舌苔を増やしてしまう原因になります。
また自律神経の乱れによって免疫力が下がることも、舌苔が増える原因と言えるでしょう。
舌苔は必ずしも取り除く必要はありません。
どのような場合に舌苔を取り除くべきか、以下にその目安を載せますので参考にしてみてください。
この部位に舌苔が薄くつく程度、空に例えるなら薄雲はあるが空の青が透けている程度であれば、特に何もする必要はありません。
しかし舌の表面はとてもデリケートです。無理に舌苔を取り除くとかえって舌を傷つけてしまい、さらに舌を白くしてしまう恐れがあります。
舌苔と一口にいっても付き方や量は個人差があり、また日によっても変化します。
空に例えるなら、厚い雲に覆われて青い空が全く見えないような状態です。
舌苔の正しい清掃方法については後に詳しく述べますので、舌をゴシゴシ強く磨くようなことは絶対に避けましょう。
赤ちゃんや幼児など子供の舌が白くなるのは、免疫機能がまだ発達してないことが原因の1つです。
子供は細菌やウィルスに感染しやすく、風邪などの病気で舌苔が付きやすいことがあります。
ただ病気が治れば舌苔もなくなるので、あえて舌苔を取り除くようなことをする必要はありません。
赤ちゃんの場合は母乳やミルクで舌が白っぽくなることがありますが、唾液の量も多いので自然と洗い流されることが多いでしょう。
どうしても気になるようであれば、柔らかいガーゼなどでふき取ってあげてください。
舌苔で舌が白くても、歯科などで治療する必要はありません。
ただし、舌苔以外にも舌が白くなることはあり、場合によって歯科や内科などの専門科を受診する必要があります。
カンジダ菌が舌に感染すると、舌苔のように舌が白くなります。ただ一見すると舌苔によく似た症状なので見分けることは難しいかもしれません。
単に舌が白い場合は、舌苔が苔のように白く固まっているのに対し、口腔カンジダ症は白く薄い膜のようなものが舌全面に覆っているように見えるのが特徴です。
口腔カンジダ症を治すには抗菌剤の服用が必要なので、歯科医院の受診が必要です。
舌苔との大きな違いは、舌苔はブラシやヘラなどで取り除くことができますが、白板症の場合は白い部分をこすっても取り除けないことです。
白板症の中には放置すると危険な症状になる可能性もあるので、白くなった部分が自分で取り除けないような場合は念のため歯科医院を受診しましょう。
多くのケースではそれほど深刻な病気の心配はありませんが、念のため歯科医院の受診をおすすめします。
食べ物によって舌が黄色くなる場合は、時間とともに色も消えるので心配はありません。
ただし、喫煙が原因である場合は、タバコを吸う限り改善されず、黄色から茶色へと変化して、色が落ちにくくなるので注意しましょう。
また風邪や高熱などが続く病気でも舌が黄色になる場合がありますが、病気が治れば元に戻ります。
黒毛舌は、
などが原因で、舌が黒くなる状態のことです。
黒毛舌は特に深刻な病気というわけではありませんが、強い口臭や味覚異常の原因になるため、歯科医院などで改善を図りましょう。
歯科医院では、抗生物質の投与などで治療を行ないます。
地図状舌は小さな子供や若い女性に見られることが多く、その原因はまだはっきりとわかっていません。一説にはビタミンなどの栄養不足が原因ではないか考えられています。
地図状舌は痛みなどの自覚症状がないため、基本的にはそのまま様子を見ます。ただカンジダ症など他の病気との見分けが難しいため、念のため歯科医院で診てもらいましょう。
舌が赤いのは主に栄養不足が原因であることが多く、特にビタミンB群や鉄分の不足が疑われます。
放置しておくと舌がヒリヒリしたり痛みが出てくる場合があるので、歯科医院か内科で一度診てもらうことをお勧めします。
舌を清掃する際は歯ブラシで舌をゴシゴシ磨いてはいけません。舌は柔らかくとてもデリケートなので、ゴシゴシ磨くと舌を傷つけてしまい、かえって舌苔を増やしてしまう原因になってしまいます。
舌ブラシや舌クリーナーも同様、力を入れずにゆっくり汚れを落とすようにしましょう。
この時何度もブラシを動かしたり、ブラシを前後に動かすと舌を傷つけてしまうので注意しましょう。
日中は食事をしたり、会話をすることで舌をよく動かすので舌苔はそれほどつきません。しかし夜寝ている間は舌の動きも少なくなり、また唾液の量も減ってしまいます。
そのため朝起きたときが1番舌苔の量が多く、このタイミングで舌の清掃を行うのがベストです。
舌苔は粘膜を保護する役割や口内の細菌バランスを整える役割も持っています。そのため舌苔を取りすぎるとバリアが失われ、舌の表面が傷つきやすくなります。
また、舌をあまり磨きすぎると表面を傷つけたり、余分に剥がれ落ちた細胞の一部がさらに舌の表面に溜まるなどして、舌苔の量を増やす原因になるので注意しましょう。
歯磨きは毎日欠かさず行うものですが、舌の清掃はあくまで舌苔が付いた時だけにとどめることが必要です。
不規則な生活や暴飲暴食は口の乾燥や免疫力の低下の原因となり、舌苔を増やす要因になってしまいます。
生活リズムを整え十分な睡眠をとること、バランスの取れた食事を意識すること、ストレスをためないことも舌苔を減らすポイントです。
近年は「舌苔が口臭予防に効果的」と謳う情報も多く、舌を清掃するアイテムも多く販売されていますが、舌ばかり磨いても口臭が消えることはありません。
まずは基本の歯磨きを徹底し、口の中を清潔に保つように努めましょう。
食事の際、しっかり咬むことは唾液の分泌を増やすほか、舌の動きも多くなります。噛みごたえのあるものを積極的に食べたり、噛む回数を意識して増やしてみてください。
またたくさんしゃべることは、同時に舌をたくさん動かすことにつながるため、舌苔の予防として非常によい効果をもたらすでしょう。
舌が白くなる原因の1つである舌苔は、口内の清掃状態や体調などによって増減します。
ただ舌苔自体は悪いものではありません。見た目や口臭ばかりを気にして舌苔をゴシゴシ取り除くようなことを続ければ、かえって舌苔を増やしてしまう原因になります。
舌が白いからといって、ゴシゴシ舌苔を取り除くことよりも、舌苔が増える原因について考えてみましょう。
舌苔を防ぐには毎日しっかり歯磨きを行い、規則正しい生活を心がけることが大切になります。
◆参考文献
舌の苔について / 日本赤十字社和歌山医療センター
口腔顎顔面疾患アトラス / 道健一 監修 / 永末書店
「子供の舌が白くて心配」
舌は、通常ピンク色をしています。そのため、舌が白くなると不安に感じるかもしれません。
舌が白い原因は、「舌苔」という食べ物のカスが舌の溝に溜まっているからです。
舌苔は病気ではなく誰でもあるものですが、ストレスが溜まったり免疫力が下がると増えてしまいます。
この記事では、舌が白くなる原因や正しい予防法などについて、歯科医である筆者の知識や経験を元に解説していきます。
※舌苔を取り除こうと舌磨きしすぎるとかえって舌が白くなる原因になるので正しい知識を知っておきましょう。
目次
この記事は、歯科医師の方に執筆していただき、アンチエイジングの神様チームで編集しております。
舌が白い原因は食べ物カスによる舌苔(ぜったい)
舌が白くなる原因の1つが舌苔(ぜったい)と呼ばれる付着物です。
ここでは、まず舌苔とはどのようなものなのか詳しく解説したいと思います。
古くなった細胞や食べカスなどが舌苔を作る
舌の表面には凸凹があり、凹んだ部分に古くなった細胞や食べカスなどが溜まると、やがて舌が白くなります。白くなった部分は舌苔(ぜったい)と呼ばれ、その名の通り舌に付着してたまったものが、白い苔のように見えるのが特徴です。
舌苔を構成するものには、
・口の中の粘液
・古くなって剥がれ落ちた細胞
・食べカス
・白血球(血液の成分)
・唾液に含まれるタンパク質
・古くなって剥がれ落ちた細胞
・食べカス
・白血球(血液の成分)
・唾液に含まれるタンパク質
などがあり、これらの物資が舌の表面にある舌乳頭(ぜつにゅうとう)というヒダの間に入り込んで、舌苔となります。
舌苔は病気ではない
舌苔で舌が白くなるのは病気ではなく、健康な人でも舌苔はつきます。そのため、多くの場合は舌苔で舌が白くなっても、歯医者さんに行って治療を受ける必要はありません。
ただし、舌苔が増えたり減ったりするのには、口内や体全体の健康状態が関係している場合があります。
そのため舌苔が急激に増えたりすることがあれば、まず自身の体調面について注意することが必要でしょう。
舌苔が大量についていると口臭の原因になる
舌苔には腐った食べカスやニオイを発生させる細菌などが含まれるため、口臭の原因になることがあります。口臭の原因になるのは、上記に述べたように舌の表面に大量の舌苔が付いている場合です。少量の舌苔では口臭についてさほど気にすることはないでしょう。
口臭の原因は他にも、歯や歯ぐきについた汚れや歯周病といった歯ぐきの病気が深く関わっているため、安易に『舌苔=口臭』と結びつける必要はありません。
効果的な口臭対策については歯科医が教える口が臭い人がすべき対策と4大原因で詳しく解説しています。
舌苔が増える5つの原因、加齢・口呼吸で舌が白くなる
舌苔が増える原因には様々あり、健康な人であっても体の状態によって舌苔の量は変化します。
舌の色は健康のバロメーターになるため、舌苔が気になりだしたらまずは自身の体調や生活習慣などを振り返ってみましょう。
舌を白くしないためには、まずその原因をよく知ることが大切ね!
加齢による唾液量の減少
年を重ねるごとに、舌苔の量も増えていきます。なぜなら加齢によって唾液の分泌する機能が低下し、唾液の量が減ってしまうからです。唾液には口内の汚れを洗い流す働きがあります。その唾液の量が減ってしまうと、舌に食べ物のカスが溜まりやすくなり、舌苔が多くなってしまいます。
今まで全然気にならなかったのに、ある時から舌の白さが気になりだす人の場合、健康に異常がなければ加齢による自然な現象である可能性が高いでしょう。
口呼吸やドライマウスなどによる口の乾き
唾液には舌苔の成分になる細胞や食べカスを洗い流す働きがあるので、唾液の分泌が活発になれば舌苔も付着しにくくなります。一方、唾液の量が減り、口の中が乾いてしまうと舌苔が増えてしまうわけです。そのため、口呼吸やドライマウスの方は注意が必要です。
唾液が減る原因は他にも
・アルコール
・タバコ
・薬剤
などがあり、これらを常習的に摂取する人は舌苔がつきやすくなります。・タバコ
・薬剤
歯磨き不足
舌苔が気になって舌の清掃を必死にやっても、歯磨きをきちんと行わなければ舌苔は増えていきます。口の中が汚いことも、舌苔が増える原因です。歯磨きは最低でも1日2回は必ず行いましょう。
磨き残しを減らす歯磨き方法は「正しい歯磨き方法とやりがちなNG歯磨きの仕方」で解説しています。
風邪などの体調不良
舌苔は体の免疫とも深い関係があり、体が弱って免疫力が低下すると口内の細菌が増えて舌苔が付きやすくなります。風邪を引いた時に舌が白くなるのも、免疫力が弱って舌苔の量が増えるからです。ただ風邪が治れば、舌苔の量も減っていきます。
一方で糖尿病などの慢性的な病気の場合は、舌苔が常に付着している状態が続き、量も増える傾向があります。
厚みのある舌苔が毎日続くようであれば、健康診断などで自身の健康状態を1度確認してみるもの良いでしょう。
自律神経の乱れ、ストレス
ストレスは舌苔が増える要因の1つです。ストレスによって体の様々な機能を調整する自律神経のバランスが崩れると、唾液の分泌にも影響を及ぼします。例えばひどく緊張する時に口が乾きやすいように、過度なストレスは唾液の量を減少させるため、舌苔を増やしてしまう原因になります。
また自律神経の乱れによって免疫力が下がることも、舌苔が増える原因と言えるでしょう。
ストレスは胃腸の不調が原因になっていることも
ストレスは精神的ストレスや肉体的ストレスに分かれますが、胃腸の不調(便秘や下痢など)がストレスに繋がることもあります。
胃腸の調子が悪い時は、舌が白くなるだけでなく口臭がキツくなりやすいので、腸内環境を整える食生活で改善をはかりましょう。
胃腸の調子が悪い時は、舌が白くなるだけでなく口臭がキツくなりやすいので、腸内環境を整える食生活で改善をはかりましょう。
舌が白いからといって無理に取り除くのはかえって危険
舌苔は必ずしも取り除く必要はありません。
どのような場合に舌苔を取り除くべきか、以下にその目安を載せますので参考にしてみてください。
舌の表面にうっすらと舌苔がみえる⇒特に何もする必要はなし
舌苔は舌の奥2/3あたりが最も付きやすくなっています。この部位に舌苔が薄くつく程度、空に例えるなら薄雲はあるが空の青が透けている程度であれば、特に何もする必要はありません。
舌苔が厚い、または舌の表面に大量についている⇒舌苔の掃除する
舌苔が舌全体にべっとりとついている場合や、舌苔が多く厚みがある場合は舌苔の掃除を行います。舌磨きしすぎは余計に舌を白くする可能性あり
近年は清潔感を重視する傾向が強く、舌が白いのを気にして舌をゴシゴシ磨いたりする人も増えています。しかし舌の表面はとてもデリケートです。無理に舌苔を取り除くとかえって舌を傷つけてしまい、さらに舌を白くしてしまう恐れがあります。
舌苔と一口にいっても付き方や量は個人差があり、また日によっても変化します。
空に例えるなら、厚い雲に覆われて青い空が全く見えないような状態です。
舌苔の正しい清掃方法については後に詳しく述べますので、舌をゴシゴシ強く磨くようなことは絶対に避けましょう。
子供の舌は白くなりやすいが病気ではない
赤ちゃんや幼児など子供の舌が白くなるのは、免疫機能がまだ発達してないことが原因の1つです。
子供は細菌やウィルスに感染しやすく、風邪などの病気で舌苔が付きやすいことがあります。
ただ病気が治れば舌苔もなくなるので、あえて舌苔を取り除くようなことをする必要はありません。
赤ちゃんの場合は母乳やミルクで舌が白っぽくなることがありますが、唾液の量も多いので自然と洗い流されることが多いでしょう。
どうしても気になるようであれば、柔らかいガーゼなどでふき取ってあげてください。
口呼吸には注意する
舌苔が増える原因の1つに口呼吸がありますが、子供の口呼吸は特に注意が必要です。
口呼吸は小さいうちに改善しておかないと、歯並びや顎の成長にも影響を及ぼします。
何もしていない時に口をポカンと開けているようであれば、声かけするなどして早めに対処しましょう。
口呼吸は小さいうちに改善しておかないと、歯並びや顎の成長にも影響を及ぼします。
何もしていない時に口をポカンと開けているようであれば、声かけするなどして早めに対処しましょう。
舌が白いのは舌苔以外に他の病気がひそんでいる可能性も
舌苔で舌が白くても、歯科などで治療する必要はありません。
ただし、舌苔以外にも舌が白くなることはあり、場合によって歯科や内科などの専門科を受診する必要があります。
舌ブラシで取れない舌苔は異常サインの可能性あり
食べかすが溜まって舌が白くなる場合は舌磨きで対策できますが、以下のような病気でも舌が白くなります。このようなケースは早めに歯科医院で診てもらうか、場合によっては総合病院の口腔外科の受診が必要です。口腔カンジダ症
口腔カンジダ症はカンジダというカビの菌が感染することで起こる病気です。カンジダ菌が舌に感染すると、舌苔のように舌が白くなります。ただ一見すると舌苔によく似た症状なので見分けることは難しいかもしれません。
単に舌が白い場合は、舌苔が苔のように白く固まっているのに対し、口腔カンジダ症は白く薄い膜のようなものが舌全面に覆っているように見えるのが特徴です。
口腔カンジダ症を治すには抗菌剤の服用が必要なので、歯科医院の受診が必要です。
白板症(はくばんしょう)
白板症は粘膜の表面の異常で起こる病気で、舌に発生すると表面が白くなります。舌苔との大きな違いは、舌苔はブラシやヘラなどで取り除くことができますが、白板症の場合は白い部分をこすっても取り除けないことです。
白板症の中には放置すると危険な症状になる可能性もあるので、白くなった部分が自分で取り除けないような場合は念のため歯科医院を受診しましょう。
舌が赤い・黄色い・黒い・まだら模様も注意が必要
舌が白いのではなく、赤い・黒い場合も注意が必要です。多くのケースではそれほど深刻な病気の心配はありませんが、念のため歯科医院の受診をおすすめします。
舌が黄色い
舌が黄色くなる原因の多くは着色物によるものです。具体的にはカレーや焼きそばなど色の濃い物や、喫煙なども舌が黄色くなる原因になります。食べ物によって舌が黄色くなる場合は、時間とともに色も消えるので心配はありません。
ただし、喫煙が原因である場合は、タバコを吸う限り改善されず、黄色から茶色へと変化して、色が落ちにくくなるので注意しましょう。
また風邪や高熱などが続く病気でも舌が黄色になる場合がありますが、病気が治れば元に戻ります。
舌が黒い
舌の表面が真っ黒になるのは、黒毛舌(こくもうぜつ)の可能性があります。黒毛舌は、
・長い間、口内が不潔である
・ヘビースモーカー
・長期間にわたって抗生物質を服用していた
・ヘビースモーカー
・長期間にわたって抗生物質を服用していた
などが原因で、舌が黒くなる状態のことです。
黒毛舌は特に深刻な病気というわけではありませんが、強い口臭や味覚異常の原因になるため、歯科医院などで改善を図りましょう。
歯科医院では、抗生物質の投与などで治療を行ないます。
舌がまだら模様になっている
舌の表面が白と赤のまだら状になって、白い部分が地図のように見える場合は地図状舌(ちずじょうぜつ)の可能性があります。地図状舌は小さな子供や若い女性に見られることが多く、その原因はまだはっきりとわかっていません。一説にはビタミンなどの栄養不足が原因ではないか考えられています。
地図状舌は痛みなどの自覚症状がないため、基本的にはそのまま様子を見ます。ただカンジダ症など他の病気との見分けが難しいため、念のため歯科医院で診てもらいましょう。
舌が赤い
舌に舌苔が全くついてなく、舌が赤いのも異常のサインです。舌が赤いのは主に栄養不足が原因であることが多く、特にビタミンB群や鉄分の不足が疑われます。
放置しておくと舌がヒリヒリしたり痛みが出てくる場合があるので、歯科医院か内科で一度診てもらうことをお勧めします。
舌が白いときは、舌専用のブラシやヘラで対策
ここでは舌苔を取り除く方法について解説してもらいます。
舌の清掃には必ず舌専用のブラシやヘラを使用すること
舌苔が大量についている場合は、舌専用のブラシやヘラ状の舌クリーナーを使って舌苔を取り除きます。舌を清掃する際は歯ブラシで舌をゴシゴシ磨いてはいけません。舌は柔らかくとてもデリケートなので、ゴシゴシ磨くと舌を傷つけてしまい、かえって舌苔を増やしてしまう原因になってしまいます。
舌ブラシや舌クリーナーも同様、力を入れずにゆっくり汚れを落とすようにしましょう。
舌を何度もこすらない・ブラシを前後させない
ポイントはできるだけ舌を外に突き出すことです。思い切り舌をだすと舌が図のように山状になるので、その頂上から下に向かってブラシやヘラを動かします。この時何度もブラシを動かしたり、ブラシを前後に動かすと舌を傷つけてしまうので注意しましょう。
舌ブラシ・舌クリーナーの使用法
①舌を思い切り外へ突き出す
②舌の奥にブラシ(ヘラ)を当て、そこから先端に向かってなでるように下へおろす
③2,3回なでおろしたら口をゆすぐ
②舌の奥にブラシ(ヘラ)を当て、そこから先端に向かってなでるように下へおろす
③2,3回なでおろしたら口をゆすぐ
舌の清掃は朝起きてから行うのがベスト
歯磨きは『就寝前』に重点的に行うのがベストですが、舌の清掃は『起床時』に行うことをお勧めします。なぜなら舌苔が一番付きやすいのは、寝ている間だからです。日中は食事をしたり、会話をすることで舌をよく動かすので舌苔はそれほどつきません。しかし夜寝ている間は舌の動きも少なくなり、また唾液の量も減ってしまいます。
そのため朝起きたときが1番舌苔の量が多く、このタイミングで舌の清掃を行うのがベストです。
舌の清掃は習慣にしないこと
舌の清掃は毎日行う必要はありません。鏡を見て、舌に舌苔が多くついている時だけ舌の清掃を行いましょう。舌苔は粘膜を保護する役割や口内の細菌バランスを整える役割も持っています。そのため舌苔を取りすぎるとバリアが失われ、舌の表面が傷つきやすくなります。
また、舌をあまり磨きすぎると表面を傷つけたり、余分に剥がれ落ちた細胞の一部がさらに舌の表面に溜まるなどして、舌苔の量を増やす原因になるので注意しましょう。
歯磨きは毎日欠かさず行うものですが、舌の清掃はあくまで舌苔が付いた時だけにとどめることが必要です。
舌の清掃の効果は一時的なもので、舌苔を減らす効果はない
舌の清掃は舌に付着した舌苔を一時的に取り除くだけで、舌苔を減らす効果はありません。
舌苔がつく原因は口の中の状態や体調などと深い関係があります。
そのため舌苔を減らすには、舌苔を発生させる原因の改善が重要です。
舌苔がつく原因は口の中の状態や体調などと深い関係があります。
そのため舌苔を減らすには、舌苔を発生させる原因の改善が重要です。
よく咬むことや会話することも舌が白くならないようにするポイント
最後に、舌が白くならないためのポイントを教えてもらいましょう。
規則正しい生活を心がける
舌が白くなる原因(舌苔が増える原因)の多くが、体の健康状態と関係しています。不規則な生活や暴飲暴食は口の乾燥や免疫力の低下の原因となり、舌苔を増やす要因になってしまいます。
生活リズムを整え十分な睡眠をとること、バランスの取れた食事を意識すること、ストレスをためないことも舌苔を減らすポイントです。
口の中を清潔に保つ
口の中が汚いと、当然ですが舌苔の量も増え舌が白くなります。近年は「舌苔が口臭予防に効果的」と謳う情報も多く、舌を清掃するアイテムも多く販売されていますが、舌ばかり磨いても口臭が消えることはありません。
まずは基本の歯磨きを徹底し、口の中を清潔に保つように努めましょう。
たくさん咬むこと・たくさん会話をすることも大切
舌苔を効果的に予防するには、舌をよく動かすことと唾液の分泌を活発にすることがとても大切です。食事の際、しっかり咬むことは唾液の分泌を増やすほか、舌の動きも多くなります。噛みごたえのあるものを積極的に食べたり、噛む回数を意識して増やしてみてください。
またたくさんしゃべることは、同時に舌をたくさん動かすことにつながるため、舌苔の予防として非常によい効果をもたらすでしょう。
舌が白いときは不調のサインかも!生活見直しを
舌が白くなる原因の1つである舌苔は、口内の清掃状態や体調などによって増減します。
ただ舌苔自体は悪いものではありません。見た目や口臭ばかりを気にして舌苔をゴシゴシ取り除くようなことを続ければ、かえって舌苔を増やしてしまう原因になります。
舌が白いからといって、ゴシゴシ舌苔を取り除くことよりも、舌苔が増える原因について考えてみましょう。
舌苔を防ぐには毎日しっかり歯磨きを行い、規則正しい生活を心がけることが大切になります。
◆参考文献
舌の苔について / 日本赤十字社和歌山医療センター
口腔顎顔面疾患アトラス / 道健一 監修 / 永末書店
《編集:安藤美和子》
サプリメントアドバイザー、化粧品検定一級、薬事法管理者の有資格者チームの管理人。化粧品開発・プロモーションの実務経験を活かし、雑誌・WEBメディアの執筆/ディレクションを行う。
サプリメントアドバイザー、化粧品検定一級、薬事法管理者の有資格者チームの管理人。化粧品開発・プロモーションの実務経験を活かし、雑誌・WEBメディアの執筆/ディレクションを行う。