グルコサミン・コンドロイチンの効果 膝痛でサプリを選ぶ前の基礎知識
[公開日]2014/03/27[更新日]2015/04/27
グルコサミンやコンドロイチンのサプリメントの摂取を考える方に、知っておいて欲しい知識を網羅的にまとめました。口から摂取するものなので、しっかりとした知識をもって選びましょう。
グルコサミンとコンドロイチンは特に関節に良い成分としてお馴染みです。この2つは関節のスムーズな動きを可能にする軟骨部分に欠かせない成分。加齢とともに減少する事が関節痛の一因になっています。両成分の摂取により、軟骨のすり減りで起こる「変形性膝関節症」への効果が期待されています。
古くから愛用されるこれら2つのサプリ。関節だけでなく肌への効果も期待できます。しかし、その効果への意見は分かれています。未だに議論の絶えないこれらのサプリの効果について、魅力を感じながらも戸惑う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
サプリを選ぶ上で、もう少し詳しく、両者の成分としての特徴や効果を生む仕組みを知ってみましょう。またサプリ市場の実態を知ることも欠かせません。それらの知識の上で選ぶ事で、より納得感のある選択ができます。長期間の飲用で初めて効果が期待できるこれらの成分。是非多様な知識の上で飲用を考えてみて下さい。
コンドロイチンは「コンドロイチン硫酸」という形で体内に存在します。軟骨の主成分で、乾燥した軟骨の重量の内30%を構成するものです。このコンドロイチンを「コンドロイチン硫酸ナトリウム」という水に溶けやすいものにした成分が、医療用医薬品として使用されています。
但し誤解しないでいただきたいのが、医療の場における関節痛の治療で使用されるコンドロイチンは患部へ直接注射する注射剤としてのものです。今の所それ以外に、医療として関節痛治療には使用されていません。それとは別に、コンビニなどでも販売される「第3類医薬品」として関節痛のための経口摂取薬が販売されています。
グルコサミンとは軟骨の原料となる成分で、軟骨の滑液を保つ働きもしています。軟骨の修復作用が期待される他、抗炎症作用も持っています。通常は体内で生成され、「N-アセチルグルコサミン」という形で関節部分だけでなく、皮膚や血管などあらゆる場所で働きます。
甲殻類の殻にも存在し、サプリではカニやエビなどの殻から得られる「キチン」という成分を分解したものが用いられます。2001年に「変形性膝関節症」への効果を示した論文が発表されて以来、瞬く間にサプリとしての使用が盛んになりました。
関節にとって欠かせない成分であることは確かですが、医薬品として認められる程の確かな効果は確認されていないのが現状です。
さて、簡単に2つの成分をご紹介しましたが、2つの成分の関係も知っておきましょう。この知識が後でご紹介する両成分の関節や肌への働きを知る鍵となります。まずは両成分の簡単な科学的知識を持っておきましょう。
グルコサミンは「グルコース(ブドウ糖)」に「アミノ基」が結合した「アミノ糖」の1つです。一方コンドロイチンは「硫酸化ムコ多糖」と呼ばれる成分です。その構造はヒアルロン酸に良く似ていますが、「硫酸基」が付いているのが特徴です。
実はグルコサミンは「N-アセチルグルコサミン」という形でコンドロイチンの素となる成分です。コンドロイチンだけではありません。ヒアルロン酸の原料にもなります。関節痛への効果が目立つ2つの成分ですが、実は身体のあらゆる所で、弾力を保つ組織の素として働きます。では具体的に、関節やお肌でどのように働いているのでしょうか。
関節は固い骨と骨を繋ぐ場所。骨同士の摩擦をスムーズにする為に、接触部分には柔らかい軟骨が付いています。更に軟骨の間には「関節液」があり、滑りをより滑らかにしています。軟骨の主成分は「コラーゲン」「プロテグリカン」「軟骨細胞」「関節液」です。また関節液は「ヒアルロン酸」でできています。
軟骨には弾力性があり、圧力によって凹んだり膨らんだりと形を変えます。この弾力性は「関節液」をスポンジのように吸収したり放出したりすることで保たれます。この軟骨のスポンジのような機能を担っているのが「プロテグリカン」です。
グルコサミンは「プロテグリカン」や関節液の原料として働きます。またコンドロイチンは「プロテグリカン」というスポンジの吸水力を担う成分として働いています。軟骨に水分を保つだけでなく、軟骨の分解を抑制する働きも持っています。
ではお肌ではどう働いているのでしょう。先述のとおり、グルコサミンはヒアルロン酸の素となりお肌に潤いを与えます。真皮でヒアルロン酸が生成されるのを促す為、加齢によるたるみやシワの予防にも役立つと考えられています。一方グルコサミンが作る成分の1つ、コンドロイチンについてはどうでしょう。
関節での働きでもあるように、コンドロイチンには組織に吸水性や弾力性を与える働きがあります。コラーゲンと共に肌で栄養の消化や吸収、代謝を行い、細胞を正常に保つという役割があります。真皮のコラーゲンの隙間に存在しており、潤いを維持しています。
コンドロイチンにはコラーゲン繊維を正常に保つという役割もあります。コンドロイチンが減少するとコラーゲン繊維の変性が起こります。肌の屋台骨となるコラーゲン繊維ですが、余分な繊維が発生する変性が起こると、本来の弾力を失います。こちらも肌の張りを保ちシワを防ぐには欠かせない成分なのです。
関節やお肌での働きからも、グルコサミンやコンドロイチンが私たちの若さや健康に欠かせない成分である事がわかります。両成分とも加齢とともに体内での生成は減少してしまいます。コンドロイチンはピークの20代から40代までに約半分に減少します。コンドロイチンは50代を過ぎるころには20代の5%にまで落ちると言われています。
身体の至る所で大切な働きをしている成分だからこそ、これらの成分の減少により様々な不具合が起こる事がわかります。しかしこれらの成分は食事で十分に補うのが困難です。そこでサプリの有用性が検討されるわけですが、どこまでサプリに期待して良いのでしょうか。
これらのサプリについて最も議論されているのが関節痛に対する効果です。関節痛に悩む65歳以上の男性は約1割、女性は2割近いという厚生労働省の調査結果があります。関節痛に良いとされるグルコサミンやコンドロイチンのサプリが、他のサプリを抑えて多く販売されている背景がそこにあります。この関節痛に関する効果を検討してみましょう。
関節痛に良いという認識が高いグルコサミンやコンドロイチン。その経口摂取による効果は多くの注目を浴び続けている一方、未だに医師など専門家の間でも「効く」とも「効かない」とも断定しきれない所があります。
議論の対象になっているのは、健康食品でよく見られるような小規模で再現性の少ない検証だけではありません。これまでに科学的に信頼性のある大規模な検証も多々行われています。その上で結論が出ない状態ですから、「一定の症状への効果は保証できないが、個人によっては効果があるかもしれない」という枠を抜けないのです。
例えば医薬品としての認可は無いグルコサミンについて、2012年厚生労働省が「食品の機能性評価モデル事業」という調査を行いました。ここで、グルコサミンの変形性膝関節症への効果について、各論文から検討した結果が発表されました。この調査結果はサプリの効果を評価する上で、1つの参考になるかもしれません。
「食品の機能性評価モデル事業」におけるグルコサミンの評価は「B」でした。論文の結果に一貫性が無いためという理由でついたこの「B」という評価は、同様に調査された「ヒアルロン酸」の変形性膝関節症への効果に対する「C」評価や、「ブルーベリーエキス」の視機能回復効果への「C」に比べると低いものではありません。
その他に調査対象となった「ルテイン」「BCAA」「イチョウ葉エキス」「ラクトフェリン」といったお馴染みの成分の中で「A」を獲得したのは「EPA/DHA」による「血中中性脂肪低下作用」や「関節リウマチ症状緩和」などの機能のみです。4段階のこの評価における「B」はそれなりの可能性を示唆するものでした。
この調査において、グルコサミンが変形性膝関節症に及ぼす以下のメカニズムが明確であると述べられています。
関節痛への効果・効能がある第3類医薬品として認められているコンドロイチン。一方まだその面での効果が曖昧なグルコサミン。しかしグルコサミンには最新の研究でその他の効果への注目が集まっています。グルコサミンと寿命に関わる研究が発表されたのです。
グルコサミンにはたんぱく質の劣化を防ぐ効果や糖代謝を改善する効果がある可能性があり、ヒトやマウスなどの寿命を延ばす結果に繋がったのではないかと考察されています。寿命に関する研究はまだまだ研究が始まったばかりですが、今後新たな発見の可能性を秘めた成分と言えそうです。
関節痛だけでなく美肌効果も期待されるグルコサミン・コンドロイチン。関節痛においては軟骨のすり減りなどを医学的に測定し、その効果を測っています。肌への効果においても水分量の測定によって効果を測る方法がとられており、改善の結果を示す研究結果があります。
より直接的に、効かせたい部位での両成分増加量を測定できれば良いのですが、実はその測定は難しいのです。グルコサミン・コンドロイチンは身体の至る所にあると述べましたが、詳しく言うと共に「細胞間質」という細胞と細胞の間にある物質の1つです。先述の肌や関節でのこれらの成分の働きは、体内のあるパーツに特化してご紹介したもの。全身の細胞間に存在しているわけです。
「細胞間質」は複数の物質が混ざったもので、水分量が多いため測定が難しいと言われています。グルコサミン・コンドロイチンを経口摂取した場合、これらが消化、又は吸収されて、身体の至る所に存在する「細胞間質」となります。サプリを飲んで「顔のお肌のグルコサミン量が増えた」といったように、直接的に特定部位の測定をするのは難しいのです。
効く証明も効かない証明も難しいグルコサミン・コンドロイチンの経口摂取。しかしサプリとして飲用されている歴史も長く、飲用者数も多いこれらの成分です。医師でさえ「効果がある人もいるのだから飲みたい人は飲めば良いのでは」との意見もあります。その背景には飲み過ぎなければほとんど危険性が無いという一面もあります。
危険性などの注意については後述しますが、害がないなら試してみるというのも1つです。個々人の考え方になりますが、「成分としての吸収が良いグルコサミンから試す」「関節痛に関して第3類医薬品となっているコンドロイチンを試す」「両方飲む事で効果が高まるから両方試す」など様々な選択肢があります。
ここからは成分としての効果の話から、両成分のサプリとしての詳細をご紹介します。サプリとしてどのような選択肢があるかを知る事で、実際にどのようなスタンスで摂取するかを考える決め手が出てくるのではないでしょうか。
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目次
関節痛に良いとされる2つの成分
グルコサミンとコンドロイチンは特に関節に良い成分としてお馴染みです。この2つは関節のスムーズな動きを可能にする軟骨部分に欠かせない成分。加齢とともに減少する事が関節痛の一因になっています。両成分の摂取により、軟骨のすり減りで起こる「変形性膝関節症」への効果が期待されています。
古くから愛用されるこれら2つのサプリ。関節だけでなく肌への効果も期待できます。しかし、その効果への意見は分かれています。未だに議論の絶えないこれらのサプリの効果について、魅力を感じながらも戸惑う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
サプリを選ぶ上で、もう少し詳しく、両者の成分としての特徴や効果を生む仕組みを知ってみましょう。またサプリ市場の実態を知ることも欠かせません。それらの知識の上で選ぶ事で、より納得感のある選択ができます。長期間の飲用で初めて効果が期待できるこれらの成分。是非多様な知識の上で飲用を考えてみて下さい。
コンドロイチンとは
コンドロイチンは「コンドロイチン硫酸」という形で体内に存在します。軟骨の主成分で、乾燥した軟骨の重量の内30%を構成するものです。このコンドロイチンを「コンドロイチン硫酸ナトリウム」という水に溶けやすいものにした成分が、医療用医薬品として使用されています。
但し誤解しないでいただきたいのが、医療の場における関節痛の治療で使用されるコンドロイチンは患部へ直接注射する注射剤としてのものです。今の所それ以外に、医療として関節痛治療には使用されていません。それとは別に、コンビニなどでも販売される「第3類医薬品」として関節痛のための経口摂取薬が販売されています。
グルコサミンとは
グルコサミンとは軟骨の原料となる成分で、軟骨の滑液を保つ働きもしています。軟骨の修復作用が期待される他、抗炎症作用も持っています。通常は体内で生成され、「N-アセチルグルコサミン」という形で関節部分だけでなく、皮膚や血管などあらゆる場所で働きます。
甲殻類の殻にも存在し、サプリではカニやエビなどの殻から得られる「キチン」という成分を分解したものが用いられます。2001年に「変形性膝関節症」への効果を示した論文が発表されて以来、瞬く間にサプリとしての使用が盛んになりました。
関節にとって欠かせない成分であることは確かですが、医薬品として認められる程の確かな効果は確認されていないのが現状です。
グルコサミンとコンドロイチンの関係
さて、簡単に2つの成分をご紹介しましたが、2つの成分の関係も知っておきましょう。この知識が後でご紹介する両成分の関節や肌への働きを知る鍵となります。まずは両成分の簡単な科学的知識を持っておきましょう。
グルコサミンは「グルコース(ブドウ糖)」に「アミノ基」が結合した「アミノ糖」の1つです。一方コンドロイチンは「硫酸化ムコ多糖」と呼ばれる成分です。その構造はヒアルロン酸に良く似ていますが、「硫酸基」が付いているのが特徴です。
実はグルコサミンは「N-アセチルグルコサミン」という形でコンドロイチンの素となる成分です。コンドロイチンだけではありません。ヒアルロン酸の原料にもなります。関節痛への効果が目立つ2つの成分ですが、実は身体のあらゆる所で、弾力を保つ組織の素として働きます。では具体的に、関節やお肌でどのように働いているのでしょうか。
関節での働き
関節は固い骨と骨を繋ぐ場所。骨同士の摩擦をスムーズにする為に、接触部分には柔らかい軟骨が付いています。更に軟骨の間には「関節液」があり、滑りをより滑らかにしています。軟骨の主成分は「コラーゲン」「プロテグリカン」「軟骨細胞」「関節液」です。また関節液は「ヒアルロン酸」でできています。
軟骨には弾力性があり、圧力によって凹んだり膨らんだりと形を変えます。この弾力性は「関節液」をスポンジのように吸収したり放出したりすることで保たれます。この軟骨のスポンジのような機能を担っているのが「プロテグリカン」です。
グルコサミンは「プロテグリカン」や関節液の原料として働きます。またコンドロイチンは「プロテグリカン」というスポンジの吸水力を担う成分として働いています。軟骨に水分を保つだけでなく、軟骨の分解を抑制する働きも持っています。
お肌での働き
ではお肌ではどう働いているのでしょう。先述のとおり、グルコサミンはヒアルロン酸の素となりお肌に潤いを与えます。真皮でヒアルロン酸が生成されるのを促す為、加齢によるたるみやシワの予防にも役立つと考えられています。一方グルコサミンが作る成分の1つ、コンドロイチンについてはどうでしょう。
関節での働きでもあるように、コンドロイチンには組織に吸水性や弾力性を与える働きがあります。コラーゲンと共に肌で栄養の消化や吸収、代謝を行い、細胞を正常に保つという役割があります。真皮のコラーゲンの隙間に存在しており、潤いを維持しています。
コンドロイチンにはコラーゲン繊維を正常に保つという役割もあります。コンドロイチンが減少するとコラーゲン繊維の変性が起こります。肌の屋台骨となるコラーゲン繊維ですが、余分な繊維が発生する変性が起こると、本来の弾力を失います。こちらも肌の張りを保ちシワを防ぐには欠かせない成分なのです。
グルコサミン・コンドロイチンサプリの効果とは
関節やお肌での働きからも、グルコサミンやコンドロイチンが私たちの若さや健康に欠かせない成分である事がわかります。両成分とも加齢とともに体内での生成は減少してしまいます。コンドロイチンはピークの20代から40代までに約半分に減少します。コンドロイチンは50代を過ぎるころには20代の5%にまで落ちると言われています。
身体の至る所で大切な働きをしている成分だからこそ、これらの成分の減少により様々な不具合が起こる事がわかります。しかしこれらの成分は食事で十分に補うのが困難です。そこでサプリの有用性が検討されるわけですが、どこまでサプリに期待して良いのでしょうか。
これらのサプリについて最も議論されているのが関節痛に対する効果です。関節痛に悩む65歳以上の男性は約1割、女性は2割近いという厚生労働省の調査結果があります。関節痛に良いとされるグルコサミンやコンドロイチンのサプリが、他のサプリを抑えて多く販売されている背景がそこにあります。この関節痛に関する効果を検討してみましょう。
関節痛への効果はあるのか
関節痛に良いという認識が高いグルコサミンやコンドロイチン。その経口摂取による効果は多くの注目を浴び続けている一方、未だに医師など専門家の間でも「効く」とも「効かない」とも断定しきれない所があります。
議論の対象になっているのは、健康食品でよく見られるような小規模で再現性の少ない検証だけではありません。これまでに科学的に信頼性のある大規模な検証も多々行われています。その上で結論が出ない状態ですから、「一定の症状への効果は保証できないが、個人によっては効果があるかもしれない」という枠を抜けないのです。
例えば医薬品としての認可は無いグルコサミンについて、2012年厚生労働省が「食品の機能性評価モデル事業」という調査を行いました。ここで、グルコサミンの変形性膝関節症への効果について、各論文から検討した結果が発表されました。この調査結果はサプリの効果を評価する上で、1つの参考になるかもしれません。
まだまだ厳しい?厚生労働省のグルコサミンへの評価
「食品の機能性評価モデル事業」におけるグルコサミンの評価は「B」でした。論文の結果に一貫性が無いためという理由でついたこの「B」という評価は、同様に調査された「ヒアルロン酸」の変形性膝関節症への効果に対する「C」評価や、「ブルーベリーエキス」の視機能回復効果への「C」に比べると低いものではありません。
その他に調査対象となった「ルテイン」「BCAA」「イチョウ葉エキス」「ラクトフェリン」といったお馴染みの成分の中で「A」を獲得したのは「EPA/DHA」による「血中中性脂肪低下作用」や「関節リウマチ症状緩和」などの機能のみです。4段階のこの評価における「B」はそれなりの可能性を示唆するものでした。
この調査において、グルコサミンが変形性膝関節症に及ぼす以下のメカニズムが明確であると述べられています。
①抗炎症作用
②軟骨成分プロテオグリカンの合成作用と分解抑制
③滑液中のヒアルロン酸の生成促進
上記に関節での働きでも述べたこれらの作用が、より多くの人で確実に得られるよう、更なる解明が期待されます。②軟骨成分プロテオグリカンの合成作用と分解抑制
③滑液中のヒアルロン酸の生成促進
関節痛以外にも注目したいグルコサミンの効果とは
関節痛への効果・効能がある第3類医薬品として認められているコンドロイチン。一方まだその面での効果が曖昧なグルコサミン。しかしグルコサミンには最新の研究でその他の効果への注目が集まっています。グルコサミンと寿命に関わる研究が発表されたのです。
グルコサミンにはたんぱく質の劣化を防ぐ効果や糖代謝を改善する効果がある可能性があり、ヒトやマウスなどの寿命を延ばす結果に繋がったのではないかと考察されています。寿命に関する研究はまだまだ研究が始まったばかりですが、今後新たな発見の可能性を秘めた成分と言えそうです。
グルコサミン・コンドロイチンサプリの効果を測定するのは難しい?
関節痛だけでなく美肌効果も期待されるグルコサミン・コンドロイチン。関節痛においては軟骨のすり減りなどを医学的に測定し、その効果を測っています。肌への効果においても水分量の測定によって効果を測る方法がとられており、改善の結果を示す研究結果があります。
より直接的に、効かせたい部位での両成分増加量を測定できれば良いのですが、実はその測定は難しいのです。グルコサミン・コンドロイチンは身体の至る所にあると述べましたが、詳しく言うと共に「細胞間質」という細胞と細胞の間にある物質の1つです。先述の肌や関節でのこれらの成分の働きは、体内のあるパーツに特化してご紹介したもの。全身の細胞間に存在しているわけです。
「細胞間質」は複数の物質が混ざったもので、水分量が多いため測定が難しいと言われています。グルコサミン・コンドロイチンを経口摂取した場合、これらが消化、又は吸収されて、身体の至る所に存在する「細胞間質」となります。サプリを飲んで「顔のお肌のグルコサミン量が増えた」といったように、直接的に特定部位の測定をするのは難しいのです。
サプリを飲むべきか迷ったら
効く証明も効かない証明も難しいグルコサミン・コンドロイチンの経口摂取。しかしサプリとして飲用されている歴史も長く、飲用者数も多いこれらの成分です。医師でさえ「効果がある人もいるのだから飲みたい人は飲めば良いのでは」との意見もあります。その背景には飲み過ぎなければほとんど危険性が無いという一面もあります。
危険性などの注意については後述しますが、害がないなら試してみるというのも1つです。個々人の考え方になりますが、「成分としての吸収が良いグルコサミンから試す」「関節痛に関して第3類医薬品となっているコンドロイチンを試す」「両方飲む事で効果が高まるから両方試す」など様々な選択肢があります。
ここからは成分としての効果の話から、両成分のサプリとしての詳細をご紹介します。サプリとしてどのような選択肢があるかを知る事で、実際にどのようなスタンスで摂取するかを考える決め手が出てくるのではないでしょうか。
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