セラミド化粧品・原液の効果の見極め方!乾燥肌と開いた毛穴対策
[公開日]2014/03/10[更新日]2017/03/22
乾燥肌に有効とされるセラミドを化粧品には、生産コストの弊害がります。質の高いセラミド成分を一定以上の濃度で含有する商品を生産することは、生産者側にとって難しい事です。セラミド効果を得るためには、ある程度の知識を持って化粧品を選ばなければいけません。
セラミドを使って、乾燥肌や開いた毛穴を対策するために自分に合ったセラミド化粧品を選ぶための全知識を紹介します。
セラミド商品には、その生産コストの問題が故に、ある程度高価なものか、安価でしかし大きな効果が期待できないものが存在しています。消費者としては、ただ「セラミド配合」との記載に踊らされるだけではなく、どの程度の効果が期待できそうか、またどういうからくりで価格が高いのか、といった事を知っておきたいものです。
もしセラミド化粧品の値段に迷いを感じたならば、自身の肌の状態を考慮して、投資の価値があるかを見極めなければいけません。少々面倒な作業ですが、貴女の肌の乾燥度合によっては、有意義なことです。今後起こり得るトラブルを考えると、セラミドは一考する価値がある成分だと言えます。
一生付き合う貴女の肌です。是非今感じる肌の乾燥と、これから起こり得るダメージを把握して、肌の未来像を描く機会にしてください。これから貴女の肌に起こり得ること、そしてどういった解決策があるのかを知れば、化粧品を上手く利用し、トラブルの起きにくい肌を作れるはずです。
肌の乾燥を感じたら、私たちが一番に働きかけるべきなのが、肌の一番表面の層「角質層」です。角質層の厚さは僅か0.02mm、この厚さを実感したければ、サランラップを触ってみてください。「保湿」の目標はまずこの0.02mmの層の30%を水分で満たすことです。しかし、一時的に水分が満ちるだけでは意味がありません。
角質層はその役割も、サランラップに似ています。外側からの刺激や異物が肌内部に入らないよう防御する事、そして内側にある水分など必要な成分を、外側に漏らさないようにすることです。この役割が健全に機能することで、「真皮」などの肌内部の構造も健康に保たれます。元々角質層には、外から与えなくても水分を保持する機能が備わっています。
ただし洗顔である程度の皮脂や、肌内部の必要な成分が流出すると、角質層が水分不足になります。そこで化粧水で水分を補給し、乳液等油分で蓋をするケアで不足を補うのです。しかし、このケアを一時しのぎでは無く、角質層本来の水分保持能力を援助するものにできれば、時間の経過や外気の影響に負けない、常時潤った肌を作ることができます。
キメが整いハリがある、瑞々しい肌は、角質層が充分な潤いに満ちていることが必須条件です。一方、角質層の水分が減少すると、ざらつきなど見た目の悪化が起こります。それだけではありません。角質層の役割であるバリア機能が落ち代謝が滞ることで、様々なトラブルが起きます。
例えば紫外線の影響を受けやすくなり、シミ、シワ、たるみが起こる可能性が高まります。その上に健全なターンオーバーが滞るため、内包するトラブルの改善が難しくなります。また毛穴トラブルも起こります。毛穴から出る皮脂は汗と混じって肌の保護膜を作りますが、乾燥時は皮脂分泌を増やそうと働き、毛穴トラブルの発端となります。
女性の油性肌の人口は実は少ないと言われています。実際は乾燥肌で、その乾燥から肌を守る為に皮脂が多量に分泌されている、「インナードライ」状態の人が、油性肌と自覚しているケースがあります。この場合、乾燥を解決しなければ皮脂の分泌は止まりません。毛穴は常に皮脂を大量に分泌している為、開いたままの状態になります。
乾燥した、バリア機能の低下した肌は、細菌への耐性も落ちています。多量の皮脂、そしてターンオーバーの滞りが生む古い角質は角栓の材料です。これに細菌が加わるとニキビになります。しかし毛穴のざらつき程度なら、解決しやすい問題です。乾燥を放置して開いた毛穴が定着化、さらにたるみが加わることで、非常に解決しにくいたるみ毛穴の状態へと進化してしまいます。
角質層は本来自分の力で潤いを保持する能力を持っています。その潤い保持に大きく貢献しているのが「セラミド」という物質です。角質層には「角質細胞」が煉瓦のように並んでいます。その煉瓦を繋ぎ合わせているのが「細胞間脂質」というセラミドを主とした成分です。接着剤のような細胞間脂質が煉瓦を繋ぎ、隙間なくすることで、角質層が防御壁として機能します。
角質層の3割を占める水分の内、セラミドによって保持される量は約8割と言われています。角質層内にセラミドが充分にあれば、水分保持能力が高く、乾燥しにくい肌になります。しかし、このセラミドも、コラーゲンなどと同様、加齢とともに生成されにくくなっていきます。
女性が歳と共に乾燥を感じやすくなる一つの要因が、セラミドの減少です。生まれつき乾燥肌の人も、このセラミドを始めとする肌のバリア機能の働きが弱いと言われています。
加齢とともに減少するセラミドですが、コラーゲンなどと違い、普段のスキンケアによって外側から本来の居場所である角質層へと届けやすい成分です。保湿効果のある成分は多々ありますが、最も保湿力が高いのがセラミドです。それは油性の成分であるセラミドが、角質層内の「水分を挟み込む」ことによって逃がさないよう働くためです。
その他の保湿成分は、自らが「水分を含んで」維持する事などによって水分保持効果を発揮します。しかし「水分を挟み込む」肌本来のメイン機能同様の能力を持つ成分は、より長時間の保持が可能です。セラミドを含有した保湿化粧品は、最長24時間水分を保持できると言われています。また外気の湿度にも左右されにくい点も、保湿力の高さに貢献しています。
不足した角質層のセラミドを補充し、乾燥にストップをかけるというシンプルな発想。実現できれば加齢などによる激しい乾燥などを改善し、トラブルを未然に防げる可能性があります。しかし、この利点に溢れるセラミドにもいくつか問題点があります。例えば、ヒトの肌内のセラミドに近しい働きをする「ヒト型セラミド」の生産コストは高くつきます。
よってそれに類似する他種のセラミド商品が販売されていますが、ヒト型セラミド程の効果は得られません。また、生産コスト等の問題で含有量が低くなる傾向があります。ある程度の量を塗布しなければ、それなりの効果は期待できません。そこで消費者は、どの程度の価格の、どういった質のセラミド化粧品を使用するか、選択する必要があります。
最も保湿力が高く、刺激の少ないセラミドが「ヒト型セラミド」です。化粧品の成分表示欄には「セラミド2」といったように、セラミドの後に数字が付いた形で表示されます。それ以外に、石油原料を化学合成した「疑似セラミド」、米ぬかなど植物から抽出された「植物性セラミド」、馬など動物性の成分を抽出した「天然セラミド」などがあります。
先ほどセラミド配合化粧品の水分保持時間は最長で24時間というお話をしましたが、実はセラミドの種類などによって、保持可能時間が2~24時間と大変幅があります。「ヒト型セラミド」商品は高価になると考えられますので、自身の肌によってどれぐらいの保湿力が必要なのかを考えてみてください。
年齢や肌質によって重度の乾燥がある場合は、「ヒト型セラミド」を試す価値があるかもしれません。「ヒト型セラミド」には1~7までの種類があり、ある程度の知識を持っていると商品選択の参考とすることができます。特に肌内で影響力を持っているのは「1、2、3」のセラミドです。
その中で最も高い保湿効果を持ち、肌内のセラミド全体量における最多、約2割を占めているのが「セラミド2」です。また、加齢とともに顕著に減少するのが「セラミド3」や「セラミド5」です。「セラミド3」はシワが深くならないよう働きかける機能も持ち、年齢と共に補いたいセラミドです。
乾燥でダメージを受けやすい肌には、「セラミド1」が効果を発揮します。細胞間脂質の隙間を繋ぐ働きがあり、肌のバリア機能に特に貢献しています。「ヒト型セラミド」はその浸透性について問題視されていた事がありましたが、ナノサイズにまで最小化されるようになりました。「ヒト型セラミド」の選択では種類とともに、是非浸透性にまで着目して選んでみてください。
不足したセラミドは、同様の働きを補える「ヒト型セラミド」で補うのが1番です。しかし、その抽出コストの高さや、多成分に溶けにくい性質により化粧品にするには難点が多い成分です。そこでその他の類似したセラミドが使用されます。
「天然セラミド」は馬などのヒトの角質間細胞に近い成分を使用したもので、「ヒト型」の次に保湿力が高いと言われています。成分表には「ウマスフィンゴ脂質」「ビオセラミド」といった名称で表記されます。「植物性セラミド」や「疑似セラミド」はそれらに続く保湿力ものです。
特に「合成セラミド」とも呼ばれる「疑似セラミド」は、安価に生産できる扱いやすい成分です。しかし、不足したセラミドの代替機能を果たすまでの効果は期待できないと考えられます。
セラミド化粧品の価格に関わるもう一つの要素が、その含有量です。当然、「ヒト型セラミド」を高濃度で含有する商品は高価になります。また、セラミドは水にも油にも溶けにくい性質があり、大量に含有させるのは難しいとも言われています。実際の所、美容液等にセラミドを含ませる場合、様々な要因で数%もあれば多いと言われます。
一方で、セラミドはある程度の量を塗布しないと効果がありません。成分の種類や含有量を満たした商品は、1本最低3000円以上するのが妥当、とよく言われます。それを規定の使用量をしっかり守ってケアして、初めて効果を得られると考えて下さい。化粧品の値段は、原材料だけでなく製造コストや広告費など様々な要素で変わりますが、選択の上でおよその目安を持つことは大切です。
さて、定石としてはだいたい1mlあたり100円以上程度、という見積もりを持つ一方、高価であれば安心という事でもありません。医薬品ではなく化粧品である以上、いかにも効果の有りそうな要素に溢れていても、実際の効果より消費者が喜びそうな要素を優先しているケースは多くあります。
実際セラミドの含有量など、大事なポイントを開示している製造元ばかりではありません。化粧品の成分表は、含有量が多いものから表示がされますが、前の方か後ろの方かというだけでは中々実態がはっきりしないのです。特に成分の種類が多い場合は、ほんの少量という場合もあります。では他に、どういった点で商品を見極めていけばいいでしょうか。
セラミド化粧品の使用感自体は、感激するようなものではありません。もちもち感やプルプル感など、効いている感じのする「感触」が出ないのがセラミドです。そういった「感触」は他の成分が出しています。「効果」と「感触」は異なるものですが、消費者としては「感触」が無いと不安になりがちです。「感触」が無いものと初めから知っておくといいでしょう。
またセラミドは油性の成分です。よってそれなりのセラミドを含有していれば、テクスチャーは乳液など油分の多い化粧品と同じく、とろみのあるものになります。さらっとしたものはセラミドの含有量が少ないかもしれません。もしくは、水と油がそれほど馴染む為には、「界面活性剤」を多分に使用しているケースもあります。
界面活性剤は必ずしも肌に悪いものではありません。刺激の少ない上質のものであれば、その浸透作用により、必要な成分を肌内部に届ける役割を果たしてくれることも有ります。一方、重度に乾燥した刺激に弱い肌には、いくら刺激の少ない界面活性剤でもあまり多くの使用はお勧めできません。
上述の含有量の話で、原液ならば濃度の高いものが得られるのでは、と考えた方もいらっしゃるかもしれません。もし化粧品の「原液」という意味を知らなければ、その点をはっきりとしてから商品を検討してください。「原液」というのはその成分が100%のものではありません。化粧品に配合する前のエキスの状態のものです。
セラミドについても、それ単体でそのまま使用することはできません。成分として安定化させ、肌へと浸透する状態へと加工が必要です。100%でない事は必要な事です。配合や濃度によっては、そのまま塗布すると肌に刺激になるものもあり、その場合は他の化粧品と混ぜて使用します。
原液のメリットは、乳液や美容液などの形態よりも、シンプルな配合で造られていることです。余分な成分を避けたい、自分の好みの濃度で使用したいといった場合にメリットがあります。一方極端な事を言えば、配合が原液の形態で、内実が水やその他の成分が99%でセラミドが1%でも「原液」と呼ばれるケースもありますので、注意したいところです。
セラミド化粧品の掴み方がわかってくると、次はどの程度投資すべきかを判断したいところです。それは現在の乾燥の深刻度に依るところが大きくなります。加齢や肌質によって、自前のセラミド量がかなり減っているならば、やはり代替機能を果たせるレベルのものを補充するのがベストです。
一方一時的な乾燥で、他の種類の保湿成分より高機能なものを使用するだけで凌げれば、セラミドのレベルを下げても効果を得られるかもしれません。ある程度継続使用することが望ましいという点では、予算に併せた価格の商品から試していくのも一つの選択肢です。商品毎の配合の特徴によっても違いが出るので、セラミドの種類よりもその点がネックになる事もあります。
効果の測定は、塗った直後よりも数時間後です。また長期に使用して、乾燥改善だけでなく、ターンオーバーの健全化まで感じられれば大成功です。肌本来の力がアップした証です。見た目は、潤いに満ちているだけでなく、くすみがとれ、毛穴が引き締まり、キメが整い、シミやシワが目立ちにくくなり、といった具合に改善していくはずです。
アンチエイジングの神様チームで検証した、セラミド化粧品の比較ランキングを紹介します。
また、その他特筆すべきセラミドの分類と対応商品を以下にまとめます。
「ヒト型セラミド」商品は今後共、より優れたアイテムが開発される可能性のある分野です。残念ながら原液タイプは多くはありません。現在注目を集めているのは浸透性に優れた「ヒト型ナノセラミド」配合の商品です。商品化に課題があったヒト型セラミドですが、より身近に使用できるよう様々な進展が見られます。今後もその発展に是非期待したいところです。
動物由来のセラミド原液は、馬を原料としたものがメインです。元々牛であったのが馬に変わったのは狂牛病問題の為。動物由来のものに関しては、特に原料の安全性に信頼の持てる商品を選ぶ事をお勧めします。
1ml100円を下回る商品を探すのなら、「植物性」や「合成」のものがあります。特に加工しやすい人工の「疑似セラミド」については、配合量も多くすることが可能なので、濃度や浸透性に要求を高くして選べるというメリットを活かすと良いでしょう。
肌の乾燥はあらゆるトラブルの引き金となります。乾燥は、肌質の問題だけではありません。外気の影響や、加齢によっても起こります。この問題に対して、肌の科学は日々進歩し、より有効なケアを提案しています。肌の構造への理解が進むにつれ、スキンケアもその場しのぎのものではなく、肌本来の力を育てるケアへ、という考え方が生まれています。
そこで注目が集まるようになったのが、「セラミド」です。元々肌の「角質層」で働く保湿成分で、体内で生成されています。この成分を外側から補う事で、肌の乾燥による弊害を減らせる事がわかっています。自前の保湿成分セラミドを補う事で、肌本来の機能をサポートし、肌が自ら美しくなる力を育てるのです。
ここで紹介したセラミドの知識をベースに、自身に合ったセラミド化粧品を選んでみてください。
セラミドを使って、乾燥肌や開いた毛穴を対策するために自分に合ったセラミド化粧品を選ぶための全知識を紹介します。
セラミド化粧品の大前提!高価なものだと知る
セラミド商品には、その生産コストの問題が故に、ある程度高価なものか、安価でしかし大きな効果が期待できないものが存在しています。消費者としては、ただ「セラミド配合」との記載に踊らされるだけではなく、どの程度の効果が期待できそうか、またどういうからくりで価格が高いのか、といった事を知っておきたいものです。
もしセラミド化粧品の値段に迷いを感じたならば、自身の肌の状態を考慮して、投資の価値があるかを見極めなければいけません。少々面倒な作業ですが、貴女の肌の乾燥度合によっては、有意義なことです。今後起こり得るトラブルを考えると、セラミドは一考する価値がある成分だと言えます。
一生付き合う貴女の肌です。是非今感じる肌の乾燥と、これから起こり得るダメージを把握して、肌の未来像を描く機会にしてください。これから貴女の肌に起こり得ること、そしてどういった解決策があるのかを知れば、化粧品を上手く利用し、トラブルの起きにくい肌を作れるはずです。
乾燥肌!まず対策すべきは「角質層」
肌の乾燥を感じたら、私たちが一番に働きかけるべきなのが、肌の一番表面の層「角質層」です。角質層の厚さは僅か0.02mm、この厚さを実感したければ、サランラップを触ってみてください。「保湿」の目標はまずこの0.02mmの層の30%を水分で満たすことです。しかし、一時的に水分が満ちるだけでは意味がありません。
角質層はその役割も、サランラップに似ています。外側からの刺激や異物が肌内部に入らないよう防御する事、そして内側にある水分など必要な成分を、外側に漏らさないようにすることです。この役割が健全に機能することで、「真皮」などの肌内部の構造も健康に保たれます。元々角質層には、外から与えなくても水分を保持する機能が備わっています。
ただし洗顔である程度の皮脂や、肌内部の必要な成分が流出すると、角質層が水分不足になります。そこで化粧水で水分を補給し、乳液等油分で蓋をするケアで不足を補うのです。しかし、このケアを一時しのぎでは無く、角質層本来の水分保持能力を援助するものにできれば、時間の経過や外気の影響に負けない、常時潤った肌を作ることができます。
知っておきたい!角質層の乾燥で起こるトラブル
キメが整いハリがある、瑞々しい肌は、角質層が充分な潤いに満ちていることが必須条件です。一方、角質層の水分が減少すると、ざらつきなど見た目の悪化が起こります。それだけではありません。角質層の役割であるバリア機能が落ち代謝が滞ることで、様々なトラブルが起きます。
例えば紫外線の影響を受けやすくなり、シミ、シワ、たるみが起こる可能性が高まります。その上に健全なターンオーバーが滞るため、内包するトラブルの改善が難しくなります。また毛穴トラブルも起こります。毛穴から出る皮脂は汗と混じって肌の保護膜を作りますが、乾燥時は皮脂分泌を増やそうと働き、毛穴トラブルの発端となります。
何故?乾燥から毛穴トラブルが起こる仕組み
女性の油性肌の人口は実は少ないと言われています。実際は乾燥肌で、その乾燥から肌を守る為に皮脂が多量に分泌されている、「インナードライ」状態の人が、油性肌と自覚しているケースがあります。この場合、乾燥を解決しなければ皮脂の分泌は止まりません。毛穴は常に皮脂を大量に分泌している為、開いたままの状態になります。
乾燥した、バリア機能の低下した肌は、細菌への耐性も落ちています。多量の皮脂、そしてターンオーバーの滞りが生む古い角質は角栓の材料です。これに細菌が加わるとニキビになります。しかし毛穴のざらつき程度なら、解決しやすい問題です。乾燥を放置して開いた毛穴が定着化、さらにたるみが加わることで、非常に解決しにくいたるみ毛穴の状態へと進化してしまいます。
乾燥から肌を守る要!角質層内のセラミドの働き
角質層は本来自分の力で潤いを保持する能力を持っています。その潤い保持に大きく貢献しているのが「セラミド」という物質です。角質層には「角質細胞」が煉瓦のように並んでいます。その煉瓦を繋ぎ合わせているのが「細胞間脂質」というセラミドを主とした成分です。接着剤のような細胞間脂質が煉瓦を繋ぎ、隙間なくすることで、角質層が防御壁として機能します。
角質層の3割を占める水分の内、セラミドによって保持される量は約8割と言われています。角質層内にセラミドが充分にあれば、水分保持能力が高く、乾燥しにくい肌になります。しかし、このセラミドも、コラーゲンなどと同様、加齢とともに生成されにくくなっていきます。
女性が歳と共に乾燥を感じやすくなる一つの要因が、セラミドの減少です。生まれつき乾燥肌の人も、このセラミドを始めとする肌のバリア機能の働きが弱いと言われています。
セラミドは化粧品から補給しやすい
加齢とともに減少するセラミドですが、コラーゲンなどと違い、普段のスキンケアによって外側から本来の居場所である角質層へと届けやすい成分です。保湿効果のある成分は多々ありますが、最も保湿力が高いのがセラミドです。それは油性の成分であるセラミドが、角質層内の「水分を挟み込む」ことによって逃がさないよう働くためです。
その他の保湿成分は、自らが「水分を含んで」維持する事などによって水分保持効果を発揮します。しかし「水分を挟み込む」肌本来のメイン機能同様の能力を持つ成分は、より長時間の保持が可能です。セラミドを含有した保湿化粧品は、最長24時間水分を保持できると言われています。また外気の湿度にも左右されにくい点も、保湿力の高さに貢献しています。
セラミド配合化粧品の弱点
不足した角質層のセラミドを補充し、乾燥にストップをかけるというシンプルな発想。実現できれば加齢などによる激しい乾燥などを改善し、トラブルを未然に防げる可能性があります。しかし、この利点に溢れるセラミドにもいくつか問題点があります。例えば、ヒトの肌内のセラミドに近しい働きをする「ヒト型セラミド」の生産コストは高くつきます。
よってそれに類似する他種のセラミド商品が販売されていますが、ヒト型セラミド程の効果は得られません。また、生産コスト等の問題で含有量が低くなる傾向があります。ある程度の量を塗布しなければ、それなりの効果は期待できません。そこで消費者は、どの程度の価格の、どういった質のセラミド化粧品を使用するか、選択する必要があります。
化粧品に使用されるセラミドの種類
最も保湿力が高く、刺激の少ないセラミドが「ヒト型セラミド」です。化粧品の成分表示欄には「セラミド2」といったように、セラミドの後に数字が付いた形で表示されます。それ以外に、石油原料を化学合成した「疑似セラミド」、米ぬかなど植物から抽出された「植物性セラミド」、馬など動物性の成分を抽出した「天然セラミド」などがあります。
先ほどセラミド配合化粧品の水分保持時間は最長で24時間というお話をしましたが、実はセラミドの種類などによって、保持可能時間が2~24時間と大変幅があります。「ヒト型セラミド」商品は高価になると考えられますので、自身の肌によってどれぐらいの保湿力が必要なのかを考えてみてください。
重度の乾燥にお勧めの「ヒト型セラミド」とは
年齢や肌質によって重度の乾燥がある場合は、「ヒト型セラミド」を試す価値があるかもしれません。「ヒト型セラミド」には1~7までの種類があり、ある程度の知識を持っていると商品選択の参考とすることができます。特に肌内で影響力を持っているのは「1、2、3」のセラミドです。
その中で最も高い保湿効果を持ち、肌内のセラミド全体量における最多、約2割を占めているのが「セラミド2」です。また、加齢とともに顕著に減少するのが「セラミド3」や「セラミド5」です。「セラミド3」はシワが深くならないよう働きかける機能も持ち、年齢と共に補いたいセラミドです。
乾燥でダメージを受けやすい肌には、「セラミド1」が効果を発揮します。細胞間脂質の隙間を繋ぐ働きがあり、肌のバリア機能に特に貢献しています。「ヒト型セラミド」はその浸透性について問題視されていた事がありましたが、ナノサイズにまで最小化されるようになりました。「ヒト型セラミド」の選択では種類とともに、是非浸透性にまで着目して選んでみてください。
様々なセラミドのメリットデメリット
不足したセラミドは、同様の働きを補える「ヒト型セラミド」で補うのが1番です。しかし、その抽出コストの高さや、多成分に溶けにくい性質により化粧品にするには難点が多い成分です。そこでその他の類似したセラミドが使用されます。
「天然セラミド」は馬などのヒトの角質間細胞に近い成分を使用したもので、「ヒト型」の次に保湿力が高いと言われています。成分表には「ウマスフィンゴ脂質」「ビオセラミド」といった名称で表記されます。「植物性セラミド」や「疑似セラミド」はそれらに続く保湿力ものです。
特に「合成セラミド」とも呼ばれる「疑似セラミド」は、安価に生産できる扱いやすい成分です。しかし、不足したセラミドの代替機能を果たすまでの効果は期待できないと考えられます。
セラミド含有量の目安
セラミド化粧品の価格に関わるもう一つの要素が、その含有量です。当然、「ヒト型セラミド」を高濃度で含有する商品は高価になります。また、セラミドは水にも油にも溶けにくい性質があり、大量に含有させるのは難しいとも言われています。実際の所、美容液等にセラミドを含ませる場合、様々な要因で数%もあれば多いと言われます。
一方で、セラミドはある程度の量を塗布しないと効果がありません。成分の種類や含有量を満たした商品は、1本最低3000円以上するのが妥当、とよく言われます。それを規定の使用量をしっかり守ってケアして、初めて効果を得られると考えて下さい。化粧品の値段は、原材料だけでなく製造コストや広告費など様々な要素で変わりますが、選択の上でおよその目安を持つことは大切です。
セラミド化粧品価格見極めの着眼点
さて、定石としてはだいたい1mlあたり100円以上程度、という見積もりを持つ一方、高価であれば安心という事でもありません。医薬品ではなく化粧品である以上、いかにも効果の有りそうな要素に溢れていても、実際の効果より消費者が喜びそうな要素を優先しているケースは多くあります。
実際セラミドの含有量など、大事なポイントを開示している製造元ばかりではありません。化粧品の成分表は、含有量が多いものから表示がされますが、前の方か後ろの方かというだけでは中々実態がはっきりしないのです。特に成分の種類が多い場合は、ほんの少量という場合もあります。では他に、どういった点で商品を見極めていけばいいでしょうか。
セラミドの使用感を知っておく
セラミド化粧品の使用感自体は、感激するようなものではありません。もちもち感やプルプル感など、効いている感じのする「感触」が出ないのがセラミドです。そういった「感触」は他の成分が出しています。「効果」と「感触」は異なるものですが、消費者としては「感触」が無いと不安になりがちです。「感触」が無いものと初めから知っておくといいでしょう。
またセラミドは油性の成分です。よってそれなりのセラミドを含有していれば、テクスチャーは乳液など油分の多い化粧品と同じく、とろみのあるものになります。さらっとしたものはセラミドの含有量が少ないかもしれません。もしくは、水と油がそれほど馴染む為には、「界面活性剤」を多分に使用しているケースもあります。
界面活性剤は必ずしも肌に悪いものではありません。刺激の少ない上質のものであれば、その浸透作用により、必要な成分を肌内部に届ける役割を果たしてくれることも有ります。一方、重度に乾燥した刺激に弱い肌には、いくら刺激の少ない界面活性剤でもあまり多くの使用はお勧めできません。
原液かそれ以外かで悩んだら
上述の含有量の話で、原液ならば濃度の高いものが得られるのでは、と考えた方もいらっしゃるかもしれません。もし化粧品の「原液」という意味を知らなければ、その点をはっきりとしてから商品を検討してください。「原液」というのはその成分が100%のものではありません。化粧品に配合する前のエキスの状態のものです。
セラミドについても、それ単体でそのまま使用することはできません。成分として安定化させ、肌へと浸透する状態へと加工が必要です。100%でない事は必要な事です。配合や濃度によっては、そのまま塗布すると肌に刺激になるものもあり、その場合は他の化粧品と混ぜて使用します。
原液のメリットは、乳液や美容液などの形態よりも、シンプルな配合で造られていることです。余分な成分を避けたい、自分の好みの濃度で使用したいといった場合にメリットがあります。一方極端な事を言えば、配合が原液の形態で、内実が水やその他の成分が99%でセラミドが1%でも「原液」と呼ばれるケースもありますので、注意したいところです。
乾燥の深刻度でセラミド投資を考える
セラミド化粧品の掴み方がわかってくると、次はどの程度投資すべきかを判断したいところです。それは現在の乾燥の深刻度に依るところが大きくなります。加齢や肌質によって、自前のセラミド量がかなり減っているならば、やはり代替機能を果たせるレベルのものを補充するのがベストです。
一方一時的な乾燥で、他の種類の保湿成分より高機能なものを使用するだけで凌げれば、セラミドのレベルを下げても効果を得られるかもしれません。ある程度継続使用することが望ましいという点では、予算に併せた価格の商品から試していくのも一つの選択肢です。商品毎の配合の特徴によっても違いが出るので、セラミドの種類よりもその点がネックになる事もあります。
効果の測定は、塗った直後よりも数時間後です。また長期に使用して、乾燥改善だけでなく、ターンオーバーの健全化まで感じられれば大成功です。肌本来の力がアップした証です。見た目は、潤いに満ちているだけでなく、くすみがとれ、毛穴が引き締まり、キメが整い、シミやシワが目立ちにくくなり、といった具合に改善していくはずです。
セラミド化粧品の比較ランキング
アンチエイジングの神様チームで検証した、セラミド化粧品の比較ランキングを紹介します。
ヒト型セラミド1,2,3,5,6Ⅱ配合の高保湿化粧品モイスチャーライン / エトヴォスセラミド:
ヒト型セラミド1,2,3,5,6Ⅱ配合の保湿成分バランス
7つの無添加で脂性肌から敏感肌まで多くの肌質に対応
高価なセラミドを高配合し自社開発で安価に商品化
価格 種類 内容 3,190円(税込) トライアル
1ヶ月分基礎化粧品セット 全商品にセラミド配合でトータルケアできるコスメヒフミド / 小林製薬セラミド:
ヒト型セラミド配合で徹底保湿
全商品にセラミド配合でスキンケア
税抜907円のポーチセットでトライアル可能
価格 種類 内容 907円(税抜) モニター
10日間クレンジング・洗顔・ローション・クリームなど ヒト型セラミド1,3配合 たっぷり保湿でスキンケアメディプラスゲル / ティーエージェントセラミド:
セラミド1,3配合で角層奥から保湿のオールインワン
防腐剤フリー、乳化剤フリーなど安心の配合
180gの大容量でたっぷり使える
価格 種類 内容 3,700円(税抜) 本商品
180gオールインワンゲル
原液商品の開発は今後の進展を期待「ヒト型セラミド」
「ヒト型セラミド」商品は今後共、より優れたアイテムが開発される可能性のある分野です。残念ながら原液タイプは多くはありません。現在注目を集めているのは浸透性に優れた「ヒト型ナノセラミド」配合の商品です。商品化に課題があったヒト型セラミドですが、より身近に使用できるよう様々な進展が見られます。今後もその発展に是非期待したいところです。
「ジェリー アクアリスタ/アスタリフト」3800円/15g
ヒト型セラミドのナノ化に力を入れて取り組んだ富士フィルムの美容液です。従来品を更に改良して、リニューアル版では容量も選べるようになりました。「セラミド3」と「セラミド6Ⅱ」が配合されています。アンチエイジングに力を入れた商品で、その他の美容成分にもこだわりが見られます。「ヒト型ナノセラミド」が気になる方に、まずは小ロットで試してみてはいかがでしょうか。「リペアエッセンス/トゥヴェール」 2000円/20ml
「セラミド1、3、6」配合の原液タイプです。セラミド安定化物質「フィトスフィンゴシン」と保湿剤の「コレステロール」を併せて、「細胞間脂質」の類似成分となるものがおよそ3割配合されているとのこと。扱いの難しいセラミドをほとんど原料のまま提供する商品です。使用の際は自作化粧品の知識をつけて、必要な材料を揃えて、エッセンスとして加えてください。ヒト型セラミドに続く保湿力「天然セラミド」の原液タイプ
動物由来のセラミド原液は、馬を原料としたものがメインです。元々牛であったのが馬に変わったのは狂牛病問題の為。動物由来のものに関しては、特に原料の安全性に信頼の持てる商品を選ぶ事をお勧めします。
「プラセラ原液/リマーユ」 2500円/5ml
馬由来のプラセンタとセラミドを配合した商品です。濃度の具体的な数値はわかりませんが、高濃度とのこと。成分表示では、「水、BG、1,2-ヘキサンジオール」といった一般的な成分に続いて「プラセンタエキス」と「ウマスフィンゴ脂質」が並んでいます。プラセンタの肌への塗布も、効果を感じる方がいらっしゃるので、併せて使用したい人にはちょうど良いかもしれません。「ラクトセラミド原液/日本美容薬草」 1620円/10ml
乳由来の天然セラミドを使用しています。成分名は「セレブドシド」です。アロエベラエキスをベースにしたシンプルな配合で、刺激に弱いアトピー性の乾燥に悩む方にも使用されています。馬由来のセラミド原液も販売していますが、皮膚が薄い乾燥肌の方には乳由来のラクトセラミドの方が適しているという声もあります。100ml容量の商品もあり、単価あたりの値段がかなりお得になります。低価格から始められる「植物性セラミド」「疑似セラミド」
1ml100円を下回る商品を探すのなら、「植物性」や「合成」のものがあります。特に加工しやすい人工の「疑似セラミド」については、配合量も多くすることが可能なので、濃度や浸透性に要求を高くして選べるというメリットを活かすと良いでしょう。
「セラミド200/チューンメーカーズ」1800円/20ml
手作り化粧品の為の各種原液を展開しているチューンメーカーズのセラミドは、米ぬかを原料とした「コメヌカスフィンゴ糖脂質」を配合したエキスです。元々販売していたセラミドエキスの濃度を上げた商品ですが、テクスチャーは軽く、直接塗布して使用する人も多いようです。「疑似セラミドエマルジョン/トゥヴェール」 2752円/50ml
疑似セラミドを10%配合した美容液です。疑似セラミドの利点である、浸透性、高配合、低価格を実現しています。乳液タイプですが、使用感はさらっとしています。同様の浸透性と配合率を高めた商品では、他に「キュレル」のクリームも独自の疑似セラミドを8%配合しています。これらの疑似セラミド商品や、それ以外のセラミド商品でも、重度に乾燥した肌には刺激となる場合があります。心配な場合は、「キュレル」のような医薬部外品から試すことや、必ずテスター使用することなどで慎重に検討してください。セラミド原液で対策する乾燥肌と開いた毛穴 まとめ
肌の乾燥はあらゆるトラブルの引き金となります。乾燥は、肌質の問題だけではありません。外気の影響や、加齢によっても起こります。この問題に対して、肌の科学は日々進歩し、より有効なケアを提案しています。肌の構造への理解が進むにつれ、スキンケアもその場しのぎのものではなく、肌本来の力を育てるケアへ、という考え方が生まれています。
そこで注目が集まるようになったのが、「セラミド」です。元々肌の「角質層」で働く保湿成分で、体内で生成されています。この成分を外側から補う事で、肌の乾燥による弊害を減らせる事がわかっています。自前の保湿成分セラミドを補う事で、肌本来の機能をサポートし、肌が自ら美しくなる力を育てるのです。
ここで紹介したセラミドの知識をベースに、自身に合ったセラミド化粧品を選んでみてください。