【医師が教える】体を冷やす食べ物とは?冷え性の原因と3つの改善方法
[公開日]2017/03/23[更新日]2017/06/25
病院で患者さん診察をしていると、冷えに悩む方が多く「どんな対策をすればよいのか、どんな漢方薬が良いのか」とよく質問を受けます。
冷え症で圧倒的に多いのは、肩、腰、お腹、太もも、手足の先、といった部分的な冷えですが、中にはとにかく全身が冷える"強い冷え"に悩む方もおり、冷えの症状はさまざまです。
この記事では、わたしたちを悩ます「しつこい冷え」について、医師である私が冷えの原因と改善方法をお伝えしていきます。
「冷え」は血行が悪くなることが一番の原因です。生活習慣や食生活、運動不足によって血行が悪くなると、全身血行のポンプ役である「心臓」から最も遠い「手足の先」まで血液が循環されずに、冷えが発生します。
冷えのサインとして一番多いのは、手指や手の平、足の指や足裏とくるぶしが冷えるという症状です。ただ、それとは逆に手足が熱く感じてしまう場合があります。このような手足の熱さ(のぼせ)も、冷えのサインです。
また、首より上の顔が熱い(のぼせる)と実感する「冷えのぼせ」タイプも多くいます。手足の末端が冷える、手足だけが熱い、首より上の顔が熱い、3パターンとも冷え症のサインです。「熱いから」「のぼせるから」と言って、体を冷やしたり、キンキンに冷えた飲み物や食べ物を食べないよう気をつけましょう。
かつて、冷え症と無関係そうな20代の筋肉がたくましいサーファーの男性が病院にやってきました。男性は「胃の調子が悪い」と訴え、たくさんの胃薬を飲んでいましたが、一向に良くならなかったのです。
よくよく話を聞いてみると、その男性は一日中サーフィンをしており、潮風にさらされ「喉が乾く」ようになっていました。そして、海からあがると海の家で氷水をがぶ飲みする習慣がついたのです。胃の調子が悪かったのは、氷水のがぶ飲みで起きる「胃腸の冷え(内臓冷え性)」が原因でした。
胃腸の冷え(内臓冷え性)は、女性に多い冷え性の悩みです。胃腸の冷えには、「六君子湯(りっくんしとう)」という漢方薬をよく処方します。女性は、この漢方薬で胃腸の調子が良くなって体温も上がり、子宝に恵まれることもあります。
まずは、男性に原因を知らせず、この「六君子湯」を2週間真面目に飲んでもらいました。2週間後、「胃の調子がすごく良くなった!」と満面の笑みで外来にやってきました。そのときにはじめて「六君子湯(りっくんしとう)は胃腸の冷え改善の漢方だから、普通は女性と高齢者に出している」ことを種明かししたところ、当然ですが、彼の顔は一気にしかめっ面になりました。
「この漢方薬から解放されたいなら、サーフィンはやっていいけど、氷水を止めること。そしたら、胃の調子もよくなるはずです」と提案したところ、男らしさに誇りがあったんでしょう。氷水を一切止めてくれました。
そして、2ヶ月も経たないうちに男性の胃の調子は元に戻り、「内臓冷え症」から解放されたのです。この男性のように筋肉があっても思わぬところに、「冷え症」を生む原因があります。
では、しつこい冷え症を改善するにはどうしたらいいのか。
冷え性改善には、やはり食事と運動が欠かせません。食事では冷たい食べ物ではなく、体温以上のあたたかい食べ物を摂りましょう。
生野菜や果物は、これまでの医師としての経験から、そのまま食べても冷えの原因にはならないと考えています。ただし、果物は栄養価が高い旬のものを選びましょう。
野菜は繊維を多く含むため、よく噛まなければなりません。よく、「ベジ・ファースト」と言われますが、先に生野菜を食べてから加熱した食材をとると、冷えを防ぎながらビタミンとミネラルがよく摂れます。「よく噛む」という行為は冷えを防ぐ最大の食行動です。
などがありますが、どんな食材が体を温めるか覚えるのはむずかしいと思います。(医者の私がそうですので。)
傾向としては、地下に向かって成長する根菜類は体を温めます。反対に、地上で育つ葉物野菜(レタス、キュウリなど)や南方産の果物(バナナ、スイカ、パイン、メロンなど)、色の白い食品は体を冷やす傾向があります。
また、リンゴなど北方が原産の果物は、体を冷やしにくい果物と言われています。ただし、食べ過ぎると消化のために血液が胃腸に集中し、筋肉や肝臓への血流が減るので気をつけましょう。
冷え症の原因の一つは、体内でうまく熱を作られていないからです。体の部位ごとの基礎代謝は、筋肉が3割強、肝臓が2割弱です。つまり筋肉が少ないと生み出せる熱量が少ないので、男性より女性の方が冷えるのです。
とはいえ、筋肉を増やすのは簡単ではないでしょう。血液の循環をよくするようなアロマ精油を加えたオイルで、ストレッチの前に足の筋肉をマッサージすることも冷え症改善になります。
自律神経の負荷と乱れは、冷えの原因になります。
自律神経が乱れる原因のひとつにエアコンがあります。わたしたちは、一年中エアコンで空調管理された空間にいることがほとんどなので、室内と室外の温度差が大きく、その分自律神経に負担をかけています。
つまり、当たり前の生活が冷えの原因になっているということですね。冷えは万病の元と言われますが、そうならないためにも日頃から食事やストレッチやこまめな運動を取り入れ、冷えにくい体を作ることを意識しましょう。
《編集:アンチエイジングの神様チーム》
冷え症で圧倒的に多いのは、肩、腰、お腹、太もも、手足の先、といった部分的な冷えですが、中にはとにかく全身が冷える"強い冷え"に悩む方もおり、冷えの症状はさまざまです。
この記事では、わたしたちを悩ます「しつこい冷え」について、医師である私が冷えの原因と改善方法をお伝えしていきます。
《執筆:医師 中村裕恵》
日本内科学会認定内科専門医であり、自然療法を実践するホリスティック専門家。メディカルビューティー酵素ファスティング協会代表、予防医学を取り入れる「トータルヒーリングセンター」を開院。
日本内科学会認定内科専門医であり、自然療法を実践するホリスティック専門家。メディカルビューティー酵素ファスティング協会代表、予防医学を取り入れる「トータルヒーリングセンター」を開院。
手足の熱さ(のぼせ)も冷え症のひとつ
「冷え」は血行が悪くなることが一番の原因です。生活習慣や食生活、運動不足によって血行が悪くなると、全身血行のポンプ役である「心臓」から最も遠い「手足の先」まで血液が循環されずに、冷えが発生します。
冷えのサインとして一番多いのは、手指や手の平、足の指や足裏とくるぶしが冷えるという症状です。ただ、それとは逆に手足が熱く感じてしまう場合があります。このような手足の熱さ(のぼせ)も、冷えのサインです。
また、首より上の顔が熱い(のぼせる)と実感する「冷えのぼせ」タイプも多くいます。手足の末端が冷える、手足だけが熱い、首より上の顔が熱い、3パターンとも冷え症のサインです。「熱いから」「のぼせるから」と言って、体を冷やしたり、キンキンに冷えた飲み物や食べ物を食べないよう気をつけましょう。
筋肉サーファー男性が冷え性になった原因
かつて、冷え症と無関係そうな20代の筋肉がたくましいサーファーの男性が病院にやってきました。男性は「胃の調子が悪い」と訴え、たくさんの胃薬を飲んでいましたが、一向に良くならなかったのです。
よくよく話を聞いてみると、その男性は一日中サーフィンをしており、潮風にさらされ「喉が乾く」ようになっていました。そして、海からあがると海の家で氷水をがぶ飲みする習慣がついたのです。胃の調子が悪かったのは、氷水のがぶ飲みで起きる「胃腸の冷え(内臓冷え性)」が原因でした。
胃腸の冷え(内臓冷え性)は、女性に多い冷え性の悩みです。胃腸の冷えには、「六君子湯(りっくんしとう)」という漢方薬をよく処方します。女性は、この漢方薬で胃腸の調子が良くなって体温も上がり、子宝に恵まれることもあります。
まずは、男性に原因を知らせず、この「六君子湯」を2週間真面目に飲んでもらいました。2週間後、「胃の調子がすごく良くなった!」と満面の笑みで外来にやってきました。そのときにはじめて「六君子湯(りっくんしとう)は胃腸の冷え改善の漢方だから、普通は女性と高齢者に出している」ことを種明かししたところ、当然ですが、彼の顔は一気にしかめっ面になりました。
「この漢方薬から解放されたいなら、サーフィンはやっていいけど、氷水を止めること。そしたら、胃の調子もよくなるはずです」と提案したところ、男らしさに誇りがあったんでしょう。氷水を一切止めてくれました。
そして、2ヶ月も経たないうちに男性の胃の調子は元に戻り、「内臓冷え症」から解放されたのです。この男性のように筋肉があっても思わぬところに、「冷え症」を生む原因があります。
サラダやフルーツはむしろ冷え性の改善に役立つ
では、しつこい冷え症を改善するにはどうしたらいいのか。
冷え性改善には、やはり食事と運動が欠かせません。食事では冷たい食べ物ではなく、体温以上のあたたかい食べ物を摂りましょう。
生野菜や果物は、これまでの医師としての経験から、そのまま食べても冷えの原因にはならないと考えています。ただし、果物は栄養価が高い旬のものを選びましょう。
野菜は繊維を多く含むため、よく噛まなければなりません。よく、「ベジ・ファースト」と言われますが、先に生野菜を食べてから加熱した食材をとると、冷えを防ぎながらビタミンとミネラルがよく摂れます。「よく噛む」という行為は冷えを防ぐ最大の食行動です。
体を温める食材
・肉・魚類:鶏肉、羊肉、サケ、サバ、タラなど
・豆類:小豆、黒豆、納豆など
・調味料・香辛料:味噌、ニンニク、こしょうなど
・野菜類:人参、カボチャ、玉ネギ、山芋など
・豆類:小豆、黒豆、納豆など
・調味料・香辛料:味噌、ニンニク、こしょうなど
・野菜類:人参、カボチャ、玉ネギ、山芋など
などがありますが、どんな食材が体を温めるか覚えるのはむずかしいと思います。(医者の私がそうですので。)
傾向としては、地下に向かって成長する根菜類は体を温めます。反対に、地上で育つ葉物野菜(レタス、キュウリなど)や南方産の果物(バナナ、スイカ、パイン、メロンなど)、色の白い食品は体を冷やす傾向があります。
また、リンゴなど北方が原産の果物は、体を冷やしにくい果物と言われています。ただし、食べ過ぎると消化のために血液が胃腸に集中し、筋肉や肝臓への血流が減るので気をつけましょう。
やっぱり冷え性改善には熱(筋肉)が必要不可欠
冷え症の原因の一つは、体内でうまく熱を作られていないからです。体の部位ごとの基礎代謝は、筋肉が3割強、肝臓が2割弱です。つまり筋肉が少ないと生み出せる熱量が少ないので、男性より女性の方が冷えるのです。
とはいえ、筋肉を増やすのは簡単ではないでしょう。血液の循環をよくするようなアロマ精油を加えたオイルで、ストレッチの前に足の筋肉をマッサージすることも冷え症改善になります。
冷え症改善におすすめのアロマ精油
・マジョラム:自律神経を調整し、血行を促す作用を持ちます。
・ローズマリー・シネオール:血液循環を促し、集中力ももたらします。
・ジンジャー:全身の血流を活性化し、冷え症のナンバーワンの精油です。
・ヒノキ:和の香りでリラックスできるとともに、血液・リンパのうっ滞を除去します。
・ローズマリー・シネオール:血液循環を促し、集中力ももたらします。
・ジンジャー:全身の血流を活性化し、冷え症のナンバーワンの精油です。
・ヒノキ:和の香りでリラックスできるとともに、血液・リンパのうっ滞を除去します。
日常生活は"冷え"の原因であふれている
自律神経が乱れる原因のひとつにエアコンがあります。わたしたちは、一年中エアコンで空調管理された空間にいることがほとんどなので、室内と室外の温度差が大きく、その分自律神経に負担をかけています。
つまり、当たり前の生活が冷えの原因になっているということですね。冷えは万病の元と言われますが、そうならないためにも日頃から食事やストレッチやこまめな運動を取り入れ、冷えにくい体を作ることを意識しましょう。
《編集:アンチエイジングの神様チーム》