【元パチプロが解説】パチスロを本気で辞めたいならまずは収支表!依存症脱却方法まとめ
[公開日]2016/12/04[更新日]2017/03/28
いつの時代でもやめようとしても中々やめられないものといえば、「酒」「タバコ」そして「ギャンブル」です。
多くの人がやめたい気持ちを持っていても、なかなかできない理由は共通しています。それは「依存症」に陥りやすいという点です。
ギャンブル依存症の中でも今回は特にパチスロ依存症について、本気で何とかしたいと思っている方に元パチプロ(スロット)の筆者が、過去の体験談などをもとにその恐ろしい呪縛から逃れるための秘訣をお伝えしたいと思います。
ご自身がパチンコ依存症に悩んでらっしゃるという方、またご家族や友人のパチスロ依存症の克服したいという方のお役に立てる内容ですので、ぜひ参考にしてください。
目次
趣味で勝ち続けはありえない!パチプロだから分かる勝つ難しさ
現在既に依存症の人は、絶対に今後も負け続ける
依存症とは、簡単に言えば自分でコントロールが出来ないほどにその事象(または物)にのめりこむ事です。手ひどく負けた日に「もうパチスロなんて金輪際打たない!」と固く誓ったはずなのに数日後にはいつの間にか台の前に座っている。果たしてこんな人がパチスロをやめて依存症を克服することが出来るのでしょうか?
結論から申し上げますと、どんな人でも依存症を克服することは可能です。しかし、現在依存症になっている人が今後パチスロで勝ち続ける生活に転じることは絶対にありえません。
苦しんで勝ち続けるよりもスッキリと辞める幸せを選ぼう
元パチプロとして言わせてもらえば、パチスロをストレス発散や単なる楽しみとして打っている限り、勝ち続けることは不可能です。パチスロで勝つこと=パチスロを作業や業務として位置付ける事。そして付随する様々な努力を継続して行う事。
普通の仕事ならそれくらい真面目に仕事に取り組めば、給料日に給与が入りますが、パチプロの場合は毎日努力しても常に大損するリスクがつきまといますし、実際に損もします。
しかも、パチスロが一般的に認知されて以来今が一番勝ちにくい時代になっています。そしてその状況は今後ますます厳しくなる一方です。
極端な話ですが、パチスロを打ち続けたければ勝てばいいのです。しかし、そんなに簡単にいけば誰も苦労はしませんし、パチンコ屋さんは街中にこんなにたくさん無いでしょう。
パチスロでコンスタントに勝ち続けることは、完全にパチスロをやめる事と比較すると、比にならないほど難しいということは肝に銘じておいてください。
泥沼から抜け出す方が、泥沼の中でちゃんと泳げるようになるよりもはるかに簡単であるのと同じです。
ギャンブル依存症の克服体験談、克服ブログなども山ほどあります。克服している人はたくさん存在しています。
一生を左右する問題であることを真剣に考えて、現状を打破するために行動しなければなりません。
まずは収支表!パチスロ依存症脱却のための対策と相談窓口
パチスロ依存症脱却のための対策を順を追って説明します。
収支を付けて自分の負けた金額と向き合おう
いずれの方向に向かうにしろまずやらなければいけないのは現状の把握です。
本当に勝つつもりなら重要なことだと思いますが、パチスロ依存症の人がほぼ100%していない事。それが収支を付けることです。
人間の記憶はうまくできており、楽しいことや嬉しかったことはいつまでも覚えていますが、嫌なことや辛いことは忘れようとします。
この脳の働きによって人間はどんなに手ひどい負け方をしても、そのことをきれいさっぱり忘れて負け続けられるのです。
自分が実際にひと月いくらパチスロに使っているかを振り返ることが出来れば、このままではダメだという事が身に染みて理解できます。まずは一ヶ月しっかりと収支表を付け、現実を知りましょう。これが依存症から抜け出すための最初にして極めて重要な一歩となります。
手帳に書く、スマホ等に記録する、自宅のPCを使いエクセル等で管理をする。何でも構いません。
大切なのはとにかくホールに行った際は必ず行うという事です。
勝った日は比較的容易なはずです。問題は負けた時、負け続けた時です。本当にパチスロ依存症から抜け出したいのであればまずはひと月歯を食いしばって付けましょう。この一歩を踏み出せるか否かで惨めな生活から抜け出せるかどうかが決まります。
一か月間収支を付けることが出来れば半分以上抜け出せたも同然
パチスロ依存症の人の特徴として「嘘」があります。スロットを打つために、またそのお金を工面するために嘘をついてしまいます。家族や恋人に対してもそうですが、自分に対してもそうしてしまいます。スロットを打っていて予想外に投資がかさんだりすると熱くなって「もうどうでもいいや」などと考え更にお金を入れてしまう事があるでしょう。しかし皆本当はどうでもよくないことを知っているのです。
収支表をキチンとつけることが出来たなら今の自分の現状をその目ではっきりと見ることになるので、その面で自分に嘘をつくことが出来なくなります。グレイゾーンを鮮明にする事で今までのように「何となく」とか「まだ大丈夫だろう」といった投資をすることが難しくなるのです。
自分に合った対策を!突然辞めるだけが方法ではない
禁煙を決めたその日からスパッとタバコをやめられる人、徐々に本数を減らして最終的に吸わなくなる人。
どのやり方も目標に到達できるのであれば何の問題もありません。同じようにパチスロ依存症から抜け出すためにスッパリホール通いをやめるのも、打つ頻度や使うお金などを少しづつ減らしていくのも、それが自分に合っているならどちらも立派な方法です。
どの方法が自分に一番合っているかをよく考えてそのための具体的な方法を考えましょう。
今までに払った金額を取り戻すことは諦める
実際に一か月間キチンとパチスロの収支をつけられた人は恐らくその金額に驚いたことでしょう。自己嫌悪に陥ることもあると思います。
しかし失ったお金を取り戻すことを考えてはいけません。何もしなければこの先に払っていたであろう金額を考えれば今そこに気づいただけでも何十万何百万のプラスだと考えるべきです。
「せめていくらかでも取り返してからやめよう」と思うかもしれませんが、絶対にやめてください。
大事なのは今までいくら負けたかではなく、今この瞬間こそがスタートラインでありこれからいかにマイナスを避けていけるのかということです。
断言します。例えば明日大勝ちをしても、「よしこれを最後にスロットをやめよう」と決め実際にスッパリやめる事など出来ません。
そこまで人間は強くないし、味わった脳内麻薬の甘美は余りにも強烈だからです。ですから、本気でやめるなら、この記事を読んでいる今こそがもっとも相応しいタイミングなのです。
あえて茨の道を行く必要は無し!他の娯楽を見つけよう
前述したようにパチスロで勝つためには正直かなりの努力と我慢が必要です。現状でパチスロを食い扶持にできる人間はほんの一握りであることは明白な事実です。雑誌や攻略サイトを見ればいかにも勝てるような事が書いてありますが、それを鵜呑みにしていては業界の思うつぼなのです。
それよりもパチスロ以外の楽しみを見つけそこに喜びを見出す方が現実的であり、また賢明です。
収支表を見れば自分が毎月いくらパチスロに費やしていたのかが丸わかりになるので、その投資を別の趣味嗜好に向けることが出来れば様々な娯楽から自分に合ったものを選ぶ事も可能でしょう。
ゴルフや登山などのスポーツでも、旅行や食べ歩きでも、はたまたオンラインゲームやスマホのアプリでも何でも構いません。パチスロよりも没頭できる事を見つけましょう。
「そんなものよりスロットの方が面白い」そう思うかも知れません。しかしそれは人間の心理や脳の仕組みを巧妙に利用した一種のマインドコントロールのようなものだという事を覚えておいてください。
あなたはスロットを「選んでいる」のではなく「選ばされて」いるのです。
下記リンクのような非営利のサポート機関などを利用するのも一つの有効な手段です。何が何でも抜け出そうと強い意志を持って依存症からの脱却をはかりましょう。
パチンコ依存問題相談機関リカバリーサポート・ネットワーク
助けて!パチスロ依存症で失うお金じゃ買えないもの
パチスロ依存症によって失うものは単にお金だけではありません。
家族や友人からの信頼、信用
パチスロに費やすお金が自分の出せる範疇を超えてしまうと、どこからかそのお金を捻出する必要が出てきます。
はじめのうちはパチスロに使ったせいで出来なくなった支払いに充てることが主な借金の目的になりますが、その内にパチスロを打つためのお金そのものまで他者をあてにするようになります。
もちろんギャンブルに使うお金をあっさりと貸してくれる人などまずいません。
ですからそのお金をなんとか工面するためにあることないことをでっち上げ、家族や友人をだましてしまう事になります。
またいわゆるサラ金や下手をすれば闇金などに手を出した挙句、支払いが滞って自分の大事な人たちに多大な迷惑をかける人たちも大勢います。
その先に待っているものは当然のことながら借金地獄や自己破産、そして築いてきた信頼関係の崩壊です。よく言われるように信頼を得るのは大変ですがそれを失うのは一瞬です。それを再び取り戻すのは容易ではありません。
自分自身の人格と精神の安定
ギャンブル依存症はその人の人格にも多大な負の影響を与えます。それには人間の脳の仕組みが大きく関係しており、その影響は科学的にも証明されています。
パチスロ含むギャンブルによって得られる脳内の興奮状態とのカタルシス(不利な状況が解消されるときにおこる精神的な浄化作用)はドーパミンやエンドルフィンといったいわゆる脳内麻薬によって引き起こされます。
その快楽を長い間味わい続けると、その他のことに関して興味や関心が薄れてしまい、結果的に極端に言えばギャンブルの成功にしか喜びを感じられないようになってしまいます。
恐ろしいことに一度そのような「ギャンブル脳」になると脳が元の状態に戻ることは非常に困難であり、そのことを沢庵になったものを大根に戻すようなものと表現する人もいるほどです。
かけがえのない時間
一般的なパチンコ店は朝10時開店、夜十一時閉店の十三時間営業であり、新台入れ替えや店内の改装以外には店休日もありません。
その店休日も地域で統一しているわけではないので基本的には一年中毎日でもどこかの店で遊戯が可能となっています。
仮に睡眠時間を6時間から8時間とすると、人間が起きて活動している時間は16時間から18時間ですから、一日中パチンコ店に滞在してしまうとその他の時間は三時間から五時間しか残りません。
その中で入浴や食事に充てる時間を引いてしまうと、もはやパチスロをする事だけが人生のすべてになりかねません。
また自分が依存症であるかどうかを分かっていない人も多いようです。
パチスロ依存で失うものはかけがえの無い重要なものばかり
お金はもちろん、周囲の信用と自分の心をたくさんの時間を浪費しながら失っていくのが「パチスロ依存症」です。
時間、貯金、家族・夫婦関係、友達、信用、心、人格…と失うものを挙げていきましたが「人生でこれ以上に大切なものがあるのか?」というくらい大切な、お金では買えないものばかりです。
そんな大切なものを、パチスロに奪われては絶対にいけません。
パチスロでいつも勝っていたとしても、お金を失わないだけで、実は同じ部分も多いです。時間は使うことはもちろん、嫌悪感を持たれてしまい、なかなか周囲の信用も得られませんし、いつも大負けのリスクと隣り合わせのなかで健康な精神状態でいるのは難しいです。
負け続きはもちろん、たとえいつも勝っていたとしても、パチスロに依存した生活では幸せにはなれません。
パチスロ依存症になってしまう原因はどこにある?
ご存知の通りタバコにはニコチンが、お酒にはアルコールが含有されています。
それぞれの物質が摂取した人の体内において依存性を持つので、「ニコチン中毒」や「アルコール中毒」が起こります。
なぜ体内に外部物質を取り入れないパチスロがなぜ依存症を引き起こすのでしょうか?
ビギナーズラックによる「射幸心」
一度も経験したことがない人にはわかりにくいかもしれませんが、パチスロは一日打てば、サラリーマンの月給ほども勝つ可能性を持っています。規制により現在ではそこまでのスピードは出ませんが、以前にはたった一時間で1000円が10万円相当になるような台が存在しました。
ビギナーズラックで短時間で大金を掴んだことがきっかけでパチスロにのめりこんだ人は少なくありません。
その幸運をまた手にしたいと思う気持ち、「射幸心」と呼ばれる心理的な欲求がパチスロ依存症の一つの大きな要因です。
脳内麻薬が分泌されるように開発された台の罠
もう一つの要因として大当たりした時などの極度の興奮状態で生成される、脳内麻薬としても有名なβエンドルフィンや、達成感などを感じた時に分泌するドーパミンの影響があります。
この影響は強力で、マウスなどを使った実験では、動物が飲食を忘れてその快感を得ようとすることが確認されています。
前述したように近年は規制が厳しくなったせいで、以前のように射幸心を煽ることが難しくなってきています。
そこで、多くのパチンコパチスロメーカーはいかにこの「脳内物質」の生成を促すことが出来るかを競うかのように様々な趣向を凝らした台の作成に心血を注いでいます。
特に近年の台は凄まじい光量とけたたましい程の効果音が演出として盛り込まれています。音と光によってユーザーを一種の興奮状態に追い込み、より深くのめりこませようというメーカーの思惑が如実に表れています。
周囲から愚かで哀れに思われていることを知る
パチプロとして現役だった頃は、店や一部のパチプロの養分になっていることもわからずに必死でレバーを叩きストップボタンを押している様を見て愚かで哀れな人たちだと思っていました。パチスロ依存症から脱却するためにはそのことをまずしっかりと認識しなければなりません。つまり今の自分は店員含む見ず知らずの他者から愚かで哀れに思われているという事実を受け止めることが第一歩だという事です。
パチスロ依存で悲しむ人は自分自身だけではない
パチスロ依存症は紛れも無く病気であり、自分の意志だけで脱却する事は非常に困難です。「その気になればいつでも止められる」そう思いつつ何年も何年もズルズル続けてる人も大勢います。
病気であれば適切な治療が必要だということを認識して、計画的に取組む必要があります。
「パチンコ(パチスロ)は適度に楽しむ娯楽です」と謳っておきながら、実はどんどんのめり込ませようとする・・・そんな業界の罠にハマりこまないように、一刻も早く依存症から抜け出しましょう。
そして、ホールの外にあるたくさんの幸せに目を向けられる大人になってください。自分自身、そして大事な人たちのためにも。