水道代を年間4万円節約!水道代節約術まとめ!トイレ・風呂の節水で平均料金を下回る方法
[公開日]2016/10/18[更新日]2017/04/07
こんにちは。アンチエイジングの神様チームのタカシマです。
飲料水メーカーで5年半に渡って勤務していた経歴を生かし、水に関する記事を執筆しております。
突然ですが、皆さん毎月の水道代って、いくら支払っていますか?ネットを見て回ってみると、様々な節水方法の情報が飛び交っていますよね。でも、正直「それってどうなの?」という情報も多いような気がします。
この記事では、水道代を本気で節約するために実験や検証を交えながら、家庭内で続けられる節水方法を紹介します。
一日の水道使用量の内訳はどうなっているのか?
私たちは毎日どんな時に水を多く使っているのでしょうか。東京都水道局のホームページを見ると、一日の水道使用量の内訳が掲載されていました。
東京都水道局 平成24年度 一般家庭水使用目的別実態調査
お風呂がダントツで一番多く、その次にトイレですね。お風呂とトイレの節水は、水道料金に大きく影響しそうです。その後、炊事と洗濯と続きます。
家計への影響が最大!お風呂での節水
湯船のお湯を有効活用すべし
浴槽に入っているお湯は私たちにとって、二つの役割を持っています。それはこの2つです。
医学的にも証明されている入浴の3つの健康効果
温熱作用によるもの・・・お風呂に入ると「あたたまって疲れが取れる」
水圧作用によるもの・・・お風呂に入ると「全身の血行が良くなる」
浮力作用によるもの・・・お風呂に入ると「気分がリラックスする」
そうすれば、湯船に溜めたお湯以上に、水を使うことはありません。
浴槽のお湯は宝の水!節水のための入浴方法
浴槽のお湯は家族全員の身体を温めリラックスさせる役割と、家族全員の身体を流す役割を負っています。つまり、この浴槽のお湯は宝の水です。家族全員で協力して大切に使う必要があります。節水のための入浴方法を具体的にご説明します。
浴槽のお湯は貴重なので、なるべく無駄にしてはいけません。こんな光景は最悪です。
お父さんは絶対に最後です。お湯が溢れますから。
これから、家族全員の身体を温め、家族全員のシャンプーや石鹸の泡を流す役割を負った宝の水・・・。
せっかく莫大なガス代を使って温めたのに、家族の身体を誰一人として温めることもなく、真っ新な状態で排水溝に一直線。こんなことが許されてはなりません。
まずはお子さんに入ってもらいましょう。湯船に貯めるお湯の量は、一番最初にお風呂に入る人がお湯が溢れないギリギリラインが良いでしょう。
これで、浴槽のお湯は最大限に役割が果たせるはずです。
子どもを速やかに入浴させる理由付けになりますし、仕事で帰りの時間帯が遅くなる大人が後に入るようにすれば良いので、家庭で実践しやすい方法だと思います。
また、冬は先にお湯に長く浸かって、よく身体を温めてから髪や身体を洗いましょう。暖をとるために無駄にお湯をかぶるのを防ぐためです。
残り湯も最大限まで活用
残り湯は洗濯や外の水やり、洗車、床掃除などに使いましょう。そして、翌日のお風呂掃除で全て使い切ってください。洗濯に使う際に衛生面で気になる方は、髪の毛や垢をネットで掬っておくだけで大分きれいになります。取りきれなかった汚れもバスポンプの先端フィルターで取れるので大丈夫です。
残り湯で済む水は、どんどん残り湯を使いましょう。
加えて、常にお風呂にお湯を残しておくのは災害時などの断水対策としても有効です。
子どもの死因第1位は、不慮の事故です。このうち不慮の溺死の比率は高く、意外なことに死亡事故は、海やプールだけでなく家庭内でも多く起きています。特に多いのは浴室での事故です。平成17年には、全国で40人近い子ども(0~9歳)が浴槽で溺れ、命を落としています。
シャワーで済ますのが、必ずしも節水になるわけではない
シャワーだけなら「身体を温めてリラックスする」というお湯の役割は忘れ、お湯を流すだけになります。ちなみに普通のシャワーですと、1分間に10リットルの水を出します。シャワー入浴は男女ともに8~10分ほどです。
そのうち半分を出しっぱなしにするという単純な計算をすると、40〜50リットルの水を一度に使うことになります。
これが4人家族となると、浴槽のお湯の量にかなり近くなります。また、冬になると寒いので、シャワーを使う量は増えるでしょう。そうなると、浴槽のお湯の量を越すようになります。
一人暮らしだったりすると、シャワーの方がかなり水の量は節約できると思いますが、ファミリーの場合はお湯を張った方がいろいろと有効活用ができます。せっかくガスで温めたお湯を使うのなら、そのお湯で泡を流すだけでなく、身体も温まった方が有効活用と言えるのではないでしょうか。
湯船にお湯を溜めるなら「節水シャワーヘッド」は不要!
「節水シャワーヘッド」なるものが販売されています。雑誌やネット上の情報などで「年間●千円の節約!」などと謳われ、注目されています。
そういう情報を見るときは、元々どういった設定で節約金額を計算されているかよくチェックしてください。
筆者が確認した雑誌では「4人家族が一人10分シャワーを使用した際のおおよその金額」と記されていました。
1年通して、4人家族全員でシャワーだけの生活をするのならまだしも、湯船にお湯を溜めた状態で10分もシャワーを出すのことなんてあるでしょうか。筆者は男で髪も短いので、お風呂でシャワーは全く使わない日も多いです。
節水シャワーヘッドは¥3000~¥10000ほどの価格です。家族全員年中シャワー生活をした場合での比較で、ようやく年間7000円程度の水道代の節約になります。もちろん、ガス代の節約にもなるので、これだけではありませんが、価格分を取り戻すのにどれだけの時間がかかるのでしょうか。
元々そんなに大量にシャワーを使うことは有り得ないので、ここまでの節約の実感は無いかと思います。
湯船にお湯が溜まった状態で、女性はどれだけシャワーを使うのか?
先ほども述べた通り、筆者はお風呂の時にシャワーを使いません。湯船のお湯で流すからです。しかし、女性の場合は髪を流さなければいけませんので、そうもいきません。女性は湯船に浸かる時はどれほどシャワーを使うのでしょうか?
気になる・・・。
さて、ここはタカシマの自宅の風呂場です。
今は妻が入浴中です。入浴中の妻のシャワーの音に耳を澄まして、シャワー時間の計測をしてみることにしました。名案!
おぉっ、スタート!!
って、あれ?
なんと、たったの1分40秒でした。
大丈夫なの?うちの奥さん。
妻に勝手にシャワーの時間を計測したことを深々と謝罪し、丁重に事情を説明した上で話を聞くと「バスタブのお湯で粗方流してるから、そんな長々とシャワー使って流す必要ないもん。むしろこれでも結構流しているつもりだけど。」と答えてくれました。
ちなみに、正しいシャンプーの仕方について、頭髪のプロの方に問い合わせて尋ねてみたところ、「肩まで伸ばした女性だと、頭皮に万遍なくお湯が行き渡るように手を動かしながら、シャワーで3~5分は流した方が良い」と教えていただきました。
シャンプーは十分に洗い流さなければなりませんが、髪の長い女性でも、時間でいうとその程度なんですね。
意外とシャワーって、使ってないんですね。節水シャワーヘッドはかなり長い目で見ると効果はありそうです。しかし、それよりも大切なのは、お湯の量を必要としない入浴方法など、お湯をなるべく有効に活用する入浴スタイルです。
入浴で月に5000リットル節約できる!
今回ご紹介した入浴方法であれば、使うお湯は浴槽の200リットル+お母さんのシャワー3分間分の30リットルくらいで済みますので、おおよそ230リットルです。入浴のポイントはシャワーの節約です。
これまでは4人家族全員でシャワーを20分は使っていたと仮定すると、入浴で400リットル使用していたことになります。400から230リットルに減らせれば、毎日170リットルの節約となり、月に換算すると約5000リットルもの大幅な節約になります。
NG節約術も・・・難易度が高い「トイレ」
トイレ節水の基本は「ライフスタイル」
トイレの回数を減らすことはできないので、トイレの節水は難易度が高いです。まずはライフスタイルを変化させることが重要です。ポイントは2つです。公衆便所や勤務先のトイレを積極的に使いましょう。なるべく家のトイレを使わないようにするのです。
外で3回トイレに行けば15リットルほどの節水になるのですから大きいです。
家族会議で早急に追及し、今後の徹底を図りましょう。
大と小の水量差は1〜2リットルあります。トイレの度に1リットル損していたら大変です。子どもには要注意です。
タンクの中にレンガやペットボトルを入れるのはダメ!
トイレのタンクの中にペットボトルなどのモノを入れて節水する方法がありますが、これはすべきではないと大手トイレメーカーのTOTOのホームページに掲載されています。
トイレの節水方法としてタンクの中にモノ(ペットボトル、ビール瓶、レンガなど)を沈めておくことが雑誌等でたびたび取り上げられますが、これはやってはいけません。
(中略)
もし「水量が少なくてもちゃんと流れている」と思ったままずっと水量を減らしていると、便器の内部や排水管の中で汚物が溜まったりする可能性があります。
例えば、ある日便器の流れが悪くて何度か流してみると、そのうち汚水の洪水が起きる恐れがあります。詰まりを取り除くにも、便器の排水経路の構造は意外に複雑なため、業者を呼んで便器を外す場合もあります。
トイレの節水では「節水パッド」が話題だが・・・
みなさん、この器具をご存知ですか?
これはトイレの流す量を水圧はそのままにコントロールができるという、節水パッドという商品です。この商品は「トイレ節水できるくん」という商品名が付いています。
我が家のトイレにこれをつけて試してみることにしました。
裏面の説明書を見る限り、なんだか簡単そうです。
まずはタンクの蓋を外します。
タンク内の排水弁と繋がっている鎖に「節水パッド」を引っ掛けます。
排水弁の上に節水パッドが乗っかれば設置完了です。
節水パッドが排水弁の重りの状態になり、排水弁の開閉をコントロールできるようになるので、トイレの流水量が節約できます。
タンクのレバーが上がっている間は水が流れ、手を離すと水が止まるような仕組みになっています。
流してみたところ、すぐにレバーが降りて水が止まりました。
確かにこれなら節水になりそうです。しかし、数十分後に事件が発生しました。
使ってるうちにタンクへの給水が止まらなくなりました・・・。
排水弁が何かの拍子で開きっぱなしになっており、ずーっと便器に水が流れていたみたいです。
節水パッドを取り外すと、水は止まりました。こんなことが起こっては、節水も全てパアですよね・・・。
TOTOに問い合わせ!「節水パッドってどうなの?」
結局、節水パッドに価値があるのか否かが、自分でよくわからなくなったので、トイレの専門の方にご意見を伺うことにしました。そもそも、トイレを製造しているメーカーはこの節水器具のことをどう考えているのでしょうか?
TOTOの方に問い合わせてみたところ、「開発時に設定している洗浄水量を乱されると、洗浄不良が起こることがあるので、節水器具の使用はしないようにお話しさせていただいています。故障、修理で逆にお金がかかることにもなります。」とのことでした。ペットボトルやレンガを入れないように、というのと同じ理由ですね。
また、そもそも「タンクの内部に手を入れて部品を扱うと、内部の部品の不具合が起きるリスクが高まるので、なるべく手を触れないように」とのことでした。はい、仰る通りです。不具合起こしました・・・。
しかし、うまく使えば安価な投資で大きな節水ができる魅力のある商品です。興味のある方は自己責任でお試しください。
トイレでどれくらい節水できる?
結局トイレをいかに外でするかという話です。家族全員の一日のトイレを大を1回、小を10回とします。思い切って、そのうち小の5回を勤務先や学校、最寄りの駅でしてもらうようにしましょう!
そうすれば、一人当たり25リットルの節約となり、4人家族なら1日100リットルの節約になります。月に換算すると約3000リットルもの大幅な節約になります。
炊事・洗濯までカバーできれば、大幅節水生活へ
節水で大きなウェイトを占めるのは、お風呂とトイレですが、炊事と洗濯も合わせれば3割以上を占めます。炊事と洗濯の節水についてもお伝えします。
これで大幅節水!水を使わない食器洗いの方法
炊事の場合、食器洗いで最も多く水を使います。食器洗いでの水を節約することが重要になります。
食器洗いのポイントは4つあります。このチェックポイントを守れば、10リットル未満で食器洗いが可能になります。
汚れを乾かさないようにすることが大切です。
他のものが汚れないように、油汚れの少ないものから洗ってください。
油汚れがなかったり、口が付いていないものは洗剤を使わなくても良いです。
すすいだ水が食器に当たって、泡が落ちます。また、洗い桶に水が溜まることで泡が落ちます。
洗い桶があふれる前にすすぎを終えましょう。
洗い桶は6~8リットル程度です。最初の洗い桶の水を茹で汁などでカバーできれば10リットル未満で食器を洗い切ることが可能です。
100円均一のシャワーヘッドで節水になるか?
100円均一で販売されているシャワーヘッドを取り付けると、節水になるのか試してみました。
水の出る量だけで計ると、7.7%の節水に成功しました。大きな変化はないみたいですね・・・。
シャワー蛇口は水の当たる場所が増えるので、食器のすすぎが早く終わる利点が大きいです。さらに高性能な蛇口もありますので、検討してみても良いかもしれませんね。
料理にはスーパーの無料給水サービスを使えばおいしくて節約になる
炊事の節水で料理に使う水は分量が少ないので、あまり気にしなくて良いです。ただ、敢えて言うならスーパーのお客様サービスで汲める水を使うのがオススメです。
水を買うタイプでは、水道水よりも高くなってしまうので無意味です。ボトルを買えば「無料」というものに限ります。
スーパーの給水器の水は大きな浄水装置です。この水を使えば、料理や飲み物がおいしくなります。
また、自宅で浄水器や水を買う必要もなくなり、大きな節約になるでしょう。冷やすと、市販のミネラルウォーターと遜色ないくらいおいしく飲めて、侮れません。
残り湯の利用は洗濯の節水の基本
バスポンプは洗濯機に付属していない場合は買っても良いくらいの節約アイテムです。ただ、このバスポンプがなかなか曲者で当たり外れが多いのです。適当に買って、使いづらくて買い直す羽目になってしまっては無意味です。
インターネットで口コミ情報を見たり、しっかりリサーチして買いましょう!
なるべくまとめて洗濯するようにする
これも結局基本的な話になるのですが、なるべくまとめて洗濯して、水の量を抑えることが何よりも大切です。どれだけ小手先で工夫しても、洗濯の回数を減らす、洗濯物を減らすことができていなければ、効果は小さいです。
また、タオルを何枚も使ったり、不必要に何度も着替えをしたりを避けるだけでも、節水になります。
炊事・洗濯でどれくらい節約できる?
炊事のポイントは食器洗いです。今回紹介した方法なら、一日3度の食器洗いで45リットル程度でいけるでしょう。料理は無料のスーパーの水を使うので、水道で使うのは、野菜の洗い水や茹で水など10リットルくらいでしょうか。計55リットルですね。
節約しない場合は、5分間水を出しっ放しにして3回洗うと考えると、180リットルほど使うことになります。食事の準備で15リットルほど使うと思います。計195リットルです。
そうなると、一日に140リットルもの節約が可能となり、1ヶ月で4200リットルもの大幅な節約が達成できます。
洗濯は毎日一度の洗濯の洗い水は浴槽のお湯を使うと考えれば毎日約40リットルの節約が可能で、月換算で1200リットルの節約が可能となりますね。
全てを実践すると、どれくらい節約できる?
さて、これらの節約ポイントを全て行えば、どれほどの金額が浮くのでしょうか?
水道代の計算方法は複雑で各地域ごとにも基本料金などが違います。これから紹介する数字は大まかな目安とお考えください。設定は4人家族です。
これまでの節約の数字を全て足せば、入浴で月に5000リットル、トイレで月に3000リットル、炊事洗濯で月に5400リットルの節約となり,
1か月で13400リットル(13.4㎡)の節水が可能です。
概算で200リットルあたり¥50と考えると、月に¥3350削減でき、年間の水道代は約4万円削減できます。これは大きいですね。
地球上で飲み水に使える水は0.1%と言われます。貴重な水資源を大切に使うことは、エコノミーなだけでなく、エコロジーなことでもあります。家計のため、地球の未来のために、家族みんなで節水を心がけてみてください。