おかんにシェア!訪問販売員が教える狙われる家3つのタイプと断り方・撃退法7選
[公開日]2016/11/02[更新日]2016/12/28
忙しい時にインターホンが鳴って、出てみたら訪問販売。案外しぶとくてイライラさせられたことはありませんか?
多くの場合はその商品に対する購入意志が全くない相手とのやり取りになりますので、売りたい販売員と買いたくないお家の人との間でトラブルが生じる事もしばしば。
筆者は元訪問販売員です。私自身の経験を基に、狙われやすい家の特徴、身の危険を招いてしまうケースなど、裏事情を紹介します。
訪問販売とは文字通り各家庭を訪問した販売員が、自社の商品やサービスの購入及び使用を提案する形の営業を指します。
1976年に制定されて以来、現在に至るまで改訂され続けている特定商取引法(制定時の名称は訪問販売法)により悪質な業者は淘汰されつつあるものの、その被害はなかなかゼロにはなりません。
「まず敵を知り己を知れば百戦危うからず」昔から言われているように、問題をうまく解決するためにはまず問題そのものをよく知る必要があり、またその問題に対する自分の立ち位置をしっかりと見極める必要があります。
毎日穏やかに暮らしていきたいのに、頻繁に訪れる訪問販売員に辟易(へきえき)しておられる方も多いはず。
まずは自分の家が訪問販売に狙われやすくなっていないかをチェックしてみることをお勧めします。
以下は筆者が訪問販売員時代に上司から教えられたものや個人的に見出した『カモ』である可能性が高いとみなされるポイントです。順に考察してみましょう。
固有名詞は避けますがテレビCMなどでも有名な某社も訪問販売の会社です。
つまり屋根にソーラーがついている=訪問販売で高額商品を購入したことがあるということです。
前述したように訪問販売の多くは家人がとりたてて欲しくもない商品を、ともすれば強引にでも購入に持っていくことを生業(なりわい)としています。ですから、過去に訪問販売で物を買っている人は押しに弱い等、何らかの付け入るスキがあるということに他なりません。そこを販売員は見逃しません。
その中でもソーラーシステムと並ぶ程の期待感を持たせる家。それがこの「庭にごみが散乱している家」です。理由は二つあります。
第一に庭にごみがあるということは不要なものを捨てることが出来ない、つまり本質的にモノに対する執着が強い可能性があると考えられます。ですから、その商品がいかに優れているかなど、所有欲を煽ってやれば比較的契約につながりやすい傾向にあるという事です。また単なるめんどくさがり屋である場合も、それはそれで断るのがめんどくさいというように考えれば、これまたお客になる可能性が高いので、どちらにしても狙い目となります。
第二の理由としてはゴミには様々な情報がてんこ盛りだという事です。散乱するごみを見れば家人の家族構成やどのような食生活をしているのか等が一目瞭然である事が多く、得られた情報をもとに懐に飛び込むトークを展開することが出来るので、販売員にとって大きなアドバンテージとなります。
インターホンが無ければ相手を確認するために基本的に販売員と対面するしかないので、契約を結ばされる可能性が飛躍的に上がります。
覗き穴から見ればいいじゃん?と思われるかもしれません。しかし、熟達した販売員は覗き穴の死角に立ち、ドア越しでは聞き取りにくいようにワザと小声で話します。そのようにして埒(らち)が空かないと思った家人がドアを開けるのを待っているのです。
実際にインターホンのみで契約を取るのはかなり難しいので何とか対面するように尽力するのですが、初めからインターホンがなければその大きな障害が取り除かれたも同然です。
こういう家であれば訪問販売業者にカモと認定されることはまずありません。
一軒家だとあえてインターホンを素通りして直接玄関のドアをノックするという荒業も使えなくなります。さらに防犯カメラ等で行動が証拠として残ってしまうのでそういった建物は業者として初めから対象外にする場合もあります。
もちろんそのためにだけに引っ越しすることはありませんが、そのような利点もあることは覚えておいて損はないでしょう。
最近では百均等でもお手軽に買える「セールスお断り」などのステッカー。実際に効果があるのか気になる人もいることでしょう。では元販売員としての見解を申し上げます。それは…
効果は無くはない!
…改行して言うまでもありませんでしたが、具体的にどうなのかをご説明しましょう。
ひとえに訪問販売員と言っても当然そのキャリアや性格などは十人十色。経験の浅い販売員ならこのステッカーを見て躊躇し、その家には声をかけないこともしばしば。その面では確かに効果があります。
しかし、逆を返せばこのステッカーを全く意に介せず突撃してくるのは海千山千のベテランか、勢いに任せたイケイケのどちらかになることが多いので、しっかりと対応しなければ押し切られてしまいます。
そして業務内容上社員の入れ替わりが非常に激しい業界なので、一般的に考えるよりも圧倒的に新人が多くなることを考えれば、結果的に非常に大きな効果があるとも言えます。また新人のアポイントを介してベテランが出張って来るケースも多いので、特に玄関先の景観などを考えないのであれば一つ貼っておいてもいいのかもしれません。
但し歴戦の兵(つわもの)の中にはこのステッカーを見て面と向かって断る自信が無いと判断し、ガンガン攻めてくるタイプもいますので、そのことだけは念頭に置いておくと良いでしょう。
犬嫌いはもちろん、無駄にケガをする可能性を避けたいタイプなどもいますのでこっちの方がいい場合もあります。このステッカーに加えてある程度の大きさの犬小屋を、入り口が外から見えない方向で置いておけばさらに効果的です。
問題は本当に用がある人も近づくのをためらってしまう可能性があるという事くらいでしょうか(笑)。
訪問販売業者とはいえ、それぞれ血の通った(・・・疑わしいのもまれにいますが)人間です。
断るにしてもあまりに酷い言いぐさや態度だと、逆恨みをされたりすることもあるという事も覚えておきましょう。何よりも相手には住所も知られている事に対し、自分は相手について何一つ知らないのです。
毅然とした態度は必要ですが、あまりに高圧的だったり侮蔑的な物言いをしたりするのは避けた方が賢明でしょう。
では具体的にどのように受け答えするのが適切なのでしょうか?例を挙げてみましょう。
実際に営業をしたことがある人はご存知かと思いますが、多くの人が初めのうちは何かを売られまいとするあまり営業マンのいうことなどほぼほぼ聞いていません。
ですから、まずは自分の話をきちんと聞いてもらうというのが第一にすべきことなのです。
相手のネガティブな返答に対して反証する事を「切り返し」と言います。この切り返しはキャリアを重ねるごとに上達し、ベテランともなれば相手の一言に「はいそうですか」と引き下がる人はまずいません。ではどのように切り返すのか?具体例を挙げます。
それはなぜか?答えは簡単です。値段で勝負をすることが出来ない、つまり高いからです。訪問販売で扱う商品も安価なものはまずありません。ですから値段の話は周りを固めた後、一番最後にする場合がほとんどです。
多くの訪問販売業者はしょっぱなに値段を聞かれてものらりくらりとかわそうとします。ですが、それに付き合う必要はありません。いくら商品が良くても、ある程度の値段を超えると自分にとってのメリットをデメリットが上回ることは明らかです。もし安ければ買ってもいいと思ったときはその価格を明示するように求めることが大切です。
そこで「後で水掛け論になるのも嫌だから録音させてもらいますね。」等とあらかじめ断って目の前でボイスレコーダーを起動するのも効果的です。
これをされるとあることないこと述べてから契約をさせ、挙句に全てを知らぬ存ぜぬで押し通してしまう強引なセールストークは事実上不可能になります。
またその際会社名や個人の名前などの情報をキチンと明示させる(特定商取引法では義務化されています)事で、さらに無茶な営業はしにくくなります。
現在はほとんどのスマホなどにも録音機能が備わっているので、万が一のために起動手順を覚えておきましょう。
「あわよくば自分をカモにしようとしている人間に対して敬意とか持てない」至極当然だと思います。しかし多くの販売員は罪悪感を押し殺しながら営業成績を上げるために営業をしている普通の人間なのです。
無駄に相手の感情を逆撫ですることにメリットなど一つもありません。「毅然とした態度」を「高慢で威圧的な態度」と履き違えないようにしましょう。
こちらのセールストークをニコニコしながら聞いてくれている姿に後ろめたさを感じながらクロージングトークに入った時です。
「ちょっと待っててね。」
おばあちゃんが立ち上がり部屋の中に入りました。
少ししてから出てきたおばあちゃんの手にはジュースが一本。
「暑い中ご苦労様。家では買えないけどこれでも飲んで頑張って。」
その瞬間、命題だったノルマの達成などはどうでもよくなり「はい!ありがとうございます!」と深々と頭を頭を下げてそのお宅を後にしました。
暑い中のジュースが有難かったのはもちろんですが、何よりもそれまで散々汚いものを見るような目と、ともすれば憎悪とも取れる態度を受け続けた中で、初めて人間として接してもらえた事が本当に嬉しかったのです。
もちろん全ての人間がそのように感じるのかどうかはわかりません。しかし、訪問販売業者の中にも誠意を持って接してくれる人間には誠意を持って応えようとする人が確実に存在することを覚えておくべきだと思います。
いかがだったでしょうか?
もちろん現在と、筆者が訪問販売を行っていた10数年前とは多少なりとも営業スタイルは異なっているとは思われますが、まだまだ訪問販売員がいて、不快な思いをする人がいるという事には変わりはありません。
あくまでも業務上の事とは言え、過去には自分のせいで精神的また経済的に痛い目を見た人がいるという事実は今更どうしようもありません。
何らかの形で読者の皆様のお役に立つことが出来れば、少しは当時の贖罪(しょくざい)が出来るのではという思いもあり、記事を書かせていただきました。参考にしていただければ幸いです。
多くの場合はその商品に対する購入意志が全くない相手とのやり取りになりますので、売りたい販売員と買いたくないお家の人との間でトラブルが生じる事もしばしば。
筆者は元訪問販売員です。私自身の経験を基に、狙われやすい家の特徴、身の危険を招いてしまうケースなど、裏事情を紹介します。
悪質な訪問販売の被害に遭わないために
訪問販売とは文字通り各家庭を訪問した販売員が、自社の商品やサービスの購入及び使用を提案する形の営業を指します。
1976年に制定されて以来、現在に至るまで改訂され続けている特定商取引法(制定時の名称は訪問販売法)により悪質な業者は淘汰されつつあるものの、その被害はなかなかゼロにはなりません。
「まず敵を知り己を知れば百戦危うからず」昔から言われているように、問題をうまく解決するためにはまず問題そのものをよく知る必要があり、またその問題に対する自分の立ち位置をしっかりと見極める必要があります。
よくうちにも来るよ、セールスマン。断るのもストレスだから、本当に迷惑。キッパリ断れればいいんだけど・・・
こんにちは!「アンチエイジングの神様」管理人の安藤美和子です。今回は、訪問販売員の方の情報を元に解説するわ。お互いの立ち位置を理解すればおのずとその対処法も見えてくるわ。
訪問販売員に狙われやすいのはこういう家だ!
毎日穏やかに暮らしていきたいのに、頻繁に訪れる訪問販売員に辟易(へきえき)しておられる方も多いはず。
まずは自分の家が訪問販売に狙われやすくなっていないかをチェックしてみることをお勧めします。
以下は筆者が訪問販売員時代に上司から教えられたものや個人的に見出した『カモ』である可能性が高いとみなされるポイントです。順に考察してみましょう。
屋根にソーラーシステムのある家
ソーラーシステムと言っても昨今の発電用のソーラーパネルではなく、ここで言及しているのは太陽光を利用し屋根の上で水を温める昔ながらのソーラーシステムの事です。固有名詞は避けますがテレビCMなどでも有名な某社も訪問販売の会社です。
つまり屋根にソーラーがついている=訪問販売で高額商品を購入したことがあるということです。
前述したように訪問販売の多くは家人がとりたてて欲しくもない商品を、ともすれば強引にでも購入に持っていくことを生業(なりわい)としています。ですから、過去に訪問販売で物を買っている人は押しに弱い等、何らかの付け入るスキがあるということに他なりません。そこを販売員は見逃しません。
え〜!そんなところ見てるの・・・?怖いわね。
チャンスとばかりに様々な手を尽くして何とか契約に結びつけようしてくるわ。もし家に特に使っていないソーラーシステムがあるなら、面倒くさがらずに降ろしてしまいましょう。これだけでも訪問は激減するはずよ。
庭にごみが散乱している家
基本的に訪問販売員は一日ごとの売上ノルマを課せられている場合がほとんどなので、全ての家に全力で時間や労力を使うような真似はせず(もちろん何があるかわからないので、訪問をスキップするようなことはまずありませんが)より可能性が高い(と思われる)家には期待を込めてあたります。その中でもソーラーシステムと並ぶ程の期待感を持たせる家。それがこの「庭にごみが散乱している家」です。理由は二つあります。
第一に庭にごみがあるということは不要なものを捨てることが出来ない、つまり本質的にモノに対する執着が強い可能性があると考えられます。ですから、その商品がいかに優れているかなど、所有欲を煽ってやれば比較的契約につながりやすい傾向にあるという事です。また単なるめんどくさがり屋である場合も、それはそれで断るのがめんどくさいというように考えれば、これまたお客になる可能性が高いので、どちらにしても狙い目となります。
第二の理由としてはゴミには様々な情報がてんこ盛りだという事です。散乱するごみを見れば家人の家族構成やどのような食生活をしているのか等が一目瞭然である事が多く、得られた情報をもとに懐に飛び込むトークを展開することが出来るので、販売員にとって大きなアドバンテージとなります。
プライベートが絡む話が進めば進むほど、いざ商売の話になった時に断りにくくなるのが人情。その絶好のきっかけを与えてしまうのが「庭に置かれたゴミ」というわけね。
インターホンが無い家
個人的にはこれが一番ではないかとも思えるねらい目が、この「インターホンが無い家」です。インターホンが無ければ相手を確認するために基本的に販売員と対面するしかないので、契約を結ばされる可能性が飛躍的に上がります。
覗き穴から見ればいいじゃん?と思われるかもしれません。しかし、熟達した販売員は覗き穴の死角に立ち、ドア越しでは聞き取りにくいようにワザと小声で話します。そのようにして埒(らち)が空かないと思った家人がドアを開けるのを待っているのです。
実際にインターホンのみで契約を取るのはかなり難しいので何とか対面するように尽力するのですが、初めからインターホンがなければその大きな障害が取り除かれたも同然です。
今日から狙われない家へ!
結論から申し上げますと、上記の三要素に当てはまらない家は販売員が特に力を入れる必要がないものとして認識される可能性が非常に高くなります。屋根にはソーラーシステムが乗ってない
庭がきれいに片付いており、生活臭を感じにくい
インターホン(カメラ付が望ましい)が設置されている
こういう家であれば訪問販売業者にカモと認定されることはまずありません。
オートロック完備のマンションもオススメ!
訪問販売の被害に遭いにくい物件としてオートロック完備のマンションもお勧めです。一軒家だとあえてインターホンを素通りして直接玄関のドアをノックするという荒業も使えなくなります。さらに防犯カメラ等で行動が証拠として残ってしまうのでそういった建物は業者として初めから対象外にする場合もあります。
もちろんそのためにだけに引っ越しすることはありませんが、そのような利点もあることは覚えておいて損はないでしょう。
効果あり?張り紙やステッカーの有効性は?
最近では百均等でもお手軽に買える「セールスお断り」などのステッカー。実際に効果があるのか気になる人もいることでしょう。では元販売員としての見解を申し上げます。それは…
効果は無くはない!
…改行して言うまでもありませんでしたが、具体的にどうなのかをご説明しましょう。
ひとえに訪問販売員と言っても当然そのキャリアや性格などは十人十色。経験の浅い販売員ならこのステッカーを見て躊躇し、その家には声をかけないこともしばしば。その面では確かに効果があります。
しかし、逆を返せばこのステッカーを全く意に介せず突撃してくるのは海千山千のベテランか、勢いに任せたイケイケのどちらかになることが多いので、しっかりと対応しなければ押し切られてしまいます。
なーんだ、じゃあ、ステッカーは意味ないんだね。
確かに期待するような効果はないかもしれないけど、完全にそうとも言い切れないのよ。
新人セールスマンを寄せ付けないのは大きい
前述したようにキャリアの浅い新人などには確かに効果があります。そして業務内容上社員の入れ替わりが非常に激しい業界なので、一般的に考えるよりも圧倒的に新人が多くなることを考えれば、結果的に非常に大きな効果があるとも言えます。また新人のアポイントを介してベテランが出張って来るケースも多いので、特に玄関先の景観などを考えないのであれば一つ貼っておいてもいいのかもしれません。
但し歴戦の兵(つわもの)の中にはこのステッカーを見て面と向かって断る自信が無いと判断し、ガンガン攻めてくるタイプもいますので、そのことだけは念頭に置いておくと良いでしょう。
「猛犬注意」も案外効く!
ステッカーといえばもう一つ効果的なものに「猛犬注意」があります。犬嫌いはもちろん、無駄にケガをする可能性を避けたいタイプなどもいますのでこっちの方がいい場合もあります。このステッカーに加えてある程度の大きさの犬小屋を、入り口が外から見えない方向で置いておけばさらに効果的です。
問題は本当に用がある人も近づくのをためらってしまう可能性があるという事くらいでしょうか(笑)。
断り文句は適切かつ慎重に
訪問販売業者とはいえ、それぞれ血の通った(・・・疑わしいのもまれにいますが)人間です。
断るにしてもあまりに酷い言いぐさや態度だと、逆恨みをされたりすることもあるという事も覚えておきましょう。何よりも相手には住所も知られている事に対し、自分は相手について何一つ知らないのです。
毅然とした態度は必要ですが、あまりに高圧的だったり侮蔑的な物言いをしたりするのは避けた方が賢明でしょう。
では具体的にどのように受け答えするのが適切なのでしょうか?例を挙げてみましょう。
「うちはいいです」は逆効果?
一般的な営業にも言えることですが、営業は一度断られてからが勝負です。実際に営業をしたことがある人はご存知かと思いますが、多くの人が初めのうちは何かを売られまいとするあまり営業マンのいうことなどほぼほぼ聞いていません。
ですから、まずは自分の話をきちんと聞いてもらうというのが第一にすべきことなのです。
相手のネガティブな返答に対して反証する事を「切り返し」と言います。この切り返しはキャリアを重ねるごとに上達し、ベテランともなれば相手の一言に「はいそうですか」と引き下がる人はまずいません。ではどのように切り返すのか?具体例を挙げます。
「ウチはいいです」の断り文句の切り返し
ウチはいいです!
本当にいいお家ですよね!庭も広いし近くに公園もあるし、花壇もキレイにされてますよね。これ、奥さんが手入れされてるんですか?
ほら、切り返せたわ。
イヤイヤイヤイヤ!!無理あるでしょ!!
とりあえず、もう1パターン見てみましょう。
「結構です」の断り文句の切り返し
結構です!
そうですよね〜!結構評判いいんですよこれ。実はぼくも個人的に使ってるんですよね!
・・・確かに、強引にやられちゃうと意外と断ち切りづらいかも・・・
そうでしょ?強引に話してくる人の話を断ち切るのって、意外と難しいのよ。早く会話を終わらせようとするあまりかえって会話の糸口を提供することになることもあるのよ。では訪問販売業者が一番嫌がる話題とは何でしょう?
ズバリ値段を聞くこと
お祭りの時のテキ屋を考えてください。イカ焼きにしろ焼きトウモロコシにしろ多くの店が値段を明記していません。それはなぜか?答えは簡単です。値段で勝負をすることが出来ない、つまり高いからです。訪問販売で扱う商品も安価なものはまずありません。ですから値段の話は周りを固めた後、一番最後にする場合がほとんどです。
多くの訪問販売業者はしょっぱなに値段を聞かれてものらりくらりとかわそうとします。ですが、それに付き合う必要はありません。いくら商品が良くても、ある程度の値段を超えると自分にとってのメリットをデメリットが上回ることは明らかです。もし安ければ買ってもいいと思ったときはその価格を明示するように求めることが大切です。
水掛け論対策に録音も効果的
訪問販売においては言った言わないのトラブルが非常に多いもの。そこで「後で水掛け論になるのも嫌だから録音させてもらいますね。」等とあらかじめ断って目の前でボイスレコーダーを起動するのも効果的です。
これをされるとあることないこと述べてから契約をさせ、挙句に全てを知らぬ存ぜぬで押し通してしまう強引なセールストークは事実上不可能になります。
またその際会社名や個人の名前などの情報をキチンと明示させる(特定商取引法では義務化されています)事で、さらに無茶な営業はしにくくなります。
現在はほとんどのスマホなどにも録音機能が備わっているので、万が一のために起動手順を覚えておきましょう。
高圧的な態度は逆効果:毅然としつつも誠意を持って
その商品が魅力的に映らない場合毅然とした態度でハッキリ断ることが重要です。しかしここで忘れてはいけないのは相手もれっきとした人間であること(稀にとてもそうは思えない輩も存在しますが)、そして相応の敬意を持って接することを心がけることです。「あわよくば自分をカモにしようとしている人間に対して敬意とか持てない」至極当然だと思います。しかし多くの販売員は罪悪感を押し殺しながら営業成績を上げるために営業をしている普通の人間なのです。
無駄に相手の感情を逆撫ですることにメリットなど一つもありません。「毅然とした態度」を「高慢で威圧的な態度」と履き違えないようにしましょう。
筆者の体験談・・・『カモ』のおばあちゃんからもらったジュース
筆者の販売員時代、強烈に印象に残っている事があります。夏の暑い日あるお宅のチャイムを鳴らしました。出てきたのは人の好さそうなおばあちゃん。「これはいける!」と思い早速営業にかかりました。こちらのセールストークをニコニコしながら聞いてくれている姿に後ろめたさを感じながらクロージングトークに入った時です。
「ちょっと待っててね。」
おばあちゃんが立ち上がり部屋の中に入りました。
少ししてから出てきたおばあちゃんの手にはジュースが一本。
「暑い中ご苦労様。家では買えないけどこれでも飲んで頑張って。」
その瞬間、命題だったノルマの達成などはどうでもよくなり「はい!ありがとうございます!」と深々と頭を頭を下げてそのお宅を後にしました。
暑い中のジュースが有難かったのはもちろんですが、何よりもそれまで散々汚いものを見るような目と、ともすれば憎悪とも取れる態度を受け続けた中で、初めて人間として接してもらえた事が本当に嬉しかったのです。
もちろん全ての人間がそのように感じるのかどうかはわかりません。しかし、訪問販売業者の中にも誠意を持って接してくれる人間には誠意を持って応えようとする人が確実に存在することを覚えておくべきだと思います。
この記事は訪問販売員だった私の贖罪です・・・
いかがだったでしょうか?
もちろん現在と、筆者が訪問販売を行っていた10数年前とは多少なりとも営業スタイルは異なっているとは思われますが、まだまだ訪問販売員がいて、不快な思いをする人がいるという事には変わりはありません。
あくまでも業務上の事とは言え、過去には自分のせいで精神的また経済的に痛い目を見た人がいるという事実は今更どうしようもありません。
何らかの形で読者の皆様のお役に立つことが出来れば、少しは当時の贖罪(しょくざい)が出来るのではという思いもあり、記事を書かせていただきました。参考にしていただければ幸いです。