実験!新米はどれくらいの水加減で炊くとおいしい?
[公開日]2016/10/15
こんにちは。アンチエイジングの神様チームのタカシマです。
飲料水メーカーで5年半に渡り、水質分析官として勤務してきた経験を生かし、水に関する記事を執筆しております。
新米の季節になりましたね!
新米を炊く場合は水加減を変えなければならない、という話を聞いたことがありませんか?この記事では、実際に新米の水加減の様々な説を実験検証してみましたので、結果をお伝えします!
そのまま普通に炊いたらどうなる?
まずは新米を買いに行こう
タカシマ家は普段「そのスーパーの中で最も安い無洗米」という視点でしかお米を選んでいないので、いつも熊本県産のブレンド古米「洗わんでよかばい」を使ってました。まあ、それでも結構おいしいんですけど。しかし、今日は新米!新米とは今年収穫されたお米を今年精米したものを指します。9月〜10月にかけて流通が始まります。
福岡県産米の「夢つくし」を購入しました。精米日は何と2日前。これはうまいぞ!!
新米を炊いてみよう
奥さんに「何も考えず普通に炊いて」とお願いして、単にいつも通りに炊いてもらいました。食べてみると、お米の甘みを感じますが、いつもよりかなりベチャッとしています。
そもそも福岡県産米「夢つくし」って、どんなお米なんでしょうか?お米屋さんの説明を見てみましょう。
甘み・つや・粘りのバランスが良いコシヒカリと、光沢と丈夫で栽培しやすいという特徴のキヌヒカリの良い所が合わさって生まれた夢つくし。炊きあがりはふんわりと、粘りと光沢があり、美味しいと評判の福岡を代表するお米です。
確かに粘りと光沢はすごくあるけど、ふんわり・・・というか、やっぱりベッチャリ感が気になります。
正しい炊き方のおさらい
土鍋やガス釜を使わなくても、美味しく炊く炊飯方法の重要ポイントをご紹介します。今回は炊き加減を比べるので、特に慎重に計りました。
いつもざっくり計っていて、ベッチャリしたり固くなったりしても、気にせずにムシャムシャ食べてました。
水を入れては2~3回かき混ぜて、すぐに水を捨てるという行為を3~4回繰り返してください。
とにかく手早くやることが大切です。あまりじっとり浸すと、ご飯がヌカ臭くなってしまいます。
普段は炊飯器の目盛りに合わせれば全く問題はありません。
しかし、新米の場合はそうやって炊くとベチャベチャになるんです。
水温の関係で、吸わせる時間は季節によって異なります。夏なら30分、冬なら2時間くらい吸わせると良いです。
でも、正直に申し上げますと・・・筆者は「こんなに待ってられるか!」って思ってしまうんですよね・・・。皆さんはいかがですか?笑
今回はあくまで「差が見たい」実験なので、この「炊く前の吸水」は実施しませんでした。
でも、やった方が美味しいのは確実なので、お時間があるときはやってみてくださいね。
炊飯器によっては「蒸らし機能」が付いていて、わざわざその時間を取る必要がない機種もありますので、そこは取扱説明書などをご確認ください。ちなみに、タカシマ家の炊飯器はなかなかの安物ですので、蒸らし機能は付いておりません。
蒸らしをしないと、均等に水分が回らずに水っぽいご飯になってしまいます。また、蒸らしの最中は蓋を開けないようにしましょう。
今回の実験でも蒸らしは実施しています。
ふっくらとした食感が失われないように、蒸らしたらすぐにほぐしましょう。
底から掘り起こしながら、ご飯粒をつぶさないように、ふっくらと混ぜ合わせます。
余分な水分を逃がし、ふっくらとした状態を保てるようになります。
新米の水加減の実験検証
10%減らす説
新米は炊くときは「10%減らすと良い」という話をよく聞きます。1合に使う水を10%減らして炊いてみます。
水の量は線のちょうど下になりました。
炊きあがり、蒸らして茶碗によそってみます。
写真ではわかりにくですが、先ほどよりも粒が少ししっかりした感じがします。
食べてみると、確かにもっちりした食感が生まれ、先ほどよりも一粒ひと粒を感じることができました。
しかし、正直に申し上げて、筆者としては「まだ柔らかすぎるな・・・」と思いました。
実は最近のお米って「あまり水を減らす必要がない」とも聞いたことがあります・・・。
でも、勇気を出して言います。このご飯は、まだまだ柔らかい!!
10%の水を減らして炊いた新米「夢つくし」は、明らかに普通に炊いた新米よりも美味しく、ベッチャリした感じは軽減していました。
柔らかめで粘り気のある甘いご飯が好きな方には良いと思います。
10代は"粒がしっかりしている"、10~30代は"歯ごたえがある"の割合が高いなど、若い年代ほど硬めでしっかりしたごはんを好む傾向があることがわかりました。
別にカチカチのご飯が好きなわけではありませんが、口に入れた時に一粒ひと粒を感じられる程度の食感を持つご飯が大好きです。
表面はちょっぴり硬くて、中はふんわりもっちり・・・そんなイメージです。口に入れてすぐに甘みを感じるご飯ではなく、噛めば噛むほど甘みが増していくような、そんなご飯。
新米でそんなご飯を食べることはできないのでしょうか?
思い切って20%減らしちゃえ
事前調査して分かっていました。「あまり水を極端に減らさないで」と様々な記事で書かれていたのです。でも、柔らかいものは柔らかいのです。
美味しい新米が食べたい・・・。
よし、思い切って20%減らしちゃえ。
水を20%減らすと、釜の水位は線よりもかなり低くなりました。
まさに他の記事でいう「極端に減らした」格好です。
これで炊き上げてみると、こうなりました。
おお!この米粒の表面がねっとりしていないこの感じ・・・。筆者が求めていたものはこれです!
食べてみるとまさに表面は膜が張っているようなイメージで少々ハリがあり、中はもっちりという食感。これはうまい。
結論!好みに合わせて実験することが大切
実験を重ね、水の量について、結論が出ました。ただ、この結果については炊飯器の種類、水の種類によって差があることが大いに考えられます。
またコシヒカリ、つや姫、ゆめぴりかなど、様々な人気品種のブランド米がありますが、それらお米の種類によっても結果は変わってくると思います。
ぜひ、何度か試して自分なりのコツを探っていただきたいですが、これを一つの目安にしていただければと思います。
余ったご飯の保存方法としては「冷凍」がオススメです。電子レンジでチンするだけで炊きたてのおいしさが蘇ります。
また、ふっくらしたおいしいご飯を炊くには軟水のウォーターサーバーの水を使うのもオススメです。
水道水のご飯も良いですが、軟水のミネラルウォーターで炊くご飯はおいしいですよ。炊いてみると分かります。
トレイがワイドな「フレシャスdewo」に注目!ウォーターサーバー機種比較
新米を炊くとどうして柔らかくなってしまうのか
実は新米の柔らかさと水分量は関係ありません!
新米は水分量が多いから柔らかくなるって、思い込んでいませんか?
お米の安定供給の確保を支援する、米穀安定供給確保支援機構のホームページには、このように記載されています。
新米を炊飯する際に水加減を少なくする理由としては、新米は細胞組織をアルファ化(糊化)しやすいので、加熱時間が短くて良い、ということがあります。水が少なければ早く沸騰し、水は蒸発しますから結果的に加熱時間が短くなるわけです。また、新米の場合は一気に加熱しないと、お米の粒の表面が先に糊化してしまい、中心に熱が伝わることを妨げてしまうということもあります。水が少なければ早く沸騰しますから一気に加熱できるわけです。(中略)なお、「新米は水分が多いので、水加減を少なくする」と言われることがありますが、そのようなことではありません。
「炊飯する」とは「ベータ澱粉をアルファ澱粉にする」こと
生米に含まれる澱粉は「ベータ澱粉」という消化しにくい澱粉です。生米のまま食べると消化に悪いです。しかし、炊飯することで「ベータ澱粉」は消化しやすい「アルファ澱粉」に変わります。「ベータ澱粉」が「アルファ澱粉」に変わったご飯は消化しやすくなっています。「消化しやすくなるから」というのは生米を炊飯して食べる大きな理由のひとつです。
さて、これが新米の場合だと違いが出てきます。
新米は古米よりもベータ澱粉がアルファ澱粉に変わりやすいため、すぐに柔らかくなるのです。
だから新米を炊飯するときは加熱時間が短くて良いのです。
水を少なくすれば、早く水が沸騰して加熱時間が短くなり、ちょうど良い塩梅にご飯が炊きあがるということなのです。
雑誌やネットなどで「新米の水分量は最近統一されているので、あまり新米を炊くときに水の量を減らさなくていい」という書き方がされているのを見かけます。
この記事の実験でも示しています通り、それは鵜呑みにすべき情報ではありません。
新米は水分含有量にかかわらず、お米が柔らかくなってしまいやすい性質を元々持っているのです。
新米と古米の水分量がさほど変わらないとしても、水の量が同じで長々と加熱してしまっては、ご飯は柔らかくなってしまいます。
炊飯器によっては「新米モード」も
三菱電気の炊飯器には「季節モード」というものが搭載されており、その「秋冬モード」を選べば、新米に対応したモードでお米を炊くことができます。
季節によって変化するお米の水分を考慮して炊き分け。新米はベタつきを抑え、乾燥したお米はしっとり、ふっくら炊き上げます。
秋冬モード・・・収穫直後で水分多めのお米は、春夏モードに比べて加熱を短めに。
春夏モード・・・収穫から時間がたち、乾燥ぎみのお米は加熱を念入りに。
吸水させてからの「早炊き」もおすすめ
今回の実験では吸水を行いませんでしたが、吸水をした上で早炊き機能を使って炊くこともお勧めです。
吸水は、米をといたあと、水にひたして15分、ざるに上げてさらに15分おくのが野崎さん流。「米をあまり長く水につけるとやわらかくなり過ぎるので、途中でざるに上げ、米の表面の水を吸水させるのがちょうどよい」のだそう。
また、通常の炊飯モードには吸水時間も含まれているので、炊くときは早炊きモードが正解。「こうすると粒がベタつかず、軽くほぐれるかたさで、かみしめると甘さが広がるご飯が炊き上がります。特に新米は粘りが出やすいので、おすすめですよ」。
出典:レタスクラブニュース
この方法なら、長くて面倒な吸水時間もたったの30分!しかも早炊きなので、炊飯時間も短いです。試してみたい方法ですよね。
新米をおいしく食べて食欲の秋を満喫しよう
ご飯は毎日食べるもので、食欲の秋を毎日彩るものです。
食卓で重要な役割を担う存在であるからこそ、おいしく食べられるこの季節は幸せですよね。
ちょっとした工夫で新米の美味いところを引き出し、毎日をさらに幸せなものにしていきましょう!