【閲覧注意】震災対策の携帯用ストロー浄水器で川の水・デスソースを飲んでみた/実験まとめ
[公開日]2016/09/28[更新日]2016/12/31
《ガイド:高島麻呂》
飲料水メーカーにて水質分析管として勤務後、アンチエイジングの神様にて健康ジャンルの企画編集を担当。
飲料水メーカーにて水質分析管として勤務後、アンチエイジングの神様にて健康ジャンルの企画編集を担当。
突然ですが、川の水でも飲めるストロー浄水器が販売されているのをご存知ですか?これがあれば、水の備蓄は必要なくなるかもしれませんし、いざというとき安心ですよね。
ということで、災害用のストロー型浄水器の中から手ごろな価格の「mizu-Q」という商品を実験用にピックアップ。これを使って色んな液体を飲んでみようと思います。
携帯用浄水器「mizu-Q」とは
これが携帯用のストロー型浄水器「mizu-Q」です。¥2000程度で購入できます。
このパッケージの少年のように泥水にそのままストローを挿して飲めるという代物です。
子どもが泥水をそのまま飲んでいるというのは、なかなかインパクトがありますね・・・。それだけ安全ということなのでしょう。
ウーロン茶で実験
とりあえず、まずはそのまま飲んでも安全なウーロン茶で実験してみました。
色が変わるかどうかも見たいので、ストローの先端にチューブを装着しました。(このチューブは商品に付いていません)
「mizu-Q」をペットボトルに差して吸ってみると・・・
最初は黒い水が出てきましたが、しばらくして透明に近い茶色の液体が出てきました。
最初の黒い水は中に入っている活性炭の微粉だそうで、どうしても出てしまうのだそうです。ちなみに口にしても害はありません。
色味は若干、ウーロン茶の茶色が残っているし、少しだけウーロン茶の香りも残っているような気がしますが、吸い続けるとどんどん水に近くなっていきました。
ウーロン茶を改めて飲んでみるとびっくり。味が全然違う。ウーロン茶の香りは少々残っていますが、味は無味。これは水です!!
水道水でも実験
水道水に「mizu-Q」を差して飲んでみたら、文句のつけようがなく、市販のミネラルウォーターみたいに美味しかったです。
ちなみにこの「mizu-Q」は水道水なら100リットルの浄化が可能です。「mizu-Q」一本は¥2000なので、500mlあたり¥10で水道水を活用して美味しい水が飲めることになります。
ただし、ただのストローではなく浄水器なので、吸う力の割に出てくる量が少ないですね。シェイクを飲んでいる時のような感じ。おいしいとはいえ、家庭での普段使いには適さないですね。
川の水は本当に飲めるのか?
都会の川の水から飲み水の製造に挑戦!
「mizu-Q」の実力がある程度わかったところで、川の水の浄化にチャレンジしてみます。近所の川にやってきました!
人目もはばからず汲ませていただきます。しゃがむと臭いがしてきますね。水の生ぬるい感触が気持ち悪いです。
汲み終えてペットボトルを見ると意外と透明で驚きました。川の水は緑色に見えたのですが。ただ、川の水に違いありません。試してみましょう。
ペットボトルから紙コップに川の水を移し、飲むための準備を進めます。まずは殺菌作業です。
川の水には何が入っているかわかりません。怖いのは雑菌です。この「mizu-Q」は、付属の除菌剤「AQUAQU(アクアク)」で水の消毒、除菌を行ってから、浄水をすることになっています。
コップ一杯の水に、「AQUAQU」を内蓋についている計量器すりきり一杯分を入れ、かき混ぜます。
これで2分待ったら、準備完了です。早速飲んでみましょう!
あれ・・・?なんか塩辛い。すぐに飲むのをやめました。
変な臭いとかはないんですが、ただ塩辛いです。「mizu-Q」のパッケージには硬水の軟水化や海水を淡水化することはできない旨が記載されています。簡易的な検査器具を使って、水の中にどれだけ電解質が入っているか測ってみます。
312ppmと見えますが「×10」のマークが点灯しているので、3120ppmです。これは明らかに電解質が多すぎます。水道水のおよそ60倍の数値です。
川の水に電解質たっぷりの海水が混じっているようです。これでは「mizu-Q」は浄水できません・・・。確かに近所の川は下流で、海が近すぎでした。上流や中流の水が良さそうですね。他の水で試そうと思います。
公園の水辺の水で再挑戦
ということで、川ではなく公園に来ました。この公園のオブジェの周りは水辺になっています。街のオアシスとして親しまれ、地域の方が集まります。
カラスもおいしそうに水を飲んだり、気持ちよさそうに水浴びをしていました。
さあ、水を汲みましょう。
カラスさん、お邪魔します。
川の水よりもさらに臭いです。溜まった水と流れる水の違いでしょうか。
生ぬるくてドブの臭いのする水がペットボトルの中へ入っていきます・・・。
早速浄水できるかどうか試してみましょう。
鳩の羽が混ざった水が自分が飲むコップに入っていると言う画は、なかなかショッキングではありますね・・・。
除菌剤を入れて殺菌し、意を決して「mizu-Q」を入れて飲んでみました。
・・・!
びっくりです。
最初に飲んだ水道水と同じく、とっても美味しい水になっていました!!臭いも全然ありません。
こんなに小さい装置なのに、すごい。これは正直感動です。非常時に、近くの川の水が飲めるのは助かります。お風呂の残り湯でも大丈夫ですね。
とはいえ、自分で飲み水として考えられない環境で汲んできているので、あまり良い気持ちはしないことは付け加えておきます・・・
激辛ソース「デスソース」は浄水されるのか?
こちらのソースをご存知ですか?これはコスタリカが原産国の激辛ソース「アフターデスソース」です。
こちらの商品を販売しているページに掲載されていた商品紹介にはこのように書かれていました。
「ハバネロ」とギネスブックで"世界一辛い唐辛子"と認定された「ブートジョロキア」ブレンドした辛味と旨みのバランスのとれたホットソース。オリジナルのレシピに隠し味として少量加えるだけでお料理の幅がグッと広がります。
「ブレアーズアフターデスジョロキアソース」は、超激辛のホットソースです(シリーズ第2の辛さ)。辛さを表す単位のスコーヴィルユニットで、50,000スコーヴィル。通常のタバスコの20倍の辛さですので、使用ならびにお召し上がりには、十分お気をつけください。
タバスコの20倍・・・。辛いもの好きがなんとなく買って地獄を見るソースです。
料理に数滴かけるだけで激辛になります。とんでもないソースです。
筆者も以前、このソースがかかったソーセージを食べたことがありますが、泣きました。口の中は辛いし、くちびるは痛い。おしぼりで口を拭いたら、余計に痛い箇所が広がって地獄でした・・・。
これが「mizu-Q」で浄水できるかは、とても興味があります。やってみましょう。
デスソースをそのままやりたいところですが、さすがにそれでは「mizu-Q」に通りません。水の中にデスソースをたっぷり加えます。
本来は2〜3滴でチャーハン1皿を激辛にしてしまうような、コワい代物です。
こんなに入れると、激辛なんてものではないでしょう・・・。
今回は水道水にデスソースを加えています。日本の水道水は厳しい水質基準のもと、塩素で消毒されているので殺菌する必要はありません。このまま「mizu-Q」でいただきます。
上がる心拍数。全く除去できていなかったら、多分とんでもない痛みが喉を襲うでしょう。
それは怖いので、飲む前に先端のストローで色味をチェックすることにします。
これで、ストロー内の色がコップの赤さと違っていれば、その分辛み成分を取り除くことができている可能性が高いでしょうし、安心して口の中に入れることができます。
ビビりと思われるかもしれませんが、それくらい辛いのです。怖いのです。まあ、ビビりでもあります。
吸いながら、ストローに注目です。さて、水が出てきました・・・。
すごいです!コップの赤色とは全然違う薄い色になって出てきました。
この色なら私も安心して飲むことができます。意を決して、口に含んでみます・・・。
結論から言います。ストローからは「ピリ辛水」が出てきました。
でも、とてもじゃないですが筆者が知っている「デスソース」の辛さとは全く違います。
かなりの精度で除去されていることがわかります。これだけの除去性能があるのは、本当にびっくりしました。
さすがに完全に辛さを取るまではいかなかった・・・。デスソース恐るべし。
携帯用ストロー型浄水器「mizu-Q」は使える?使えない?
さて、様々な液体を使って「mizu-Q」の性能をチェックしてきました。
ウーロン茶やデスソースの場合は、どうしても若干の臭いが残ってしまいましたが、味はかなりのレベルまで薄くなっています。川の水で実験した時の水の味は飲料水としておいしいもので、実用的なレベルでした。
また、特別な管理等は必要ありません。たまに水道水を飲んでみて、味が変わらないな、と思ったらまた新しく買うと良いので、備えておく価値は十分にあるかと思います。
ストロー型浄水器の注意点と活用法アイデア
注意点としては、この装置は「飲むだけ」にしか使えないことです。災害時に水を備蓄する必要があるのは、単に飲むためだけではありません。料理水として、生活水としても水が必要だからです。
料理水として飲料水、生活水としてお風呂のため水などは「mizu-Q」があっても、残しておく必要があるでしょう。
ちなみに筆者は、「mizu-Q」はアウトドア版浄水器として使うのが面白いと思います。
道中で立ち寄ったトイレの水道の水をボトルに入れたり、ハイキングで山の中の川の水をボトルに入れてストローで飲めるわけです。コンビニがなくても、自由に水分補給ができます。水代でお金が飛びませんし、オススメですね。
水道水がおいしく飲めない海外へ行った時にも活躍するかもしれませんね。
同様の携帯用の浄水器は「mizu-Q」に限らず、各社様々なものが販売されています。また、別のものも試したらレポートします。
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