真皮のコラーゲンは化粧品や食品で補充できない!?
[公開日]2012/12/09[更新日]2015/04/02
「真皮コラーゲン」と「コラーゲン化粧品」
前回の記事"本当にケアすべきは保湿で治せない真皮のシワ"で、シワは真皮のコラーゲンの減少が主因と書きました。では、真皮のコラーゲンはどのように補充すれば良いのでしょうか。
まず思いつくのがコラーゲン入りの化粧品ではないでしょうか。化粧品に含まれるコラーゲンは、保湿成分と考えてください。非常に肌なじみがよく、保湿成分としてはすぐれているのですが、真皮のコラーゲンの減少分を補完してくれるものではありません。そもそもコラーゲンは分子が大きいので、真皮までは浸透しないのです。
分子量を小さくしたものなども開発されていますが、たとえ浸透したとしても、自分のコラーゲンでないと定着しません。コラーゲン注射などで真皮にコラーゲンを注入しても、自分のものでないため、数ヶ月で吸収されてなくなってしまいます。ましてや化粧品のコラーゲンを定着させることなど、なおさら無理なことです。
人のからだでは自分のものでないタンパク質を「異種タンパク」として拒絶するようになっています。他人の臓器を移植すると、拒絶反応が起こるのもこのためです。
化粧品に使われているコラーゲンは、魚の骨や皮などからとったものですが、同じ人間どうしでも移植はむずかしいのですから、ましてやこれが人体に定着して皮膚のコラーゲンとして機能するということがむずかしいことは想像に難くないでしょう。
「真皮コラーゲン」と「コラーゲン食品」
次に思いつくのがコラーゲンを含んだ食品で、真皮コラーゲンを補充することではないでしょうか。鶏の手羽先やゼラチン、フカヒレなど「肌のためにコラーゲンを摂ろう」という考え方です。しかし、残念ながら口から入れたコラーゲンは、そのまま肌のコラーゲンにはなりません。
コラーゲン鍋を食べて、翌日は肌がツヤツヤしているという話をたまに聞きますが、嘘とは言いませんがコラーゲンの補充を正しく理解していれば違和感のある話だと気づくでしょう。人が肉などのタンパク質を食べると、胃腸の中でアミノ酸に分解されて吸収されます。
(タンパク質はアミノ酸の集まりです)。
コラーゲンもタンパク質ですから同じです。アミノ酸はからだの中で、必要に応じてなんらかのタンパク質につくり直されます。その際に、肌のコラーゲンとして使われる場合もあれば、からだの他の部分でほかのタンパク質として使われる場合もあります。
たとえば髪の毛のケラチンタンパクとして使われる場合もあります。この、どこにどのように使うかを決めている司令塔のような働きをしているのが、ホルモンになります。年齢とともにコラーゲンが減るのは、原料となるアミノ酸が減るからではなく、若狭の維持に必要な成長ホルモンや卵胞ホルモン(エストロゲン)が減るからです。
なので、"美肌をつくる究極のサプリとは"で書いたようにアンチエイジングで根本的に大切になるのは「成長ホルモン」が活発に働く時間を大切にすることと言えます。