オメガ3脂肪酸はダイエット効果も!多く含む食べ物と副作用を解説
[公開日]2016/02/03[更新日]2017/05/16
それにより、年齢を問わず健康・美容・ダイエット効果が期待できる成分です。
この記事では、オメガ3脂肪酸9つの効果と多く含む食べ物から、副作用の危険性までを解説します。
目次
サプリメントアドバイザー、化粧品検定一級、薬事法管理者の有資格者チームの管理人。化粧品開発・プロモーションの実務経験を活かし、雑誌・WEBメディアの執筆/ディレクションを行う。
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アレルギー対策にも!オメガ3脂肪酸9つの効果効能
オメガ3脂肪酸を構成するEPAとDHAの特徴から、期待できる効果効能をお伝えしていきます。
EPA・DHAがもたらす健康&ダイエット効果
多嚢胞性卵巣症候群で過体重または肥満の女性61名 (試験群30名、平均27.3±4.27歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、n-3系不飽和脂肪酸カプセル1 g (EPA 180 mg+DHA 120 mg含有) ×4個/日を8週間摂取させたところ、血清中のアディポネクチンの増加、血糖値、インスリン濃度、HOMA-IR、総コレステロール値、LDL-コレステロール値の低下が認められた
α-リノレン酸やDHAなどのn-3系列の脂肪酸を摂取すると、脂肪の蓄積が抑えられる
出典:脂肪酸と健康・生活・環境 / 彼谷邦光著
認知症のお年寄りではオメガ3系脂肪酸が健康なお年寄りに比べて不足している。アメリカでは、(中略)血液中のDHAが多い人のほうが認知症を発症しにくいという報告があります。
出典:血液をサラサラにするDHA・EPA / 星崎東明著
フランスのボルドー大学の調査で、EPAとDHAの摂取が、それぞれ認知症発症リスクを33%と24%減少させたとしている。
出典:そうだったんだ!脂肪酸 / 伊藤浩編
つまり、オメガ3には、抗ストレス作用もあるのです。また、魚の摂取量が多いほど交感神経に対して副交感神経が優位になります。
n-3系脂肪酸濃度が高いと、角なストレスによる交感神経活動の亢進を副交感神経活動の賦活化によって抑制することから、n-3系脂肪酸の抗ストレス作用が示された
出典:そうだったんだ脂肪酸 / 編 伊藤浩
脳の活性化のほかに、オメガ3には疲労を防ぐ働きもあります。(中略)疲労を防ぎ、解消する一番の近道は、血液の循環をよくすることです。
出典:頭のいい人は亜麻仁油を飲んでいる / 南清貴著
EPA・DHAがもたらす美容効果
花粉症やアトピーといったアレルギー系のトラブルで悩んでいる人も多いと思いますが、それはオメガ6の摂取過剰による炎症の促進が原因のひとつと考えられます。
出典:頭がよくなる脳内デトックス / 山田豊文著
オメガ3と6のバランスが1:1~1:4になるよう心がけると、肌荒れが起きにくくなるでしょう。
それにより肌の赤みが抑えられ、黄色や黒色が目立つため、肌がどんよりして見えます。DHAやEPAには、血管を流れる赤血球の細胞を柔らかくする・血液の流れを良くする働きがあるため、毛細血管のすみずみまで血液を届けることができます。すみずみまで血液が行き渡ると、冷え対策にもなります。
オメガ3には、オメガ6摂取による炎症作用を抑制する働きがあり、良いバランスを保つことで、症状が緩和できます。また、アレルギー症状を抑えるために使う副腎皮質ステロイド薬の使用量を減らすことができるようです。
オメガ3脂肪酸は、副腎皮質ステロイド薬の必要性を低減させることが可能である。
EPA(エイコサペンタエン酸)とは
血液をサラサラにして動脈硬化などを防ぎ、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー症状を改善するなど、ドコサヘキサエン酸(DHA)と同じく、幅広い効用があると見られている
出典:サプリメント事典第4版 / 日経ヘルス編
DHA(ドコサヘキサエン酸)とは
脂質異常症を改善し、生活習慣病を予防する作用を持つ。また、高ストレス作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、未熟児における視力の発達促進などが注目されている
出典:サプリメント事典第3版 / 著 蒲原聖可
オメガ3脂肪酸は青魚やくるみに多く含まれる
オメガ3脂肪酸を多く含む食べ物
オメガ3は、魚の中でもイワシやサンマ、ブリやイクラに多く含まれます。そのほかには、くるみやエゴマ油に多く含まれています。(魚にはDHA・EPA、くるみやエゴマ油にはα-リノレン酸が豊富)オメガ3が足りなくなると、脳機能の低下だけでなく、肌や代謝にも影響を及ぼします。つまり、オメガ3脂肪酸は、体機能を正常に保つ上で必要不可欠な栄養素になります。▼DHA・EPAを多く含む食材▼
食品名 | DHA含有量 (100gあたり) | EPA含有量 (100gあたり) |
---|---|---|
クロマグロ(生) | 3.2g | 1.4g |
サバ(開き干し) | 3.1g | 2.2g |
サバ加工品(しめサバ) | 2.6g | 1.6g |
シロサケ(スジコ) | 2.4g | 1.6g |
参考:栄養の教科書 / 中嶋洋子著
食事からのα-リノレン酸のほとんどはエネルギー源あるいは脂肪蓄積に供給される(中略)食事によって体内に摂り込まれたα-リノレン酸のEPA、DHAへの変換効率は、それぞれ、5~10%、2~5%とされており、DHAの生成はEPAよりさらに低いことが示されている。
出典:そうだったんだ!脂肪酸 / 伊藤浩編
オメガ3が注目されている理由とは
わたしたちの普段の食生活では、オメガ3とオメガ6のバランスがうまくとれていないことがわかっています。オメガ3が不足しているだけではなく、その分オメガ6の過剰摂取やトランス脂肪酸という体に良くない脂質の摂取が多くなっていることが問題なのです。そうすると、細胞膜は柔軟性を失い、細胞膜が正常な機能を果たせなくなります。その結果、体に様々な悪影響をもたらしていくため、オメガ3の重要性が叫ばれているのです。特に、脳の60%は油で構成されているため、オメガ3脂肪酸など質の良い油を摂取することの大切さはよりいっそう重大と言えます。オメガ3脂肪酸は、細胞レベルの働きを活性化するため、脳の健康、美肌、代謝アップといった効果を実感できます。
手軽に入手できる油にはあまり含まれていないため、通常の食生活ではオメガ3脂肪酸は必要量の1/20ぐらいしか摂り込まれていない。(中略)私たちの体は常に、オメガ3不足になっているということです。
出典:頭のいい人は亜麻仁油を飲んでいる / 南清貴著
オメガ3脂肪酸とは、名前の通り脂肪酸の一種です。体内では合成されないため、外から摂取する必要がある不飽和脂肪酸に分類される必須脂肪酸の一つです。「オメガ(=ω)」がつく脂肪酸は、3・6・9・12などがあります。これらの数字は、脂肪酸の構造の違いで二重結合がメチル基から何番目にあるかで数字が異なります。
この内、オメガ3・6が必須脂肪酸とされており、オメガ3系には「α-リノレン酸」、α-リノレン酸が体内酵素により変換された「EPA・DHA」が含まれます。また、オメガ6系にはリノール酸やγ-リノレン酸、リノール酸が体内酵素により変換されたアラキドン酸が含まれます。
オメガ6系のアラキドン酸が過剰になると、炎症が起こるため、アトピーやアレルギーが起こりやすくなります。その炎症作用を抑えるのがオメガ3脂肪酸であるため、オメガ3とオメガ6の摂取バランスが大切になってきます。
細胞機能の正常化に欠かせないオメガ3
カラダの衰えは、60兆個あると言われる細胞機能の低下により起こります。では、細胞機能の低下は何が原因で生じると思いますか?細胞一つ一つは、柔軟性のある「細胞膜」で覆われています。細胞膜は、「細胞を保護する役割」や「必要な栄養素を取り入れ、不要なものを排出する」、「情報伝達」をおこなっています。つまり、細胞は細胞膜なしには正常に機能しないということです。このような仕事をこなす細胞膜はリン脂質でつくられており、リン脂質はオメガ3とオメガ6によって構成されています。オメガ3とオメガ6は、脂肪酸の一種で、体内で合成されないため食事から摂取することが必要な栄養素(必須脂肪酸)です。オメガ3とオメガ6の割合は1:1〜1:4が理想とされ、そのバランスを保つことで細胞膜が本来の機能を果たします。
さらに、オメガ3脂肪酸を必要とするリン脂質は、神経細胞の修復や細胞の活性化、細胞増殖にも関わるため、不足すると、脳の働きが鈍くなり精神状態を不安定にします。
オメガ3脂肪酸はえごま油より青魚から摂ったほうが良い理由
α-リノレン酸 | DHA | EPA |
|
---|---|---|---|
多く含む食品 | 亜麻仁油、エゴマ油、サチャインチオイル(加熱OK)、オメガ3シード、くるみ | イワシ、サンマ、イクラ、うなぎの白焼き、シシャモ、カツオ | サバ、イクラ、サケ、ブリ、ホッケ、カツオ、うなぎの白焼き、ヒラメ |
メリット | 植物性食品から摂取できる | ・刺身数切れ ・サプリ | ・刺身数切れ ・サプリ |
デメリット | 高価・入手しづらい/α-リノレン酸のうち、DHA・EPAに変換される割合が少ない | 海洋汚染の懸念あり/α-リノレン酸から変換される割合がEPAより少ない | 海洋汚染の懸念あり |
EPAやDHAは、脂質量に比例して多くなることから、白身より赤身や脂身(トロ)、種類では青魚、天然より養殖のものに多く含まれる。また、旬により10%程度の差があり、旬のもののほうが多い。
出典:そうだったんだ!脂肪酸 / 伊藤浩編
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オメガ6の過剰摂取には要注意!オメガ3とのバランスがカギ
オメガ6はオメガ3同様必須脂肪酸ですが、近年オメガ6の過剰摂取の影響が心配されています。オメガ6(リノール酸)が体内に吸収されると、アラキドン酸という物質に変化します。そのアラキドン酸が過剰になると、免疫細胞の働きが悪くなり、炎症が起きやすくなるためです。オメガ6(リノール酸)は、普段の生活で意識しなくても摂取できます。
たとえば、食用油には、リノール酸を多く含む大豆油やコーン油、ベニバナ油が多く使用されます。また、菓子パンや惣菜の揚げ物に使用されます。
さらに気をつけるべきなのは、オメガ3とオメガ6を摂取した時に必要となる酵素の種類が同じであるということです。
同じ酵素が必要になり、オメガ6を多く摂り過ぎるとオメガ3がきちんと分解されなくなります。そのため、オメガ3を摂取するときは、オメガ6(リノール酸)の摂取を控え、その分オメガ3を多くするようにしましょう。
10代女性 オメガ3:オメガ6=1:5.3
20代女性 オメガ3:オメガ6=1:4.9
30代女性 オメガ3:オメガ6=1:4.8
40代女性 オメガ3:オメガ6=1:4.6
50代女性 オメガ3:オメガ6=1:4.2
10代男性 オメガ3:オメガ6=1:5.3
20代男性 オメガ3:オメガ6=1:4.9
30代男性 オメガ3:オメガ6=1:4.8
40代男性 オメガ3:オメガ6=1:4.7
50代男性 オメガ3:オメガ6=1:4.1
参考:
オメガ3脂肪酸の副作用は?過剰摂取は肥満の原因に
通常食品中に含まれる量の摂取は安全と考えられるが、特別な効果を期待しての過剰摂取は避けるべきである。
体内のDHA・EPAは、恒常性維持機能が働くので一定以上は増えません。アメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)は1日の摂取量を3~4gまでなら安全だと保証しています。
出典:血液をサラサラにするDHA・EPA / 星崎東明著
・加熱時に油が必要なときは、オメガ6より、オメガ9(オレイン酸)のオリーブオイルやアボカド油を
・酵素を意識して、生or発酵食品を摂取する
・積極的にビタミンやミネラルを摂取する(ビタミンC、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ナイアシン、B6、セレン、ビタミンE)
・タンパク質摂取は、動物性より植物性を
アスコルビン酸(※)、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ナイアシン、B6、セレン、ビタミンEも脂肪酸の代謝経路を活性化するにあたって重要な役割を担っている。
出典:αリノレン酸からDHA・EPAに変換される割合 / Omega-3多価不飽和脂肪酸の摂取とうつを中心とした精神的健康との関連性について探索的検討-最近の研究動向のレビューを中心に
独り身でもスーパーで刺身買えばいいじゃない。
あまりに安すぎるサプリメントは、添加物が多かったり、製造方法に不安な点が見受けられます。カラダのために摂取しているものが、逆にカラダに負担をかけていることもあるため、サプリメントは、信頼できるメーカー・製造会社から購入することが大切です。
魚油またはα-リノレン酸のサプリメントの摂取に関連する有害事象は総じて小さなものが多く、主に消化器症状(下痢など)が多く報告されている。通常は、サプリメントの減量または中止によって軽快する。
添加物は、カラダにとって異物であり、(中略)処理されるときに、肝臓の細胞を傷つけ、エネルギー産生経路の働きを阻害します。
出典:疲れやすい人の食事は何が足りないのか / 森由香子著
オメガ6脂肪酸の摂り過ぎ注意!体に必要な脂肪酸の見極め方
「健康のために脂質の摂取を減らしましょう。」と言われ続け、どうなったか。油の摂取量は減ったものの、糖質の摂取量が増えるという結果になりました。さらに、糖質と一緒に質の悪い脂質の摂取量が増加したのです。
《参考》トランス脂肪酸はキレる、情緒不安定の原因に
プラスチックに似た構造をしているトランス脂肪酸は、細胞を変形・劣化させ、脳や体にとって悪影響をもたらすことが判明しています。
菓子パンやマーガリンに入っている「トランス脂肪酸」は、大豆油や菜種油など植物性由来のもので、数年前まで体に良いとされてきました。トランス脂肪酸は、オメガ3脂肪酸が不足すると、その代わりとして細胞膜の材料になります。
トランス脂肪酸の大量摂取は、細胞機能低下で起こる注意欠陥障害や注意欠陥多動性障害、キレる、情緒不安定といった症状を引き起こすとして摂取量を減らすよう世界的な動きがはじまっています。
アメリカやドイツ、フランス、デンマークや韓国など世界各国ではトランス脂肪酸の規制が行われていますが、日本では、トランス脂肪酸による影響はほとんどないとして、摂取制限や表示義務はありません。(日本:1日平均1.56g 1日に摂取する脂質の1%未満であれば問題はないとされています。)
それでも、都市部の単身者の食生活は日本人の1日平均摂取量を大幅に超えているともいわれているため、より注意深くトランス脂肪酸と向き合っていく必要があるでしょう。
アメリカの代表的なファーストフード店のフライドポテトSには3,5g、Mサイズには5g、Lサイズには8gのトランス脂肪酸が含まれています。マーガリン、ショートニング、植物油脂、食用加工油脂といった言葉には注意し、トランス脂肪酸を減らすのではなく、摂らないように心がけましょう。
オメガ3脂肪酸の血液サラサラ効果は長生きに役立つ
健康管理維持アメリカには「オプティマム ヘルス」という考え方があります。これは、ベストな状態で健康を維持する、自分の健康は、自分で管理することが大切だということです。
オメガ3脂肪酸の効果は、気づかないうちに衰えていく脳細胞や身体機能の改善・活性化です。こんなに優れた効果効能があるにも関わらず、摂取不足なのはもったいないことです。
たとえ、毎日魚が食べられなくても、サプリメントの摂取で足りない分を補うことができるのです。口にする栄養素から、細胞がつくられ、体が動きます。自分の体をいたわる、明日の自分や未来の自分への投資するつもりで、オメガ3の摂取を行いましょう。
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