ウォーターサーバーの水はどっちが良い?水質分析官がRO水と天然水の違いを解説
[公開日]2016/08/30[更新日]2017/05/16
「ウォーターサーバーを選びたいけど、違いがわかりにくい・・・」と迷っていませんか。
ウォーターサーバーには「RO水」を提供するものと「天然水」を提供するものがあります。どのサイトにも、この2つの水にものすごく差があるように書かれがちです。確かに天然水とRO水には、製造過程において明確な違いがあります。
しかし、実は天然水とRO水に大きな「差」はありません。
RO水と天然水の違いを正しくお伝えした上で、どちらが良いのか、またどのサーバーが良いのかという点について、水質分析官の目から解説させていただきます。
目次
《ガイド:高島麻呂》
飲料水メーカーにて水質分析官として勤務後、アンチエイジングの神様にて健康ジャンルの企画編集を担当。
飲料水メーカーにて水質分析官として勤務後、アンチエイジングの神様にて健康ジャンルの企画編集を担当。
天然水とRO水の決定的な違いは天然か人工か
そもそも、RO水って何?
RO水とは原水を「逆浸透膜」という膜に通し、水の中の不純物をほぼ完全に取り除いた水のことです。「逆浸透」=「Reverse Osmosis」なので、略してRO水と呼ばれます。
ミネラルなども含まないので、ほとんど純水に近いです。
味は「無味無臭」で、雑味やクセが全くありません。
他の比較サイトでは「おいしくない」「飲めたものではない」というような意見も目にしますが、全くそんなことはなくおいしく飲める水です。
全く同じ水質の水が、赤ちゃんの粉ミルク用の水としてドラッグストアの粉ミルク売り場のところに販売されていたりします。味に興味がある方は500mlで100円程度ですので、買って飲んでみてください。
常温でも気にせず飲める、すっきりした飲みやすい水ですよ。
海水でも真水にできるほどの技術が「RO」
逆浸透の技術が最も使われているのは「海水淡水化事業」です。水不足で悩まされることの多い、沖縄県や福岡県には大規模な海水淡水化施設があり、水不足に陥っても海水を原水に水道水を供給できるようにしています。
その他に有名な活用例としては、宇宙ステーションで宇宙飛行士の尿を原水に飲料水を製造する設備に使われていたり、非常時用浄水器として川の水などからの飲料水確保のために使われていたりしています。
ROはどんな水からでも、水の中の不純物をほぼ完全に取り除いてしまうので、飲み水が作れます。こうした飲料水の水源に困る環境において大活躍するのがROの技術です。
ROって、何なのかよく分からなかったけど、既に大活躍していて世界中で認められている技術なのね。こんなにすごいとは思わなかった!
ウォーターサーバーのRO水にはミネラルが添加されることが多い
他サイトの解説を拝見すると「ミネラルを添加しないと飲めないから」などという説明も見ますが、誤りです。
これは各メーカーが企業努力として、よりいっそう水の味を良くし、品質を向上させるために行っていることです。
各社、ベストなミネラルの配合バランスを追求し、こだわりのミネラルウォーターを提供しています。もちろん、ミネラルを添加しなくてもおいしく飲める水なので、そのままの状態で提供している業者もあります。
他サイトの解説を拝見すると「ミネラルを添加しないと飲めないから」などという説明も見ますが、誤りです。
これは各メーカーが企業努力として、よりいっそう水の味を良くし、品質を向上させるために行っていることです。
各社、ベストなミネラルの配合バランスを追求し、こだわりのミネラルウォーターを提供しています。もちろん、ミネラルを添加しなくてもおいしく飲める水なので、そのままの状態で提供している業者もあります。
RO水のウォーターサーバーのメリット
水の価格が安い
天然水は¥75~100/500ml程度の価格で提供されていますが、RO水は¥50~55/500mlという価格帯で提供されており、価格の差は歴然です。うわあ〜!ずいぶん差があるね。どうしてRO水はこんなに安いのかな?
そこには「RO水」が持つ特徴の一つ「原水を選ばない」ということが大きく関わってくるんですよ。
ROなら工場のある地元の水道水や地下水からでも同じ高品質の水を作ることができるので、コストが抑えられるのです。
確かに「原水が水道水」や「単なる地下水」と言われると抵抗感があるかもしれません。しかし、水の中の不純物はほぼ完全に取り除かれています。
逆浸透膜を通過した段階で元々の水とは全くの別物の水であり、真っ新な真水です。
この水に他の天然水と同じような微量のミネラルを添加し、よりおいしい水に生まれ変わったのが各社が提供しているウォーターサーバーの水です。
水の安定供給が可能
ROなら水道水から常に同じ水質の水を安定供給できるので安心です。採水地での天災などの影響を受ける、天然水よりも水質がブレる心配もありません。
天然水のようにミネラルが水の中に残っているということは、ミネラルと同じ、もしくはそれ以下の大きさの不純物はミネラル以外のものでも除去されずに残っているということでもあります。ミネラル添加のRO水には水以外には美味しさに寄与する「ミネラル」しか入っていません。
最初から最後まで人間に管理された、安全安心な水がRO水ってことだね!
RO水のウォーターサーバーのデメリット
人工的に添加したミネラルしか入っていない
RO水には「大自然の中でこんこんと湧き出てくる」というようなイメージとともに、水を味わうことはできません。「天然水ではないこと」自体がデメリットでしょう。
添加するミネラル自体は天然由来のものであり、各社の品質は全く問題ありません。
天然水のイメージに劣る
お客様に対して、天然水のサーバーだと言えた方がイメージは良いですよね。家庭ではなく、お客様と接するサロンなどでは「天然水」を提供した方が好印象かもしれません。
天然水の「硬水」と「軟水」の違いって?
天然水に「硬い」とか「軟らかい」といった表現を使うことがありますよね。これは硬度の高さを表す言葉です。
硬度とはカルシウムとマグネシウムの量を合わせて数値化した値です。
コンビニで売っている水を見ると、軟水が多いよね。
日本が採水地の水は圧倒的に軟水が多いですし、日本人には硬水よりも軟水が馴染み深いので、軟水が流通します。ウォーターサーバーの天然水もほぼ全て軟水です。
日本は火山列島であるため地形は急峻であり、主な地層は透水性の高い火成岩です。
そのため、地中の水の流れが早く、大地のミネラルが溶け出す前に湧き出すので、硬度の低い軟水が湧き出します。そうした地形ではない場所では地中の水の流れが遅く、地中のカルシウムやマグネシウムが多く溶け出すので、硬度が高くなります。
水の硬度は、湧き出る場所の地形や地中の状況によって大きく変わるのです。
ミネラルがたっぷり入った水はおいしくない!?
よく「ミネラルたっぷりのおいしい水」と耳にしませんか?
確かにこのように言われると、なんだか美味しそうなイメージが湧きます。しかし、実際はミネラルがたっぷり入った硬水は雑味が多くて飲みにくく、料理にも適しません。特に、軟水に慣れた日本人の舌には合いません。
天然水を比較するときに、成分に注目しがちですが「ミネラル成分が多い分、飲みにくさがある」という認識を持っておきましょう。
よく「ミネラルたっぷりのおいしい水」と耳にしませんか?
確かにこのように言われると、なんだか美味しそうなイメージが湧きます。しかし、実際はミネラルがたっぷり入った硬水は雑味が多くて飲みにくく、料理にも適しません。特に、軟水に慣れた日本人の舌には合いません。
天然水を比較するときに、成分に注目しがちですが「ミネラル成分が多い分、飲みにくさがある」という認識を持っておきましょう。
公式サイトを見ると「天然ミネラルがたっぷり!」とよく見かけるけど、あれは実は全部飲みにくいの?
単に宣伝文句として使っているだけだから、あまり気にしなくて良いですね。「ミネラルたっぷり」と書いていても、成分表の硬度が低ければ気にしなくて大丈夫です。
天然水のメリット
安全・安心な状態で天然水が楽しめる
「名水百選」に選ばれるような湧水池に来ると、県外ナンバーの車を見かけたりします。日本有数の水源の名水を汲みに行くのも一苦労です。また、自分で自然の水を汲むので、衛生面もあまり良い環境とは言えません。しかし、天然水のウォーターサーバーなら採水した水が殺菌処理を経て、きれいにボトリングされた状態で届くので、自宅に居ながらにして天然水を衛生的に楽しめます。
自然の水のイメージを感じながら味わえる
「○○の水」のように銘打たれ、成分表示を見ると「採水地」が書かれているのを見て、現地に思いを馳せながら飲むことができるのは天然水の醍醐味ではないでしょうか。「気分」もおいしさを構成する重要な要素です。
自宅で自然の恵みを感じながら、水を飲む。こんなに贅沢で、心が豊かになることはなかなかないのではないでしょうか。
天然水のデメリット
水の値段が高くなりがち
水は毎日飲むものなので、500mlあたりの価格差だと小さく見えていても、家族で年間を通じて使うと、その差は無視できないものになってきます。家族で一か月に48L(一般的なウォーターサーバーで使われるボトル4本分)使うと想定すると、年間でこれだけの差が出ます。
え!?RO水か天然水かの差というだけで年間約2万円も差が出ちゃうの!?こんなに差があるなんて、意識してなかったなぁ・・・。
RO水と天然水のウオーターサーバーはどちらを選べば良いの?
これまで、RO水と天然水の違いについてお伝えしてきました。この2つの水には確かに明確な違いがありますが、大きな差はありません。
そんな中で、どう選べば良いのか解説します。
味の差が分かる方やミネラルにこだわる方は天然水
天然水とRO水を目隠しで飲み比べて「天然水がおいしい」と答えられる方や、ミネラル成分などにこだわる方は天然水が良いでしょう。選び方のコツですが、カルシウムやマグネシウム、ナトリウム、カリウムなどの基本的なミネラルの含有量はあまり気にしなくて良いです。
これらのミネラルは水道水にも入っていますし、天然塩を水に少し加えれば簡単に摂取できます。
せっかく天然水を選ぶのなら、富士山麓などの水に多い「バナジウム」や阿蘇の水などに多い「シリカ」などの普通の水に入っていないミネラルが入った水を選ぶのが良いでしょう。
特にこだわりが無ければRO水でOK
天然水に対する特別な想い、こだわりが無い方は「RO水」をオススメします。確かに、天然水でない水を買うことに抵抗があるかもしれません。しかし、これまで説明した通り、天然水とRO水そのものに私たちが飲んで実感できるような大きな差はありません。
自然の力で綺麗になって、ミネラルが加わったのが天然水。人間の力で綺麗にし、ミネラルを加えたのが天然水というだけです。
どちらかに悩む方はまずRO水を使ってみると良いと思います。使っていて「値段が上がっても天然水が良い」と思うかどうか試してみた方が、無駄な出費を防げるのではないでしょうか。
せっかくお金を払って届けてもらうんだし、僕はやっぱり天然水が良いな!
私は飲んでみて違いもよく分からなかったし、気兼ねなく使いたいから、RO水で良さそうだわ。
皆さんもこれまで紹介してきたポイントを確認した上で、ご自身に合った水を選んでみてくださいね。
水質分析官が選ぶRO水のウォーターサーバーランキング
RO水のウォーターサーバーを選ぶポイントは、毎月のコストとサーバーの性能です。ここでは、その両面を加味した上で、比較してみました。
メーカー | |||
---|---|---|---|
総合評価 | 1位 コストが安くて ワンウェイボトル | 2位 ゴミが出ない リターナブル | 3位 サポートが良いが ネックはコスト |
1ヶ月の コスト | ¥5,436~ (48L使用) | ¥5,523~ (48L使用) | ¥6,500~ (48L使用) |
水の価格 | 約52円/500ml | 約52円/500ml | 約50円/500ml |
電気代 | ¥465~ | ¥523~ | ¥700~ |
レンタル料 | 無料 | 無料 ※3ヶ月でご利用本数が6本未満の場合有料 | ¥1,000~ |
別途にかかる費用 | 無料 | メンテ料 ¥5,000/年 | 無料 |
コスモウォーターは低コストでワンウェイボトル
RO水の中で特にオススメなのは、コスモウォーターのRO水「プラスプレミアム」です。水代が安いのに加え、サーバーのレンタル、メンテナンスに追加費用はかかりません。
また、サーバーも「足元交換ボトル」や省エネ対応、クリーンサイクルシステムのついた「らく楽スタイルサーバーsmart」やオリジナルのお掃除ロボットがセットになった「スタイルセレクトサーバー」などバリエーション豊かです。
ワンウェイボトルなので、空のボトルが場所をとったりすることもなく、省スペースにもなります。
持ちあげずに済む足元交換で女性でも楽ちんウォーターサーバーコスモウォーター / コスモライフウォーターサーバ:
初期費用・レンタル料・配送料無料
電気代465円(エコモード1日2回使用)
4色から選べる(白・ピンク・黒・ウッド)
月額目安価格 種類 内容 3,800円(税抜)
12L×2本レンタル ウォーターサーバー
本州在住なら「アルピナウォーター」がさらに安い
本州外にお住いの方は1箱単位で送料がかかってしまうので高くなってしまいますが、本州の方は配送料無料です。12Lボトルなら¥40/500mlで使えるので、コスモウォーター以上の圧倒的な安さです。
ただし「アルピナウォーター」では他業者ではスタンダードになっている「ミネラル添加」が行われておりません。しかし、これはそう大きな問題ではありません。十分美味しくお飲みいただけます。(むしろ「すっきりしていて、こちらの方が美味しい」という方もいます)
ミネラルがどうしても必要なら、グラスに天然塩をほんのひとつまみ入れてください。各メーカーが添加している以上のミネラルをご自身で添加できます。
ちなみに、普段の料理やお茶、赤ちゃんの粉ミルク等を作る際にミネラルは全く不要です。
北アルプスの天然水をNASAも採用するRO膜でろ過した純水アルピナウォーター / トーエルウォーターサーバ:
選べる12Lボトル948円/8Lボトル686円
2年に一度、無料でサーバーまるごと交換
硬度1mg/Lの純水なので赤ちゃんやペットOK
月額目安 種類 内容 5,364円~(税抜) レンタル
ウォーターサーバー
さらに詳しい比較はこちら
水質分析官が選ぶ天然水のウォーターサーバーランキング
天然水サーバーもRO水と同じく、各社の差が大きい価格とサーバーの性能面が選ぶポイントです。各社のサーバーを調査し、比較しました。
メーカー | ||||
---|---|---|---|---|
総合評価 | 1位 低コストで 富士山の水 | 2位 3種の天然水 3種のサーバー | 3位 高性能 大手で安心 | 4位 富士山の水 高性能 |
水の価格 | ¥69/500ml | ¥73~79/500ml | ¥74/500ml | ¥73/500ml |
電気代 | ¥700~ | ¥400~ | ¥700~ | ¥1000~ |
1ヶ月の コスト (電気代込) | ¥7,300~ (48L使用) ¥76~/500ml | 7,440円~ (48L使用) ¥77~/500ml | 7,600円~ (46.8L使用) ¥82~/500ml | ¥8,037~ (48L使用) ¥83~/500ml |
¥69/500mlで富士山の天然水!「クリクラミオ」
クリクラミオは富士山麓のバナジウムを含む天然水が格安で楽しめるサーバーです。サーバー機能はシンプルですが、その分コンパクトで、場所を取りません。
サーバーには「HEPAフィルター」という、外気の雑菌をシャットアウトするフィルターが付いており、サーバー内の衛生状況を守ってくれます。
一人暮らしのウォーターサーバーにぴったりクリクラミオ / ナックウォーターサーバ:
1本(1100円)から注文できる
8Lサイズだから女性でも水交換簡単
省エネサーバーで電気代30%カット
月額目安価格 種類 内容 1,600円〜(税抜)
水8L(1,100円)+送料500円レンタル ウォーターサーバー
天然水の成分で選ぶならフレシャスの「FRECIOUS朝霧高原」がオススメ
なんとバナジウムが180μg/l入っており、調べた中では一番の量でした。バナジウムは富士山麓の天然水など限られた地域の天然水にしか含有されていないミネラルで、血糖値を下げる働きが期待されています。
ウォーターパック方式の天然水サーバーFRECIOUS dewo フレシャスデュオ / 富士山の銘水ウォーターサーバ:
おいしい天然水を保持する無菌エアパック
ボトルでなくパック利用で女性もラクラクの最軽量
グッドデザイン賞受賞で部屋のインテリアにもなる
価格 種類 内容 4,220円(税抜)
月額目安レンタル ウォーターサーバー
さらに詳しい比較はこちら
水の違いの基本をよく知った上で情報に触れることが大切
ウォーターサーバーを選ぶ上で最も大切な事は、基本的な知識を持った上で情報を集めることです。
その知識の上で、公式サイトの宣伝文句が本当に我が家のプラスになるのか、よく考えてみてください。
この記事を読んでくださったあなたが、納得のいくウォーターサーバー選びができ、暮らしがより豊かになることを心より祈っております。