市販の歯磨き粉が黄ばみの原因!研磨剤のウソ・ホントを歯科医が解説
[公開日]2017/03/11[更新日]2017/05/16
市販品の歯磨き粉には必ずと言っていいほど、研磨剤が配合されています。にも関わらず、マイナスイメージが強いため、成分表にあえて「研磨剤」と記載しない商品も増えています。
研磨剤配合の歯磨き粉は、洗浄効果が高い反面、歯へのダメージが大きくできれば控えたい成分の1つです。
今回は歯科医師である筆者の知識と経験をもとに、歯磨き粉に含まれる研磨剤の役割やメリット・デメリット、意外と知られていない歯磨き粉の豆知識をご紹介していきます。
歯磨き粉に含まれる研磨剤も同じ働きをします。歯磨き粉を使って歯を磨くと、使わなかった時より、歯がツルツルして気持ち良いのは研磨剤のおかげです。
このネバネバ成分によって密着したプラークは、ゆすいで洗い流すことはできず、歯ブラシなどでこすり落とすしかありません。
歯ブラシだけでもプラークは十分落とすことはできますが、歯ブラシ+研磨剤によって、効率的に汚れを落とすことが可能です。そのため研磨剤には歯磨きの時間を短縮できるメリットがあります。
しかし研磨剤を使用しないと、ステインがつきやすいのも事実です。したがって研磨剤配合の歯磨き粉を使用する際は「低研磨のものを選ぶ」「歯磨き粉をつけすぎない」「使用の回数を減らす」などの工夫が必要です。
繰り返しになりますが、研磨剤は削り落とすことで汚れを落とします。この時、歯の表面のエナメル質も一緒に削ってしまい、目には見えない細かい傷がエナメル質にできてしまいます。
また歯磨きの力が強い人や、「かため」の歯ブラシを愛用する人が研磨剤を使用しつづけると、エナメル質をどんどん削ってしまい、エナメル質が薄くなってしまいます。
この時期に研磨剤を使用すると、大人以上に歯を傷つけたり、削ってしまいます。できれば永久歯がしっりと完成する中学生ぐらいまでは、研磨剤の使用は控えたほうが良いでしょう。
研磨剤によって歯の表面に傷がつき、その傷の中に再び汚れが入り込んでしまうと、自分でその汚れを落とすのは至難の業です。またエナメル質が薄くなると、その下の象牙質の色が透けてみえ、歯が黄ばんで見えるようになります。
ホワイトニング効果を期待する人にとって、研磨剤入り歯磨き粉の使用は長い目で見ると、むしろ逆効果になりかねません。
しかし研磨剤によってエナメル質が傷つき薄くなることで、バリア機能が働きにくくなり、その結果「冷たいものがしみる」などの知覚過敏症状がでてしまいます。
最近はホワイトニング効果を期待して歯磨きを頑張った女性達が、その副作用として知覚過敏を訴えるケースが増えています。
以下の成分が研磨剤です。どの成分も細かい粒子でできており、その粒子の研磨作用で歯の表面の汚れを落としていきます。
しかし歯科医院の場合は、プロの歯科衛生士が粒子が粗目のものから中ぐらいのもの、細かいものと、あらゆる種類の研磨剤を使い分けています。そして歯の表面に傷が残らないようツルツルに磨くので、クリーニング後に汚れ(ステイン)が付着しにくくなります。
「どの歯磨き粉がお勧めですか?」とよく聞かれるのですが、筆者のみならず、多くの歯科医師がその返答に頭を悩まします。
なぜなら、「どれも変わりはない」「特に使用しなくても良い」のいずれかだからです。
例えば歯磨き粉には様々な薬効成分が配合され、「〇〇予防に!」と宣伝されていますが、学術的にその効果が認められているのは『フッ化物(フッ素)』のみです。そして、このフッ化物も約8割の市販歯磨き粉に配合されています。
研磨剤はほとんどの歯磨き粉に配合されているため、成分的には大差がなく「使うならどれでも良い」という結論に至ります。
研磨剤不使用の歯磨き粉選びは、歯の健康のために役立ちます。ただ、研磨剤不使用となると汚れが落ちにくくなり、虫歯や口臭など口の悩みも出てきます。
そこで、5つの悩み別におすすめの成分を紹介します。歯磨き粉選びの参考にしてみてください。
商品の配合成分には、
しかし、グルコン酸クロルヘキシジンは、人によってアレルギーのリスクもあるので、使用には注意が必要です。また子供への使用は控えましょう。
ただ効果には個人差があり、重度の知覚過敏や歯周病の場合は効果がありません。
薬用ハイドロキシアパタイトには、以下の3つの働きが期待できます。
歯科衛生士さんの中でも「ホワイトニング効果が高い」と、薬用ハイドロキシアパタイト配合の歯磨き粉を愛用する方は多いですね。
以下の表を参考に、自宅の歯磨き粉のパッケージを一度確認してみましょう。
研磨剤が配合されているかも大切ですが、汚れを落とす歯ブラシ選びも重要です。買い換えるタイミングになったら、2つのポイントを意識して選んでみてください。
歯ブラシのヘッドを横から見たときに、毛の並びが直線にならんでいるものが「直線型」です。
他にも凸型や山切り型などありますが、直線型がプラークの除去効果が1番高いです。
また硬さは「ふつう」を選びます。「かため」のほうが汚れが落ちやすく、歯もツルツルするので好む人もいますが、研磨剤同様、歯へのダメージも大きいので控えましょう。
子供の場合は各成長にあわせて種類が分かれおり、ヘッドの大きさやグリップの長さが口の大きさや顎の成長に合わせて作られています。それぞれのステージにあわせて歯ブラシを選びましょう。
歯ブラシには価格が高くて耐久性や機能性に優れるものもあります。だからと言って1本の歯ブラシをずっと使い続けるのは衛生面からみてNGです。
歯ブラシは定期的に新品に交換しやすい価格帯のものを選ぶことも大切です。
排水溝のぬめりは、普通の洗剤をかけただけでは落ちず、たわしやブラシでが必要ですよね。
歯に付着した細菌も同じです。プラークは歯ブラシでこすり落とすしかありません。歯磨き粉は汚れ落としのサポート役に過ぎず、大切なのは歯ブラシです。
歯磨き粉の研磨剤は歯を削るなどのダメージが大きく、歯科においてもできるだけ使用を控えるように指導します。ただコーヒーや紅茶など日常的に着色物を摂る人やタバコを吸う人などで、歯の黄ばみを抑えたい人には手放せないアイテムの1つです。
もし使用するのであれば、できるだけ低研磨のものを選ぶ、使用回数を減らすなどの工夫が必要です。
研磨剤配合の歯磨き粉は、洗浄効果が高い反面、歯へのダメージが大きくできれば控えたい成分の1つです。
今回は歯科医師である筆者の知識と経験をもとに、歯磨き粉に含まれる研磨剤の役割やメリット・デメリット、意外と知られていない歯磨き粉の豆知識をご紹介していきます。
この記事は、歯科医師の方に執筆していただき、アンチエイジングの神様チームで編集しております。
研磨剤入りの歯磨き粉を使う3つのメリット
歯の表面がツルツルになる
『研磨』とは物の表面を削り研いで磨いていく事です。例えば工作の仕上げで紙やすりを使うと、表面が滑らかになり、作品がより綺麗に仕上がりますね。歯磨き粉に含まれる研磨剤も同じ働きをします。歯磨き粉を使って歯を磨くと、使わなかった時より、歯がツルツルして気持ち良いのは研磨剤のおかげです。
歯磨きの時間を短縮できる
歯磨きの目的はプラーク(歯垢)を落としていくことです。プラークとは虫歯や歯周病を引き起こす細菌の塊ですが、この細菌たちは歯の表面に付着するために、ネバネバ成分を吐き出します。このネバネバ成分によって密着したプラークは、ゆすいで洗い流すことはできず、歯ブラシなどでこすり落とすしかありません。
歯ブラシだけでもプラークは十分落とすことはできますが、歯ブラシ+研磨剤によって、効率的に汚れを落とすことが可能です。そのため研磨剤には歯磨きの時間を短縮できるメリットがあります。
歯の黄ばみを落としてくれる
歯に付く汚れはプラーク(汚れ)のほかに歯の黄ばみの元となる着色物もあります。私たちが普段何気なく口にする食べ物の多くに、歯の黄ばみの元となる着色物が含まれていますが、その着色物を効果的に落とすのも研磨剤の役割です。研磨剤入り歯磨き粉を使わない方が良い人とは
・子供の歯
・知覚過敏の症状がある
・歯周病で歯茎に炎症がある
・歯を白くしたい
やたらとホワイトニング効果を謳う市販の安い歯磨き粉には粒子の粗い研磨剤が配合されているため、使用しない方が賢明です。・知覚過敏の症状がある
・歯周病で歯茎に炎症がある
・歯を白くしたい
しかし研磨剤を使用しないと、ステインがつきやすいのも事実です。したがって研磨剤配合の歯磨き粉を使用する際は「低研磨のものを選ぶ」「歯磨き粉をつけすぎない」「使用の回数を減らす」などの工夫が必要です。
なぜ歯磨き粉の研磨剤は悪者扱いされているのか?
最大の欠点は「歯の表面を傷つける」から
歯磨き粉に含まれる研磨剤がなぜ良くないと言われるのか、その最たる理由は歯の表面を傷つけてしまうことにあります。繰り返しになりますが、研磨剤は削り落とすことで汚れを落とします。この時、歯の表面のエナメル質も一緒に削ってしまい、目には見えない細かい傷がエナメル質にできてしまいます。
また歯磨きの力が強い人や、「かため」の歯ブラシを愛用する人が研磨剤を使用しつづけると、エナメル質をどんどん削ってしまい、エナメル質が薄くなってしまいます。
中学生ぐらいまでは研磨剤の使用を控えたほうが良い
乳歯は永久歯にくらべるととても柔らかいです。また生えてきたばかりの永久歯もエナメル質はまだ未完の状態で、十分な硬さになるまで時間がかかります。この時期に研磨剤を使用すると、大人以上に歯を傷つけたり、削ってしまいます。できれば永久歯がしっりと完成する中学生ぐらいまでは、研磨剤の使用は控えたほうが良いでしょう。
研磨剤は黄ばみの原因になるから
研磨剤配合の歯磨き粉で歯を磨くと、歯の着色が落ち、磨くたびに歯が白くなるように感じると思いますが、それはあくまで一時的なものです。研磨剤によって歯の表面に傷がつき、その傷の中に再び汚れが入り込んでしまうと、自分でその汚れを落とすのは至難の業です。またエナメル質が薄くなると、その下の象牙質の色が透けてみえ、歯が黄ばんで見えるようになります。
ホワイトニング効果を期待する人にとって、研磨剤入り歯磨き粉の使用は長い目で見ると、むしろ逆効果になりかねません。
研磨剤が「歯がしみる」原因になることも
歯の表面にあるエナメル質は、あらゆる刺激を神経に伝わらないようにするバリア的な機能を果たしています。しかし研磨剤によってエナメル質が傷つき薄くなることで、バリア機能が働きにくくなり、その結果「冷たいものがしみる」などの知覚過敏症状がでてしまいます。
最近はホワイトニング効果を期待して歯磨きを頑張った女性達が、その副作用として知覚過敏を訴えるケースが増えています。
パッケージには「研磨剤」と表記されていない場合もあるので注意
現在、市販されているほとんどの歯磨き粉には研磨剤が含まれていますが、中には「研磨剤」という項目がない歯磨き粉もあります。しかし、それを見て「この歯磨き粉には研磨剤は入っていない」と勘違いしてはいけません。以下の成分が研磨剤です。どの成分も細かい粒子でできており、その粒子の研磨作用で歯の表面の汚れを落としていきます。
・リン酸水素カルシウム
・炭酸カルシウム
・重質炭酸カルシウム
・水酸化アルミニウム
・無水ケイ酸(シリカ)
・炭酸カルシウム
・重質炭酸カルシウム
・水酸化アルミニウム
・無水ケイ酸(シリカ)
歯科医院のクリーニングでも研磨剤は使っている
例えば、歯科医院で歯石を取ったあと、ザラザラした歯の表面を磨いたり、ステインを落とすときに使うクリーニング剤にも研磨剤が配合されています。しかし歯科医院の場合は、プロの歯科衛生士が粒子が粗目のものから中ぐらいのもの、細かいものと、あらゆる種類の研磨剤を使い分けています。そして歯の表面に傷が残らないようツルツルに磨くので、クリーニング後に汚れ(ステイン)が付着しにくくなります。
市販の歯磨き粉は、ズバリ「どれでも良い」
「どの歯磨き粉がお勧めですか?」とよく聞かれるのですが、筆者のみならず、多くの歯科医師がその返答に頭を悩まします。
なぜなら、「どれも変わりはない」「特に使用しなくても良い」のいずれかだからです。
例えば歯磨き粉には様々な薬効成分が配合され、「〇〇予防に!」と宣伝されていますが、学術的にその効果が認められているのは『フッ化物(フッ素)』のみです。そして、このフッ化物も約8割の市販歯磨き粉に配合されています。
研磨剤はほとんどの歯磨き粉に配合されているため、成分的には大差がなく「使うならどれでも良い」という結論に至ります。
どこで研磨剤フリーの歯磨きが買える?
市販品には、ほとんど研磨剤が配合されていますが、歯科医院や通販では研磨剤不使用の歯磨き粉があります。
市販の歯磨き粉よりも2倍ほど金額は高くなりますが、のちのちホワイトニングをしたり、歯医者さんに行き虫歯や治療をしてもらうことを考えると、研磨剤不使用の歯磨きを使うのは有効です。
市販の歯磨き粉よりも2倍ほど金額は高くなりますが、のちのちホワイトニングをしたり、歯医者さんに行き虫歯や治療をしてもらうことを考えると、研磨剤不使用の歯磨きを使うのは有効です。
研磨剤不使用の歯磨き粉比較へ
《目的別に選ぶ》5つのおすすめ歯磨き粉成分
研磨剤不使用の歯磨き粉選びは、歯の健康のために役立ちます。ただ、研磨剤不使用となると汚れが落ちにくくなり、虫歯や口臭など口の悩みも出てきます。
そこで、5つの悩み別におすすめの成分を紹介します。歯磨き粉選びの参考にしてみてください。
目的別5つのおすすめ歯磨き粉成分
虫歯予防:フッ化物(フッ素)
虫歯・歯周病予防:グルコン酸クロルヘキシジン
知覚過敏予防:硝酸カリウム・乳酸アルミニウム
口臭予防:塩化亜鉛
ホワイトニング・虫歯予防:薬用ハイドロキシアパタイト
虫歯・歯周病予防:グルコン酸クロルヘキシジン
知覚過敏予防:硝酸カリウム・乳酸アルミニウム
口臭予防:塩化亜鉛
ホワイトニング・虫歯予防:薬用ハイドロキシアパタイト
虫歯予防:フッ化物(フッ素)
歯磨き粉の薬用成分で唯一、虫歯予防効果が認められているのが「フッ化物(フッ素)」です。フッ化物(フッ素)は子供のみならず、年齢問わず使いたい薬用成分です。商品の配合成分には、
・フッ化ナトリウム
・モノフルオロリン酸ナトリウム
と書かれています。・モノフルオロリン酸ナトリウム
フッ化物(フッ素)はエナメル質の再石化を促すほか、フッ素自体がエナメル質に取り込まれることで歯を強くする性質があります。現在、ほとんどの歯磨き粉にフッ化物(フッ素)は配合されていますね。
虫歯・歯周病予防:グルコン酸クロルヘキシジン
グルコン酸クロルヘキシジンは、殺菌・菌成分の中で唯一バイオフィルムに浸透することがわかっています。そのため、虫歯や歯周病予防成分として配合している歯磨き粉もあります。しかし、グルコン酸クロルヘキシジンは、人によってアレルギーのリスクもあるので、使用には注意が必要です。また子供への使用は控えましょう。
知覚過敏予防:硝酸カリウム・乳酸アルミニウム
知覚過敏は、エナメル質や歯茎によるバリアが失われることで起こる疾患です。硝酸カリウムや亜乳酸アルミニウムには、刺激を神経に伝えないようにブロックする効果があります。ただ効果には個人差があり、重度の知覚過敏や歯周病の場合は効果がありません。
口臭予防:塩化亜鉛
塩化亜鉛は、細菌が発生させるニオイ成分(硫黄臭)に直接働きかけることで消臭効果を発揮します。塩化亜鉛は、歯磨き粉よりもデンタルリンス(洗口液)に配合されている場合が多いです。ホワイトニング・虫歯予防:薬用ハイドロキシアパタイト
ハイドロキシアパタイトは歯の主成分で、ナノレベルの粒子にしたのが薬用ハイドロキシアパタイト(ナノハイドロキシアパタイト)です。ナノ化された薬用ハイドロキシアパタイトは、通常の歯磨き粉に配合される研磨剤の1000分の1の大きさです。薬用ハイドロキシアパタイトには、以下の3つの働きが期待できます。
・汚れを吸着
・エナメル質表面のミクロの傷を修復
・再石化を促す
薬用ハイドロキシアパタイトは、着色汚れを落とし、歯の表面の細かい傷を埋めてくれるので、歯科医院でもクリーニング剤として使用されます。・エナメル質表面のミクロの傷を修復
・再石化を促す
歯科衛生士さんの中でも「ホワイトニング効果が高い」と、薬用ハイドロキシアパタイト配合の歯磨き粉を愛用する方は多いですね。
殺菌成分はほとんど意味がない
歯磨き粉に良く配合される抗菌成分ですが、実のところその効果は薄いでしょう。それは、歯に付着する細菌(プラーク)はバイオフィルムという強力な膜で覆われていて、薬剤がほとんど浸透しないからです。したがって、殺菌成分も実は細菌まで行き届かないとされています。
歯磨き粉成分の役割
市販のほとんどの歯磨き粉には、表に挙げた配合目的とその成分が記載されています。以下の表を参考に、自宅の歯磨き粉のパッケージを一度確認してみましょう。
成分名 | 働き |
|
---|---|---|
研磨剤 | リン酸水素カルシウムなど | 汚れや色素を除去しやすくする |
発泡剤 | ラウリル硫酸ナトリウム など | 歯磨きの成分を拡散させる |
結合剤 (粘結剤) | アルギン酸ナトリウム など | 固体成分と液体成分の分離を防ぐ |
湿潤剤 | ソルビット など | 歯磨き粉をクリーム状にし、乾燥を防ぐ |
香料 | メントール など | 香りや爽快感をつける |
薬効成分 | フッ化ナトリウム など | 薬効により疾患を予防する |
意外な落とし穴!歯磨き粉よりも歯ブラシ選びが大切
研磨剤が配合されているかも大切ですが、汚れを落とす歯ブラシ選びも重要です。買い換えるタイミングになったら、2つのポイントを意識して選んでみてください。
歯ブラシの毛は「直線型」 硬さは「ふつう」を選ぶ
歯ブラシのヘッドを横から見たときに、毛の並びが直線にならんでいるものが「直線型」です。
他にも凸型や山切り型などありますが、直線型がプラークの除去効果が1番高いです。
また硬さは「ふつう」を選びます。「かため」のほうが汚れが落ちやすく、歯もツルツルするので好む人もいますが、研磨剤同様、歯へのダメージも大きいので控えましょう。
ヘッドはコンパクトで小回りが利くものを
歯ブラシのヘッドが大きいと、奥歯の細かい部分や舌側が磨きにくいです。歯ブラシのヘッドはできるだけコンパクトなものを、成人の場合は幅は6~8mm程度、長さも2㎝未満のものを選びましょう。子供の場合は各成長にあわせて種類が分かれおり、ヘッドの大きさやグリップの長さが口の大きさや顎の成長に合わせて作られています。それぞれのステージにあわせて歯ブラシを選びましょう。
歯ブラシは最低でも1か月に1度は替える
歯ブラシの毛は傷みやすく、また不衛生になりがちです。理想的には2週間に1度、最低でも1か月に1度は交換します。歯ブラシには価格が高くて耐久性や機能性に優れるものもあります。だからと言って1本の歯ブラシをずっと使い続けるのは衛生面からみてNGです。
歯ブラシは定期的に新品に交換しやすい価格帯のものを選ぶことも大切です。
プラークは歯ブラシでしか落とせない
先にも述べたように、プラーク中の細菌はバイオフィルムという膜で覆われています。これをもっと身近な例で挙げれば、お風呂やキッチンの排水溝のぬめりもバイオフィルムです。排水溝のぬめりは、普通の洗剤をかけただけでは落ちず、たわしやブラシでが必要ですよね。
歯に付着した細菌も同じです。プラークは歯ブラシでこすり落とすしかありません。歯磨き粉は汚れ落としのサポート役に過ぎず、大切なのは歯ブラシです。
歯間ブラシやデンタルフロスも併用する
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れは落とせません。虫歯や歯周病は磨き残しの多い歯と歯の間に多発します。
歯ブラシのように毎食後1日3回とまではいかなくても、1日に1回就寝前の使用をお勧めします。
歯ブラシのように毎食後1日3回とまではいかなくても、1日に1回就寝前の使用をお勧めします。
まとめ 研磨剤配合の歯磨き粉の使用は慎重に
歯磨き粉の研磨剤は歯を削るなどのダメージが大きく、歯科においてもできるだけ使用を控えるように指導します。ただコーヒーや紅茶など日常的に着色物を摂る人やタバコを吸う人などで、歯の黄ばみを抑えたい人には手放せないアイテムの1つです。
もし使用するのであれば、できるだけ低研磨のものを選ぶ、使用回数を減らすなどの工夫が必要です。
《編集:安藤美和子》
サプリメントアドバイザー、化粧品検定一級、薬事法管理者の有資格者チームの管理人。化粧品開発・プロモーションの実務経験を活かし、雑誌・WEBメディアの執筆/ディレクションを行う。
サプリメントアドバイザー、化粧品検定一級、薬事法管理者の有資格者チームの管理人。化粧品開発・プロモーションの実務経験を活かし、雑誌・WEBメディアの執筆/ディレクションを行う。