ノコギリヤシは薄毛対策に効果的？本当の効果効能と副作用を検証

ふと、トイレの時に感じる「遅い」、「キレ」や「勢い」不足・・・。ノコギリヤシはそんな30代から始まる男性の悩みにアプローチするハーブです。

日本ではまだ一部の人にしか知られていないノコギリヤシですが、すでにドイツやイタリアでは治療薬として使われています。

今回は、ノコギリヤシとは何か？からノコギリヤシの効果効能から副作用のリスク、取り入れ方法までを紹介します。とりわけ、ノコギリヤシは30代以降の男性におすすめです。

ノコギリヤシを知る4つのポイント
前立腺	薄毛	副作用	サプリ

ノコギリヤシの効果効能は男性ホルモン抑制がすべて

ノコギリヤシエキスには、オレイン酸やラウリン酸といった遊離脂肪酸、β-シトステロールを含むステロール類、脂肪酸エステルという脂溶性の成分が含まれています。

それらが、Ⅱ型5α-リダクターゼの生成を抑制したり、尿トラブルの改善に役立ち、主に男性の加齢に伴う症状に効果を発揮します。

女性の更年期障害ばかり注目されがちですが、男性も男性ホルモンの減少による更年期障害が30代半ば〜起こり始めます。

ノコギリヤシは、そんな男性の更年期障害のサポート役をおこないます。大きなノコギリヤシの効果として、男性ホルモンのひとつであるジヒドロテストステロンを抑制する働きがあります。

ジヒドロテストステロンとは、テストステロンという男性ホルモンとⅡ型5α-リダクターゼが結びつき、生成される男性ホルモンです。

Ⅱ型の5α-リダクターゼは毛のあるところ全てにあるⅠ型とは異なり、前立腺や頭頂部など限られたところにしか存在しない酵素です。テストステロンと結びついたⅡ型5α-リダクターゼはジヒドロテストステロンとなり、細胞分裂を妨げます。

そのため、ジヒドロテストステロン量は必然的にその部分（前立腺や頭頂部）に多くなり、その影響として薄毛や前立腺肥大症になってしまうのです。
ノコギリヤシで謳われている効果効能には実に様々なものがありますが、この3つの働きによる期待効果は以下のようになります。

前立腺に対するノコギリヤシの働きは、ヨーロッパで治療薬として使われていることや数々の臨床試験データをもとに証明されています。また、薄毛対策については、効果が見込まれる可能性があるという程度です。

巷で、ノコギリヤシには女性のバストアップ効果、髪の育毛・発毛効果、風邪や喉の痛みなどに効果があるとされています。

しかし、執筆時点ではそれらに対する効果について十分な科学的根拠が示されていません。つまり、不確かな情報なので、謳われている効果効能すべてを鵜呑みにしないようにしましょう。
ニキビは、過剰な皮脂と角質等が毛穴につまることで発生します。皮脂分泌を促す男性ホルモンが抑制されることで、ニキビができにくくなるという間接的なメリットもあります。

女性へのノコギリヤシの効果のひとつにバストアップがあります。これは、女性の体内でつくられる男性ホルモンを抑制、エストロゲン様作用によって、女性ホルモンが優位になりバストアップできるという仕組みです。

しかし、ノコギリヤシのバストアップ効果は証明されておらず、不確かなため、効果はあまり期待できないでしょう。
以上の点から、ノコギリヤシの効果効能については前立腺と薄毛に対して解説していきます。

ノコギリヤシ効果効能検証1 前立腺肥大症/キレ・勢い、残尿感、夜のトイレ対策

前立腺肥大症とは、前立腺がジヒドロテストステロンの影響で肥大し、尿道を圧迫して起こる尿トラブルのことです。

ノコギリヤシは前立腺肥大の初期〜中期症状への有効性が認められており、医薬品に分類される抗アンドロゲン薬と同等の作用と考えられています。(※臨床試験の詳細はこちら(下部)へ)

また、ノコギリヤシエキスは、悪玉コレステロールを減少させたり、エストロゲン様作用をもつβ-シトステロールや持久力や運動能力をサポートするオクタコサノールを含有しています。その働きにより排尿サポート効果が得られます。

前立腺が肥大する理由

対策
ノコギリヤシは、前立腺肥大症の原因2つともにアプローチできる成分です。

ノコギリヤシエキスで認められている効果は、「前立腺肥大症」の予防と改善に対してです。具体的には、以下のような症状です。


前立腺肥大症は、３０代から症状に悩む人が増え始め、５０代になると２人に１人、８０代になると、１０人に８人は症状が出ると言われています。加齢に伴う症状で誰にでも起こりえますが、予防対策できるので早めに手をうつことが大切です。
ジヒドロテストステロンは男性ホルモンのひとつなので、ジヒドロテストステロンを抑制することで精力減退になるのではと心配する声があります。

しかし、ジヒドロテストステロンが精力減退を引き起こすホルモンであって、ノコギリヤシはその崩れた男性ホルモンのバランスを整えようとします。

そのため、ノコギリヤシによる精力減退、感度が鈍るといった副作用は考えにくいでしょう。

ノコギリヤシ効果効能検証2 薄毛対策 / 脱毛ホルモンの抑制

「髪の毛の毛根が弱って、生えてくる髪の毛が細くハリのないものになって、だんだん薄くなっていく」髪の毛が薄くなる（初期脱毛）原因は、遺伝や生活習慣、加齢・男性ホルモンの影響など様々です。

現段階でノコギリヤシ＝薄毛対策可能という根拠はありませんが、関係性はゼロではないでしょう。

実際、AGA（男性型脱毛症）や薄毛対策に使われる成分「フィナステリド（商品名:プロペシア）」は、ノコギリヤシによるⅡ型5α-リダクターゼの生成抑制効果をもとにつくられています。

ノコギリヤシをとる量と、プロペシアの配合量にもよります。しかし、日本ではノコギリヤシは健康食品であり、プロペシアは処方箋が必要な成分であるため、プロペシアの方が効果の期待は高くなります。

ただし、副作用のリスクはノコギリヤシの方が低くなります。また、プロペシアを使って効果がなかった場合の代わりとしてノコギリヤシを使うことがあります。

ノコギリヤシ＝プロペシアとは言えませんが、それに近い効果は今後証明される可能性があります。

前立腺に対しては多角的アプローチができているが、薄毛対策の効果は不明

ジヒドロテストステロンを抑制するという働きに関しては、前立腺に対する効果と同じです。前立腺肥大症の場合、男性ホルモンを抑制するだけでなく、ノコギリヤシエキスに含まれる遊離脂肪酸（オレイン酸やラウリン酸、パルミチン酸など）や脂肪酸エステル、ステロール類が前立腺の異常な収縮を抑制し、おしっこ問題をサポートします。

つまり、前立腺肥大症の場合、トラブルを抱えているところに対して働きかける要素が多いため、効果が得られているのです。

現段階でわかっている薄毛に対する効果は、脱毛ホルモンと呼ばれるジヒドロテストステロン（DHT）を抑えることだけです。

ジヒドロテストステロンを抑制することは薄毛対策として効果的ですが、それだけではマイナスをゼロにようやく近づけたくらいなので、研究や臨床試験の結果をもう少し待つ必要があります。
男性の脱毛症と女性の脱毛症は、原因は同じですがホルモンの影響が男性と女性で異なるため、対策方法が異なります。

男性の場合、脱毛原因となる「Ⅱ型5α-リダクターゼ」の生成抑制や男性ホルモンの受容体（レセプター）への結合を阻止することで、薄毛対策ができるとされています。

しかし、女性の場合、そもそも男性ホルモンが少ないため、ノコギリヤシをのんだところで脱毛を阻止する力は期待できません。
女性の脱毛症については、まだ解明されていないことが数多くありますが、時期としては閉経を迎える更年期が最も多くなります。

これは、女性ホルモンの分泌量が減少し、男性ホルモン優位(過剰)になるためです。ただ、女性の血中男性ホルモン値がものすごく高いわけではないため、男性の脱毛症と女性の脱毛症では対策が異なってきます。

過剰摂取NG！1日の目安量と副作用の危険性と注意点

特に中年男性にとって、味方になってくれるノコギリヤシですが、良いからといって、多く摂り過ぎると体にとってマイナスになってしまいます。

ノコギリヤシは基本的に副作用はほとんどありませんが、ごく一部の人には以下のような副作用が起こることもあります。健康食品とはいえ、副作用のリスクと注意点をしっかり把握しておきましょう。


ノコギリヤシは、安全性の高いハーブですが、過剰に摂取にすると吐き気やめまい、下痢、便秘といった副作用が起こります。

医薬品ではないため、１日の摂取量は決まっていませんが、過剰摂取になると、吐き気やめまい、下痢、便秘といった副作用が起こる場合がまれにあります。
ジヒドロテストステロン（DHT）は、男性らしさを形成する上で必要不可欠な男性ホルモンです。また、女性が妊娠・授乳期にノコギリヤシをとると、胎児に影響をあたえる可能性があるため、授乳期の方、成長期の子どもは控えましょう。 以下の薬を服用している方は、ノコギリヤシを飲む前に医師に相談しましょう。
ノコギリヤシは、血液の粘度を下げます。そのため、血液を固まらせないようにするワルファリンなど血液凝固剤を使用している場合は、さらに血液の粘度を下げる働きが出てくるため、飲み合わせに注意が必要です。

ノコギリヤシエキスはどうやって取り入れるべきか？サプリメントの選び方

ノコギリヤシは、そのまま日本国内で販売されておらず、取り入れるのであればサプリメントが主流です。ノコギリヤシエキス配合のサプリメントは、数多くありますが、ここではサプリメントの選び方を紹介します。
ノコギリヤシエキスの配合量は、一日分で320mgほど補えるものを選びましょう。320mgという量は、臨床試験で実際に効果を実感できた量なので、ひとつの目安になります。

また、ノコギリヤシエキス単品ではなく、一緒に抗酸化作用のある成分（ビタミンEやリコピン）が配合されていることもポイントです。年齢とともに体内の活性酸素は増え、それにより体の不調やトラブルも増えてきます。
ノコギリヤシのサプリメントは、4000円前後が目安になります。ノコギリヤシサプリメントは一時的に飲むことで効果を実感することはできますが、飲むのをやめると再び症状に悩まされます。

そのため、長期的に続けることを考えましょう。そうなると、いくらするか？という価格と、アフターサービス（休止や変更など）がしっかりしているかもどのサプリメントにするかのポイントになります。
ノコギリヤシの果実からエキスを抽出する方法では、品質が損なわれない「超臨界抽出法」によるものを選びましょう。

品質にこだわっているメーカーであれば、安定剤や酸化防止剤をいれずに済む超臨界抽出法で製造しているものが一般的です。


以上、ノコギリヤシのサプリメント選びは、成分とノコギリヤシエキスの抽出方法、さらにアフターサービスの3つが重要になります。

加齢に伴う男性ホルモンの減少対策には、長期的な継続が必要になります。また、サプリメントだけでなく食事や生活習慣の改善の見直しも必要になってきます。

《参考》ノコギリヤシエキスの臨床試験データ

最後にノコギリヤシエキスを用いて行われた臨床試験データを紹介します。以下の試験に酔って、ノコギリヤシエキスは、尿トラブルの効果が認められています。

ノコギリヤシエキスの効果効能と副作用 まとめ

ノコギリヤシエキスは、まだまだ研究や臨床試験が必要な成分ですが、徐々に解明されつつある成分でもあります。男性の加齢に伴う尿トラブルは、人に相談しづらく、深刻な問題です。

だからこそ、人のコンプレックスにつけこんだ効果効能を謳っている商品もあります。誰にでも起こるからこそ、できるだけ早く予防対策に取り組みましょう。

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