元エステ員が選ぶ!乾燥肌におすすめの美容オイル8選と効果的な使い方
[公開日]2016/03/17[更新日]2017/10/31
美容オイルは肌への刺激がほとんどなく、私たちの肌が最も必要とするバリア機能をサポートしてくれるため、年齢・肌質を問わずに人気のある化粧品です。
ただし、美容オイルにも種類があるので正しく選ばないと余計に肌を乾燥させたりニキビの原因になることもあります。
この記事では元エステ員である筆者がおすすめの美容オイルを紹介します。選び方や使い方まで解説するので選ぶときの参考にしてみてください。
以下は、美容効果に優れた主なオイルの特徴や効果をまとめた一覧です。目的や肌質に合わせて選ぶようにしましょう。
▼美容オイル成分の特徴▼
ここでは、上の表をもとに肌悩みに対応するオイルを紹介します。オイルは、わずか1〜2滴でさまざまな効果が期待できますが、肌には水分と油分の両方が必要です。
となると、オイルだけでのスキンケアは不十分なので、基本的には化粧水+オイルで行いましょう。
化粧水+オイルで使ってみて、それ以上の効果を期待する場合はオイルの重ねづけをするよりも美容液や乳液を加え、肌の中のうるおい力を高めるようにしてください。
オイル美容液は、手持ちの化粧水にオイルをプラスするだけでスキンケアを済ませることができます。
以下は、アンチエイジングの神様チームで厳選した保湿とエイジング対策に優れたオイル美容液です。
あまりのつけ心地の軽さに最初は物足りなさを感じるかもしれませんが、保湿・エイジング対策としておすすめです。
また、ビタミンC・E、必須脂肪酸を多く含んでいるため、とりわけ高保湿エイジング対策向けのオイルです。ニオイがほぼ無臭に近く、サラッとしているため、オイル初心者でも使いやすいでしょう。
美容オイルは皮脂と同じ成分なのでなじみがよく、角質層への浸透力が良いと言う特徴があります。ここでは、美容オイルを使ったスキンケアがもたらす4つの効果をお伝えします。
この状態では、化粧水や美容液を使ってスキンケアをしても角層内に美容成分を行き渡らせることはできません。
オイルは、皮脂の構成成分と同じ部分を持ち、肌への浸透になじみやすいという特性があります。
また角質をふやかす働きもあるため、浸透力と角質をふやかす働きによって、硬くなった皮膚表面から角層内まで道筋をつくり、その後のスキンケアの入りを良くすることができます。
角層内にうるおいが行き渡るようになると、硬くなった角質は自然と剥がれ落ちるシステムが作動し始めるというプラスの効果があります。
肌のバリア機能は、角層の細胞間脂質が80%、角質細胞(NMF)が17〜18%、残りの2〜3%を皮脂が担っています。オイルは、このうち細胞間脂質の一部と皮脂が担う2〜3%中の一部として効果を発揮します。
バリア機能は、スキンケア不足や紫外線対策ができていなかったり、ストレスや栄養の偏りなどによって左右されます。
バリア機能がきちんと働いていると、乾燥やシミ、シワ、くすみといった肌トラブルを避けることができます。
一方、バリア機能のシステムに不具合が生じると、外からのダメージ(紫外線や大気汚染、摩擦など)を直接、肌内部が受けるため、水分と油分のバランスが崩れ、乾燥を筆頭に、肌の敏感さやシミやシワができやすくなります。
▼うるおいのある角質層の中▼
皮脂が多いのは、皮脂腺が大きいという理由の他に、「皮脂が足りないからもっと皮脂を分泌しなくては」という判断で必要以上に皮脂が出ている場合があります。
皮脂腺が大きいのは遺伝要因が強いため、化粧品でどうにか対処できることは難しいのですが、乾燥が原因による過剰皮脂の場合は、オイルを塗ることで改善することができます。
オイルによって、ベタつきが増えると思われがちですが、オイルが肌コンディションを整えることができます。
※オイルの種類により効果は異なります。
実際にオイル美容液を購入するときは、以下の3点をクリアしたものを選ぶようにしましょう。
そのため、朝のスキンケアではオイルは使わないという方もいます。しかし、精製度(純度)が高く、不純物が取り除かれていればオイルによる油焼けはほぼ無いと言っていいでしょう。
油焼けするのは、ミネラルオイル(鉱物油)や精製度の低いオイルであることを覚えておけば、オイルを日中使っても、オイルが原因でシミになることは考えにくくなります。
購入する際は、ミネラルオイルが含まれていないか、精製度(純度)が低くないかチェックしましょう。
はじめてオイルを使う場合は、多少ベタつきを感じるかもしれませんが、肌に浸透するなじみやすいオイルは、ベタつきよりもサラッとしており、しっとり感やもっちり感を感じさせます。
ひとつのオイルで様々な成分が含まれている場合もあるので、オイル美容液は、ブレンドされていても単種類のオイルでもかまいません。おそらく、この3つを意識してオイルを選べば、オイル選びは失敗しにくいでしょう。
ホホバオイルやスクワランオイル、アルガンオイル、馬油など一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
▼スキンケアに使われるオイルの種類▼
これらの美容オイルは、肌への浸透力に優れ、顔以外にも全身につかえる万能さを兼ね備えています。
また、乳液や美容液などと違って、余計な添加物が極力配合されていないため、年齢や肌質を問わず使えるというメリットもあります。
使うのは乾燥が気になる冬の時期だけだったり、夜しか使わないなど、きちんとオイルの使い方を知らずに使っている方が大勢います。
しかし、オイルを使うことで水分と油分のバランスを調整することができるため、乾燥肌だけでなくオイリー肌でも使うことができます。
また、オイルを塗布することで、皮脂バランスを適正に保つことができるようになります。このように、オイルをつかったスキンケアは、肌質を問わずコンディションを整える効果が期待できるのです。
皮脂が減少してくる30代以降の方だけでなく、肌がごわついている方をはじめとして、乾燥・くすみ・ハリ・シワ・敏感肌・ニキビ・毛穴のつまりに悩む方まで、オイルがもつ万能さを体感できるでしょう。
残念ながら、オイルを塗ったところで、皮膚に完璧な膜を張ることはできません。
皮膚表面に塗ったオイルよりも小さな分子の水分が肌の中に入っていくため、オイルの隙間を簡単にすり抜けて蒸発してしまうからです。
美容オイルの使い方は、商品によって異なります。ここでは、主な使い方をお伝えします。
ただし、ブースター目的でないオイルを使うと、浸透せず皮膚表面につくオイルの量が多くなります。商品によって、化粧水前に使えるものとそうでないものがあるので、確認してから使うようにしましょう。
肌に浸透し保湿力を高める働きもありますが、皮脂を構成する役割や肌にハリやツヤをもたらす効果の方が期待できます。
マッサージはお風呂あがりや蒸しタオルのあとにすると、オイル成分の浸透がより高くなり、肌の柔らかさを実感しやすくなります。
どのタイプのオイルでもマッサージに使えますが、肌なじみが良いオイルだと浸透してしまい、肌と手によって摩擦が起きやすくなります。マッサージしたあとは、余分なオイルをホットタオルで拭き取りましょう。
化粧水の後に使うオイルを同時に使うと化粧水の効果を半減させる場合もあります。それであれば単品で使用するほうが良いでしょう。
オイルは、メイク前でも使うことができ、乾燥対策になるため、メイク持ちを良くする効果もあります。
ただし、根本につけすぎると髪がぺたんこになったり、ニオイの原因になります。毛先中心にちょっと物足りないくらいの量が適当です。
私たちの肌は、紫外線や摩擦といった外からくる刺激とストレスや栄養バランス、不規則な生活によってたちまち弱くなります。
そして、スキンケアは対処療法のように、トラブルに対してそれをなんとかするためのケアに終止しています。つまり、根本的に肌状態を改善するには至っていません。
オイルは、セラミドのように高保湿成分ではありませんが、美肌のベースとなるバリア機能を高めていくことができます。
肌の奥までしっかり浸透するという化粧品は一見すると、良さそうに感じます。しかし、肌の中に浸透させるためには乳化剤として界面活性剤が必要となります。
界面活性剤すべてが悪ではありませんが、できれば肌には入れたくない成分です。界面活性剤によって、美容成分を浸透させるためにバリア機能を自ら壊していることを考えると、無理やり浸透させるのではなく、肌の持つ力をサポートしていくオイル美容は、すべての肌悩みを解消に導くスキンケア方法とも考えられます。
◆参考文献
スキンケア美容医学事典 / 吉木伸子 著
化粧品成分用語事典2012 / 鈴木一成 監修
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ただし、美容オイルにも種類があるので正しく選ばないと余計に肌を乾燥させたりニキビの原因になることもあります。
この記事では元エステ員である筆者がおすすめの美容オイルを紹介します。選び方や使い方まで解説するので選ぶときの参考にしてみてください。
目次
《管理人:安藤美和子》
サプリメントアドバイザー、化粧品検定一級、薬事法管理者の有資格者チームの管理人。化粧品開発・プロモーションの実務経験を活かし、雑誌・WEBメディアの執筆/ディレクションを行う。
サプリメントアドバイザー、化粧品検定一級、薬事法管理者の有資格者チームの管理人。化粧品開発・プロモーションの実務経験を活かし、雑誌・WEBメディアの執筆/ディレクションを行う。
美容オイルは肌悩み別で選ぶ!おすすめオイル8選
以下は、美容効果に優れた主なオイルの特徴や効果をまとめた一覧です。目的や肌質に合わせて選ぶようにしましょう。
▼美容オイル成分の特徴▼
特徴 | 酸化具合 | 目的 |
|
---|---|---|---|
ホホバオイル | ・人の皮脂に最も近い植物オイル ・肌なじみがよく、サラッとしている ・肌質を選ばない万能オイル | 飽和脂肪酸、ビタミンEを多く含むため酸化しにくい | 保湿 / エイジング / ニキビ / 毛穴 / 敏感肌 / 肌代謝サポート |
アルガンオイル | ・数年間雨が振らなくても枯れないアルガンツリーが原料 ・水分維持と生命力に優れている ・皮脂と似た構造により、浸透性に優れている ・ブースターとしても使える | 不飽和脂肪酸を含むが豊富なビタミンEによって酸化しにくい | エイジング/ 保湿 / 美白 / 肌代謝サポート |
スクワランオイル | ・皮脂成分なので低刺激で浸透性が良い ・保湿効果は他と比較するとやや物足りない ・さらっとしたつけ心地でベタつかない | スクワレンを生成し安定させているため、酸化しにくい | 保湿 / 敏感肌 |
馬油 | ・馬の脂肪であり、馬の皮脂ではない ・浸透力に優れている ・動物油だが不飽和脂肪酸が多く酸化しやすい | 不飽和脂肪酸を多く含むため、酸化しやすい | 保湿 / 敏感肌 / ニキビ / 日焼けアフターケア |
オリーブオイル | ・保湿効果もあるが、クレンジングによる毛穴・角栓ケアの方が効果が期待できる ・皮脂の構成成分であるが、割合が多いためベタつきが気になることも | オレイン酸(不飽和脂肪酸)を多く含むが、馬油より酸化しにくい | クレンジング / 保湿 / エイジング |
コメヌカオイル | ・皮脂に近い成分で浸透しやすく、ベタつかない ・γ-オリザノール配合 ・保湿を始め、エイジングケアまで行う | 夏の日差しを受け、秋に収穫されるため酸化しにくい | 保湿 / 敏感肌 / エイジング / 美白 / 紫外線カット / |
ユズ種子オイル | ・肌なじみがよく、浸透しやすい ・肌を柔らかくし、肌トラブル対策に◯ ・香りによるリラックス効果 | 柑橘系のため、日中の使用は控えたほうが安心 | 保湿 / 肌代謝サポート / 敏感肌 / 肌荒れ / 美白 |
マルラオイル | ・南アフリカで育つマルラの木になる果実から採れる ・アルガンオイルを超えるエイジング・保湿力 ・ほぼ無臭で使いやすい ・サラッとしており、肌への浸透力に優れている | ビタミンC・Eを含むため酸化しにくい | エイジング / 保湿 / 肌代謝サポート / 毛穴 |
乾燥肌にはスクワランかアルガンオイルがおすすめ
ここでは、上の表をもとに肌悩みに対応するオイルを紹介します。オイルは、わずか1〜2滴でさまざまな効果が期待できますが、肌には水分と油分の両方が必要です。
となると、オイルだけでのスキンケアは不十分なので、基本的には化粧水+オイルで行いましょう。
化粧水+オイルで使ってみて、それ以上の効果を期待する場合はオイルの重ねづけをするよりも美容液や乳液を加え、肌の中のうるおい力を高めるようにしてください。
保湿ケア
オイル美容でいう「保湿」効果は、肌の中に潤いを与えるというよりも、内側の潤いを逃がさない「保湿」という意味合いが強くなります。ちょっと乾燥が気になってきた⇒ホホバオイル、スクワランオイル
乾燥対策をしっかりしたい⇒アルガンオイル、コメヌカオイル
脂性肌だけど保湿対策をしたい⇒スクワランオイル、ホホバオイル
乾燥対策をしっかりしたい⇒アルガンオイル、コメヌカオイル
脂性肌だけど保湿対策をしたい⇒スクワランオイル、ホホバオイル
エイジングケア
美白・シミ対策中心⇒アルガンオイル、コメヌカオイル、ユズ種子オイル
保湿・ハリ対策中心⇒ホホバオイル、アルガンオイル、コメヌカオイル、ユズ種子オイル
保湿・ハリ対策中心⇒ホホバオイル、アルガンオイル、コメヌカオイル、ユズ種子オイル
ニキビケア
ニキビの場合、塗り過ぎはアクネ菌のエサになるため、メーカー推奨量を守るようにしましょう。過剰皮脂によるニキビ⇒オリーブオイル、ホホバオイル、スクワランオイル
乾燥からくるニキビ⇒ホホバオイル、スクワランオイル
乾燥からくるニキビ⇒ホホバオイル、スクワランオイル
毛穴ケア
毛穴のつまり、黒ずみ⇒オリーブオイル
毛穴の開き⇒ホホバオイル
毛穴の開き⇒ホホバオイル
敏感肌ケア
化粧水も染みるときは、オイルだけ肌につける方法でもOKです。過敏反応がおさまったら、化粧水も併用したスキンケアを行いましょう。ホホバオイル、スクワランオイル、コメヌカオイル、ユズ種子オイル
※まずパッチテストをしてから顔全体につけるようにしてください。オイルって、肌質によって使わないほうが良いって思ってたけど、そうでもないんだね。
実は、そうなの。ただ、オイルといっても色んな種類があるから目的に応じて選ぶことね。
乾燥肌・シワにおすすめ!コスパの良いオイル美容液比較
オイル美容液は、手持ちの化粧水にオイルをプラスするだけでスキンケアを済ませることができます。
以下は、アンチエイジングの神様チームで厳選した保湿とエイジング対策に優れたオイル美容液です。
総合評価 | 多種類オイル配合で、短期間で肌のハリを実感しやすい美容液オイル | アルガンオイル以上とされるエイジングケア力は少量ながら実感しやすい |
価格 | 1,833円 / 10ml (2週間分) | 2,759円 / 18ml (2ヶ月分) |
配合オイル | オリーブオイル、ツバキ油、コメヌカオイル、ユズ種子オイル、ラベンダー油 | スクレロカリアビレア種子油 |
肌への優しさ | パラベン、石油系鉱物油、界面活性剤、シリコン、合成香料、無配合 | 純度100%、オーガニック100%、無添加・無香料・無着色 |
肌質 | 保湿・エイジング・敏感肌 | 保湿・エイジング・敏感肌・脂性肌 |
美容液オイル Coyori
coyoriは、ハリを実感しやすいブレンドオイルタイプです。ラベンダーの香りでリラックス効果をもたらすとともに、オイルと20種類の和漢・植物エキスを配合することでオイルなのにサラッとしたつけ心地を実感できます。あまりのつけ心地の軽さに最初は物足りなさを感じるかもしれませんが、保湿・エイジング対策としておすすめです。
皮脂を補い水分を保持する美容液オイルcoyori / JIMOS保湿/乾燥:
coyoriに含まれるオイル
オリーブオイル、ツバキ油、コメヌカオイル、ユズ種子オイル、ラベンダー油
coyoriについての詳細な解説・口コミは以下の記事をご覧ください。coyoriの口コミ効果に関するよくあるQ&A
美容オイル マルラオイル
日本では聞き馴染みがないアフリカ原産のマルラオイルですが、保湿やハリ・シワ対策としてはアルガンオイルよりも優れています。純度100%のオーガニックオイルで、人の皮脂バランスに近いという特徴があります。また、ビタミンC・E、必須脂肪酸を多く含んでいるため、とりわけ高保湿エイジング対策向けのオイルです。ニオイがほぼ無臭に近く、サラッとしているため、オイル初心者でも使いやすいでしょう。
アフリカ原産オーガニック100%のエイジング美容オイルマルラオイル / ヴァーチェ美容オイル:
保湿/乾燥:
アルガンオイルを超えるエイジングケア力
30日間の返金保証制度でじっくり試せる
浸透力に優れ、100%オーガニックオイル
価格 種類 内容 2,759円(税抜) 本商品
18ml (約2ヶ月分)美容オイル
マルラオイルに含まれるオイル
スクレロカリアビレア種子油(マルラの実)
浸透力の高い美容オイルだけができる4つのスキンケア効果
美容オイルは皮脂と同じ成分なのでなじみがよく、角質層への浸透力が良いと言う特徴があります。ここでは、美容オイルを使ったスキンケアがもたらす4つの効果をお伝えします。
肌を柔らかくする
化粧水の浸透が悪いなと感じることはありませんか?肌の浸透力が低下しているのは、皮膚表面の水分が失われ、これ以上水分が抜けないよう皮膚が硬くなっているからです。この状態では、化粧水や美容液を使ってスキンケアをしても角層内に美容成分を行き渡らせることはできません。
オイルは、皮脂の構成成分と同じ部分を持ち、肌への浸透になじみやすいという特性があります。
また角質をふやかす働きもあるため、浸透力と角質をふやかす働きによって、硬くなった皮膚表面から角層内まで道筋をつくり、その後のスキンケアの入りを良くすることができます。
角層内にうるおいが行き渡るようになると、硬くなった角質は自然と剥がれ落ちるシステムが作動し始めるというプラスの効果があります。
バリア機能を高める
肌のバリア機能とは、皮膚の内側(主に角質層)の潤いを逃がさないための仕組みと、外から受ける刺激に対して防御するための仕組みです。肌のバリア機能は、角層の細胞間脂質が80%、角質細胞(NMF)が17〜18%、残りの2〜3%を皮脂が担っています。オイルは、このうち細胞間脂質の一部と皮脂が担う2〜3%中の一部として効果を発揮します。
バリア機能は、スキンケア不足や紫外線対策ができていなかったり、ストレスや栄養の偏りなどによって左右されます。
バリア機能がきちんと働いていると、乾燥やシミ、シワ、くすみといった肌トラブルを避けることができます。
一方、バリア機能のシステムに不具合が生じると、外からのダメージ(紫外線や大気汚染、摩擦など)を直接、肌内部が受けるため、水分と油分のバランスが崩れ、乾燥を筆頭に、肌の敏感さやシミやシワができやすくなります。
バリア機能って、図のように細胞間脂質と角質細胞が規則正しく並んでいる状態のとき、「バリア」として正常に機能するの。
▼うるおいのある角質層の中▼
乾燥してるときって、細胞間脂質が少なくなってて細胞同士もバラバラになっちゃうんだよね?
そこで、オイルなの。オイルは、皮膚表面を柔らかくして角層内の細胞と細胞の隙間をうめつくす役割を果たすんだけど、細胞間脂質の大半を占めるセラミドは、水分と油分の両方と仲良くできる性質だから、オイルが入ってきても、化粧水が入ってきてもその潤い成分を角層内に閉じ込めておくことができるの。
オイルは、皮脂と角層の2つでバリア機能を高めることができるってことだね。
そう。ただし、極度の乾燥状態の時は、化粧水とオイルに加えてセラミド配合の美容液をプラスすると完璧ね。
肌にハリをもたらす
肌が柔らかくなり、バリア機能が高まると、肌のハリや弾力を実感することができます。ハリや弾力はシワを目立たなくする効果もあるため、エイジング対策としてもオイル美容は有効です。過剰な皮脂を抑え、ベタつきを軽減する
肌は、皮脂腺から皮脂が分泌されることで皮脂膜を構成しています。皮脂が多いのは、皮脂腺が大きいという理由の他に、「皮脂が足りないからもっと皮脂を分泌しなくては」という判断で必要以上に皮脂が出ている場合があります。
皮脂腺が大きいのは遺伝要因が強いため、化粧品でどうにか対処できることは難しいのですが、乾燥が原因による過剰皮脂の場合は、オイルを塗ることで改善することができます。
オイルによって、ベタつきが増えると思われがちですが、オイルが肌コンディションを整えることができます。
※オイルの種類により効果は異なります。
プチプラ美容オイルは酸化しやすい!良質な美容オイルの見分け方
実際にオイル美容液を購入するときは、以下の3点をクリアしたものを選ぶようにしましょう。
1. 純度が高い
2. サラッとしている
3. 美容効果の高いオイルが使われている
2. サラッとしている
3. 美容効果の高いオイルが使われている
酸化・油焼けするのは不純物が含まれているから
オイルを使うにあたって、酸化や油焼けするのではないかと不安に感じるかもしれません。油焼けとは、オイルが紫外線に当たることで肌に色素沈着を起こし、シミの原因になることです。そのため、朝のスキンケアではオイルは使わないという方もいます。しかし、精製度(純度)が高く、不純物が取り除かれていればオイルによる油焼けはほぼ無いと言っていいでしょう。
油焼けするのは、ミネラルオイル(鉱物油)や精製度の低いオイルであることを覚えておけば、オイルを日中使っても、オイルが原因でシミになることは考えにくくなります。
購入する際は、ミネラルオイルが含まれていないか、精製度(純度)が低くないかチェックしましょう。
肌に良いオイルはベタつかない
オイル=ベタつく、ヌルヌルするから使わない方もいるかもしれませんが、人の皮脂組成に近いと浸透しやすいため、オイルであってもベタつくことはありません。はじめてオイルを使う場合は、多少ベタつきを感じるかもしれませんが、肌に浸透するなじみやすいオイルは、ベタつきよりもサラッとしており、しっとり感やもっちり感を感じさせます。
美容効果の高いオイルが主原料である
オイルの種類は多岐にわたりますが、酸化しにくく、美容効果が期待できるオイルとなると上記の表で記したオイルが該当します。ひとつのオイルで様々な成分が含まれている場合もあるので、オイル美容液は、ブレンドされていても単種類のオイルでもかまいません。おそらく、この3つを意識してオイルを選べば、オイル選びは失敗しにくいでしょう。
どうして人気?オイル美容液が支持される理由
ヒトの皮脂に近いオイルだから美容効果が高い
オイルは大きく3つにわけることができ、オイル美容で使われるオイルはヒトの皮脂に近い中性脂肪を多く含むオイルです。ホホバオイルやスクワランオイル、アルガンオイル、馬油など一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
▼スキンケアに使われるオイルの種類▼
これらの美容オイルは、肌への浸透力に優れ、顔以外にも全身につかえる万能さを兼ね備えています。
また、乳液や美容液などと違って、余計な添加物が極力配合されていないため、年齢や肌質を問わず使えるというメリットもあります。
オイルは乾燥肌のためだけではない
ただ、オイルというと「ベタつき」が気になったり、「ニキビ肌やオイリー肌」には縁遠いものという認識がまだまだあります。使うのは乾燥が気になる冬の時期だけだったり、夜しか使わないなど、きちんとオイルの使い方を知らずに使っている方が大勢います。
しかし、オイルを使うことで水分と油分のバランスを調整することができるため、乾燥肌だけでなくオイリー肌でも使うことができます。
また、オイルを塗布することで、皮脂バランスを適正に保つことができるようになります。このように、オイルをつかったスキンケアは、肌質を問わずコンディションを整える効果が期待できるのです。
オイルの正しい知識を身に付ければスキンケアは楽になる
オイルだから酸化が気になる、油焼けする、いつのタイミングで使えばいいのか、どのオイルを選んだらいいのか、と迷っているのではないでしょうか。正しいオイル美容を理解すれば、オイルは美肌の味方になります。皮脂が減少してくる30代以降の方だけでなく、肌がごわついている方をはじめとして、乾燥・くすみ・ハリ・シワ・敏感肌・ニキビ・毛穴のつまりに悩む方まで、オイルがもつ万能さを体感できるでしょう。
油分で皮膚表面にフタをすることは可能か?
オイル(油)と聞くと、「皮膚表面に膜を張る」役割をするものと思っていませんか?化粧水で潤いを肌に入れて、油分でフタをする。残念ながら、オイルを塗ったところで、皮膚に完璧な膜を張ることはできません。
皮膚表面に塗ったオイルよりも小さな分子の水分が肌の中に入っていくため、オイルの隙間を簡単にすり抜けて蒸発してしまうからです。
顔から髪、爪までケアできる万能美容オイルの活用方法
美容オイルの使い方は、商品によって異なります。ここでは、主な使い方をお伝えします。
ブースターとして 洗顔後化粧水の前に使う
洗顔後の肌を柔らかくし、後に使う化粧水や美容液の浸透を高めるサポートをします。浸透力に優れているというのは、オイルの分子が小さいということです。ただし、ブースター目的でないオイルを使うと、浸透せず皮膚表面につくオイルの量が多くなります。商品によって、化粧水前に使えるものとそうでないものがあるので、確認してから使うようにしましょう。
保湿オイルとして スキンケアの一番最後に使う
多くのオイルがこのタイプになります。使用順番は、オイルを配合している油溶性なので化粧水や水溶性美容液の後に使います。肌に浸透し保湿力を高める働きもありますが、皮脂を構成する役割や肌にハリやツヤをもたらす効果の方が期待できます。
マッサージ用オイルとして
伸びがよいため、マッサージオイルとして使うことができます。マッサージに使うときは、摩擦を軽減するために、いつものスキンケアよりも多めに使うことがポイントです。マッサージはお風呂あがりや蒸しタオルのあとにすると、オイル成分の浸透がより高くなり、肌の柔らかさを実感しやすくなります。
どのタイプのオイルでもマッサージに使えますが、肌なじみが良いオイルだと浸透してしまい、肌と手によって摩擦が起きやすくなります。マッサージしたあとは、余分なオイルをホットタオルで拭き取りましょう。
化粧水や乳液と混ぜる
化粧水や乳液に混ぜて使う方法がありますが、化粧水は水溶性のため、完全に混ざり合うことはありません。化粧水の後に使うオイルを同時に使うと化粧水の効果を半減させる場合もあります。それであれば単品で使用するほうが良いでしょう。
ファンデーションに混ぜる
乾燥対策として、ファンデーションや化粧下地にオイルを1、2滴混ぜて使うことができます。ただし、成分を分離させてしまうこともあるため、別々に使うほうが良いでしょう。オイルは、メイク前でも使うことができ、乾燥対策になるため、メイク持ちを良くする効果もあります。
ヘアケア アウトバストリートメントとして
髪の毛をコーティングし、摩擦やドライヤーの熱からまもってくれるだけでなく、髪の毛にツヤとハリをもたらします。ただし、根本につけすぎると髪がぺたんこになったり、ニオイの原因になります。毛先中心にちょっと物足りないくらいの量が適当です。
ボディケアオイルとして
保湿効果に優れているので、顔だけでなく爪やボディケアとしても使うことができます。ベタつきやぬるつきが気になるときは、オイルを塗った後にホットタオルで軽く拭き取ってください。安藤さん、食用のオリーブオイルとかって、顔にも使える?
使えなくはないわ。ただ、食用とスキンケア用につくられたオイルは、精製度が違うから別々に使って。
美容オイルは肌悩み別に純度が高いオイルを選ぶ
私たちの肌は、紫外線や摩擦といった外からくる刺激とストレスや栄養バランス、不規則な生活によってたちまち弱くなります。
そして、スキンケアは対処療法のように、トラブルに対してそれをなんとかするためのケアに終止しています。つまり、根本的に肌状態を改善するには至っていません。
オイルは、セラミドのように高保湿成分ではありませんが、美肌のベースとなるバリア機能を高めていくことができます。
肌の奥までしっかり浸透するという化粧品は一見すると、良さそうに感じます。しかし、肌の中に浸透させるためには乳化剤として界面活性剤が必要となります。
界面活性剤すべてが悪ではありませんが、できれば肌には入れたくない成分です。界面活性剤によって、美容成分を浸透させるためにバリア機能を自ら壊していることを考えると、無理やり浸透させるのではなく、肌の持つ力をサポートしていくオイル美容は、すべての肌悩みを解消に導くスキンケア方法とも考えられます。
◆参考文献
スキンケア美容医学事典 / 吉木伸子 著
化粧品成分用語事典2012 / 鈴木一成 監修
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