エストロゲン補充にホルモン剤はあり得ない

[公開日]2012/11/24[更新日]2015/04/02

エストロゲンとホルモン剤

肌のエイジングケアを考えるにあたって、コラーゲンやセラミドについては本サイトで何度か紹介してきました。今回は、多くの方がアンチエイジングにおいて気になっているであろうホルモンについての記事です。まず、女性ホルモンには大きくわけて以下の二つのホルモンがあります。

黄体ホルモン(プロゲステロン)
卵胞ホルモン(エストロゲン)

「黄体ホルモン」が肌を不安定にする


黄体ホルモン(プロゲステロン)は生理前に分泌されるホルモンで、これによって皮脂分泌が増えてニキビができたり、またシミもできやすくなります。また生理特有のむくみやイライラもこの黄体ホルモンが原因です。

このような生理前の黄体ホルモンによる影響は、普段の生活が不規則だったりストレスが強かったりするとより強く現れます。体質によっても影響度合いには強弱があるため、仕方ない部分はあるのですがスキンケアを考えた場合に認識すべき点があります。

まず、生理前の時期は肌が普段よりも弱くなっています。スキンケアには敏感肌用の化粧品を使いましょう。とくにニキビ用の化粧品は避け、美白などの積極的なお手入れもこの時期は控えて保湿など最低限のお手入れにしたほうが良いでしょう。ただし、シミはできやすいので紫外線には気をつけます。

生理前にニキビができると黄体ホルモンが多いのでは、と考える方がいらっしゃいますが大人のニキビができる原因はそう単純なものではありません。ストレスや不規則な生活によるホルモンバランスの乱れが原因の場合が大半です。

「エストロゲン」が肌をみずみずしく整える


本記事のタイトルにもなっている卵胞ホルモン(エストロゲン)は、生理後に分泌が高まるホルモンで、肌にみずみずしさを与え、肌にとって重要なコラーゲンを増やす作用があります。女性の肌の美しさはエストロゲンに大きく影響されます。

エストロゲンという言葉を聞いたことがある方も多いかと思いますが、それはエストロゲンの美肌効果が解明されたため広く告知されるようになったためです。肌の若さを保つカギ、とまで言われておりまさに注目のホルモンなのです。

エストロゲンは、生理周期を維持することに貢献しているホルモンですから、当然、不規則な生活や無理なダイエットをして生理がとまったりすると、肌の老化が早まります。すぐに子供をつくる予定がなくても生理は美容と健康のバロメーターなので気を配らないといけません。

生理が不順になったり、出血の量が前よりも減った場合でも、早めに婦人科を受診しましょう。
「生理が来ないと楽」と放っておく人がいますが、前述の通り肌の老化を早めるばかりか早発閉経という、閉経を早めてしまう症状を誘発しかねません。

エストロゲンは、思春期の頃から急に増えて、30代後半から減り始め、閉経とともに急激に低下します。エストロゲンの分泌を守るためには規則正しい健康的な生活以外にはありません。

薬などでエストロゲンを増やすような試みを聞いたりもしますが、ホルモンは少量でも人体に多大な影響を及ぼします。美容のために安易に摂取して良い類のものではありません。身体の様々なバランスを崩してしまうことになりかねません。

また、女性ホルモン様作用のある大豆イソフラボンが最近もてはやされています。
日本人の長寿の一因として、よく食していた大豆が挙げられるなど老化遅延の効果も発表されていたりします。

ただし、いくら女性ホルモン様といっても、女性ホルモンと同一ではないので毎日たくさん摂取すればシミ・シワがなくなるなどという効果が期待できるものではありません。

スキンケアのために「ホルモン剤」を飲む!?


ホルモンは各臓器から血液中に分泌され、ごく微量で人体のさまざまな活動に多大な影響を与えています。一生涯かけて分泌される量がスプーン2杯くらいといわれています。ホルモンにも種類は様々あり、「成長ホルモン」は背をのばし、「インシュリン」は血糖値をコントロールし、「性ホルモン」は男女の区別をつくります。

ホルモンはその多大な影響力ゆえに、体内量を敏感に調整しており必要量より多くも少なくもならないようしています。これを人為的にホルモン剤などを使って増やしたりすると、身体がとっさにつくる量をへらしバランスを保とうとします。

フィードバックシステムというこのバランス機能のため、ホルモン剤の摂取はかえって身体のホルモン生成能力を阻害することになります。薬のなかでもホルモン剤は副作用が強い部類に入るのはこのためで、特定の病気にしか用いません。

スキンケアのためにホルモン剤を用いるなどということは控えるべきなのです。

※記事中の商品「アヤナストライアルセット」は販売終了し、「ディセンシア」にリニューアルされています。


◇参考文献・WEBサイト一覧
厚生労働省 統合医療情報発信サイト
日本化粧品技術者会
日本抗加齢学会
公益社団法人 日本皮膚科学会
※本サイトの薬事法に対する考え方、商品ランキング・点数付けの根拠は「アンチエイジングの神様とは」をご確認ください。


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