法律のプロが警告!偽ブランド・コピー品の購入も違法になるリスク大

[公開日]2016/11/02

偽ブランドコピー 欲しかったブランド物のバッグをネットで探している時に格安で売っているサイトを発見。でもよくよく見てみると怪しい日本語表現がちらほら。偽物だろうなとは思いながらも、あまりの安さになんだか気になってしまった。

「憧れだったブランド品が安くて入るなら」と、心が揺れてしまった経験はありませんか?

本物と偽物、真作と贋作の問題は、大げさに言えば「人類永遠のテーマ」です。古くから、有名画家の作品を真似て、偽の作品を作り、本物と偽って高く売りつける等の事件がありますし、最近では、映画がDVD化された途端に、海賊版が出回ることも珍しくありません。

偽ブランド品を製造・販売した業者が逮捕されたというニュースを目にすることがありますが売る側だけでなく、買う側は処罰の対象になるのでしょうか?今回は、メルカリやヤフオクでも見かける「コピー商品」、「偽ブランド品」を取り巻く問題ついて、詳しくご説明します。

こんにちは!「アンチエイジングの神様」管理人の安藤美和子です。インターネット上では、数多くのブランド品の偽物が出回っています。この記事では、法律のプロである行政書士さんに偽ブランド・コピー品を購入するリスクについて解説してもらいました。


製造・販売だけじゃない!コピー品の購入が犯罪とみなされることも


偽ブランドコピー

時々テレビや新聞等で、大量の「偽ブランド品」に関するニュースが報道されます。国内のグループが秘密裏に偽ブランド品を製造したり、海外の偽ブランド品を輸入したり、あるいは海外旅行に行った日本人が偽ブランド品とは知らずに、海外から買って来て、税関で没収されたり等の事件は後を絶ちません。

この項目では偽ブランド・コピー品の売買のリスクについて確認していきましょう。

コピー品の製造・販売が罪になる理由

「偽ブランド品」を製造、販売する行為は、「商標権」という権利の侵害に当たります。この商標については、商標法という法律の第1条に、「この法律は、商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする」と規定されています。

現代社会で行われている経済活動では、販売されている商品や提供されているサービスについて、誰が製造したり提供したりしているのか、またその商品やサービスの質は、どの程度期待できるのかが、わかるようなシステムを作っておかなければなりません。

そうでないと、安心して商品を買ったりサービスを受けたりすることができませんし、どの程度の質かわからなければ、購入するか否かの決定もできなくなります。

そこで、商品やサービスに付けられる目印をきちんと定めることで、経済の安定化を図ろうとしているのです。この目印が、商標と呼ばれるものです。消費者はこの商標を信用することで、商品を買ったり、サービスを受けたりしているのです。

このように考えれば、間違った商標で経済活動をする人、つまり偽ブランド品を製造・販売する人に罪があることは容易に想像できます。
ブランド力って消費者からの信頼の証でもあるのね。そのブランドの商標を勝手に使って、信頼を勝ち取ろうなんてずるいわ。


商標法では、偽ブランド品を製造あるいは販売した人を「商標権を侵害した人」として、「10年以下の懲役、もしくは1,000万円以下の罰金」等の刑に処すると規定しています。

また、関税法では、商標権を侵害する貨物、つまり偽ブランド品を輸入した人は、「10年以下の懲役、もしくは1,000万円以下の罰金」等の刑に処すると規定しています。

偽ブランドの購入は基本的に違法

偽ブランドコピー

それでは、「偽ブランド品」を買った人は、罪に問われるのでしょうか?先程説明した「商標法」と「関税法」では、対応が多少異なっています。

まず「商標法」の場合ですが、この法律では、偽ブランド品を商売や仕事として使用することを禁じています。つまり、あくまでも「個人的に」使用する場合には、この法律が適用されないことになります。

例えば、購入した数量がごく少数であったり、輸入が1回だけであったりした場合には、個人的な使用であるとみなされて、罰せられる可能性は低くなります。ただ、たとえ少数でも購入した物を他人に転売して利益を上げた場合には、「個人的な使用」とはみなされませんので、注意が必要です。

偽のブランド品を転売するなんて少量でも罰せられて当然だね!最近はフリマアプリのメルカリでも偽物が原因のトラブルがあるみたいだね。


次に「関税法」の場合ですが、商標権を侵害する物、つまり「偽ブランド品」の「輸入」を一切禁じています。この法律では、輸入の目的については限定していません

そのため、たとえば個人的に中国や韓国に海外旅行で買って、日本に持ち帰っただけでも、罪に問われます。

関税法で罰則が適用されるかは偽物と知っていたかどうか

仮に、「偽ブランド品」と気付かず購入した物でも、輸入することはできません。ただ、罰則が適用されるためには、「偽ブランド品」を買ったという認識、つまり偽物だと知って買ったことが条件になります。但し、「知らなかった」ということを証明することは、かなり難しいので、海外に行って、安易に安い「ブランド品」を買わないように注意しなければなりません。

悪意なく購入した場合でも税関で没収
もし知らなかったということが実証されても、購入した「偽ブランド品」の日本への持ち込みは出来ませんから、税関で没収ということになります。知らずに買ったのに、没収というのは非情だという意見があるかもしれませんが、日本の国内経済を公正で安定したものにするためには、仕方のない措置です。
安いと思って購入したブランド物が没収なんて最悪ね!海外での安物買いの銭失いには気をつけなくちゃ!


ブランド品の格安ネット通販サイトには手を出さない


最近はインターネットによって、購入する人も増加していますが、ネットによる購入についても、十分に注意する必要があります。特に、海外に拠点を持つ業者が、日本人向けに運営している「販売サイト」については、トラブルが頻発しています。

格安なブランド正規品ではなく偽物・コピー品が販売されているケース多数

例えば、人気ブランドのバッグや洋服・財布等をかなりの安価で紹介していて、実際に注文すると海外から「偽ブランド品」が届くというケースです。

しかも、販売サイトには業者の連絡先としてメールアドレスしか掲載されていないため、連絡を取ろうとしてもできない場合がほとんどです。また、偽ブランド品だと税関で判断されて、そのまま税関で止められた場合、実際の注文者には届かないということになります

また、消費者庁では、次のような販売サイトには注意するように呼びかけています。
・連絡手段がメールしかなく、電話番号、住所が掲載されていない。
・正規の値段よりも極端に値引きされている。
・日本語の表現が不自然である。
どんなに安くても怪しげなサイトでは買っちゃダメってことだね。


偽ブランド・コピー商品販売サイトでの購入はそもそも違法


まず、大前提として認識していただきたいのは、日本の法律では、コピー商品販売サイトを利用して商品を購入することは違法です。従って、決して手を出さないことが重要です。それを踏まえた上で、このサイトを利用してしまった場合のリスクについて、ご説明します。
繰り返しにはなりますが、ネットで偽ブランド品を購入することは違法です。下記のトラブルに巻き込まれるリスクがあることを知るために、下記の内容はご覧ください。


ケース1:入金後に音信不通になる

商品の売買が成立し、購入者が業者に代金を支払った後、音信不通になるケースがあります。商品が届かないため、指定されたメールアドレス宛に連絡をしても、返信がなく、購入者が途方に暮れる例が少なくありません。記載された住所に文書で連絡しても、架空であったり、全く関係のない第三者が住んでいたりするケースもあります。

ケース2:クレジットカードの情報が流出する

ほとんどの場合、購入者は「クレジットカード」の決済によって、代金を支払うことになります。ただ気を付けたいのは、入力した「クレジットカード」の情報が流失してしまい、第三者に悪用されてしまうケースも発生しています。サイトは全世界とつながっていますから、一度情報が流出してしまうと、極端な話になりますが、個人情報はあっという間に世界中に流れてしまうことになります。

ケース3:返金に応じてくれない

本来であれば、購入の申し込みをして、クレジットカードで決済すれば、後は商品の到着を待つばかりです。しかし、数週間経っても、1ヶ月経っても商品が届かない場合には、商品の発送を催促するか、もしくは売買契約を解除して、返金してもらう方法が一般的です。

もし、商品の発送が無理なようであれば、返金を要求することになりますが、ケース1でも説明したように、「コピー商品販売サイト」の多くは、あえて連絡が取れないようなシステムにしている場合がほとんどです。

しかも、そのようなサイトを利用して「コピー商品」を購入しようとしたのですから、警察や相談機関にはなかなか相談できません。仕方ありませんが、少々高い勉強代になったと思って、諦めるしかありません。

高級ブランドだけじゃない!生活用品にも偽物が存在


コピー品と聞くと、ルイヴィトンのバッグや小物などの「偽ブランド品」と思いがちですが、決してそればかりではありません。実は私たちが使っている日常生活の身近なものにも、コピー品が紛れ込んでいます。

2016年10月には、アメリカのアマゾンで販売されているapple社のiPhoneの充電に使用するライトニングケーブルのうち9割が偽物だったというニュース(原文英語)がありました。権利に対して厳しいアメリカであっても米Amazonで正規品と偽って偽物のケーブルが堂々と流通していたというニュースですが、実はそれだけでなくこの偽物ケーブルはアップルがテストしたところ発火の恐れもある危険な不良品だったのです。
Amazonであっても偽物が紛れ込んでいるなんて!このニュースはアメリカの話だけど、日本で購入するときも販売元も確認した方が良さそうだね。


キャラクターグッズの偽物が3倍増!

全国の税関における「偽ブランド品」等の知的財産侵害物品の差止状況について、毎年「財務省」が発表しています。

それによると、平成27年の輸入差止件数は29,274件で、過去最多であった前年(平成26年)に次いで、高水準で推移しています。仕出国(地域)別の輸入差止件数では、中国が全体の91.1%を占め、数は26,670件となっています。」

また、知的財産別(商品別)では、やはり「偽ブランド品」が差止件数、点数ともに全体の9割を超えています。しかし一方で、「偽キャラクターグッズ」等の差止件数が前年の約3倍となっています。

もう少し詳細に見ていくと、輸入差止件数の多いものは順に、
・財布やハンドバッグ等のバッグ類が最多
・ジャケットやシャツ等の衣類
・スニーカー等の靴類
と続きます。

また、輸入差止点数で見れば、多いものから順に
・医薬品が最多
・スマートフォンのケース等
・携帯電話・付属品
・衣類
という順番になります。

また、前年度と比較して、ゴルフ用グリップ等の運動用具、バッグ用金具などのバッグ類付属品が大幅に増加しています。
医薬品の差し止め件数が少なくても差し止め点数が多い理由は、医薬品が小さく一度に大量に輸入できるためです。


コピー商品の購入代金は危険な団体の資金源となる

「コピー商品」や「偽ブランド品」が日本に入って来ると、公正で安定した経済活動が侵害されることは、先程説明したとおりです。

しかし、それだけではなく色々な弊害、危険な点もあります。このような偽商品を製造したり販売したりする業者には、多くの場合、反社会的勢力とつながっていることが少なくありません。

また、最近増えている医薬品についても、危険性をはらんでいます。「偽商品」ですから、当然日本での認可を受けていないことになり、健康被害等に遭遇する可能性もあります。万が一そうなった場合でも、製造元に補償を求めることは、かなり難しいと言わざるを得ません。
化粧品やサプリメントを安いからといって安易に購入すると健康被害にあう可能性があります。このようなリスクを防ぐためにも、公式サイトなどの正規ルートでの購入をオススメします。


まとめ:危険な偽ブランド・コピー品を買おうとしない


国際化、IT化が進んだ現代では、犯罪も巧妙かつ高度化しています。インターネットを使って、海外の業者が「偽ブランド品」を高額で売りつける事案もその一つです。

また、日本から海外に行く人も増加したため、海外で偽ブランド品を購入して、日本に持ち込むケースも増えています。単に偽ブランドのバッグを買った場合には、今後同じような失敗を繰り返さないために「高い授業料を払った」と諦めもつきますが、買った人が犯罪に巻き込まれたり、医薬品による健康被害に遭ったりする可能性もあります。

安易にコピー商品や偽ブランド品に手を出さない、怪しいサイトを利用しない心がけが必要です。

※記事中の商品「アヤナストライアルセット」は販売終了し、「ディセンシア」にリニューアルされています。


◇参考文献・WEBサイト一覧
厚生労働省 統合医療情報発信サイト
日本化粧品技術者会
日本抗加齢学会
公益社団法人 日本皮膚科学会
※本サイトの薬事法に対する考え方、商品ランキング・点数付けの根拠は「アンチエイジングの神様とは」をご確認ください。


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