人生の一大イベント『海外移住』を成功させるための8つの心得
[公開日]2016/10/15[更新日]2016/10/24
海外移住を夢見る方は多いと思います。いますぐにあるいは、老後の楽しみとして南の島や穏やかな気候で暮らしたい。もちろんそんな夢を持っていなくてもなんとなく海外で住んでみたいという方もいるかもしれません。
今回は、そんな海外移住について記事を書いてまいります。筆者はさかのぼる事、5年前に南米のある国にビジネスチャンスを求めて移住した日本人です。
日本では出来ない経験を海外で積み、多くの移住者を見てきた筆者が移住に関する細かい現実と実体験を元にした注意事項など8つの心得をお伝えしていきます。
さて、海外移住をしてみると成功・失敗する方々がいます。失敗する人の逆が成功する人なので今回は失敗する人の特徴を上げていきます。
日本は確かに良い国です。医療も食も充実していて、中流階級の人口が多く、格差が他国に比べると少ないです。
その政治的・経済的背景を利用して自分は移住する国の人間よりも偉いんだと勘違いしてしまう人は概ね失敗します。
ただ、基本的には日本に居ても同じだとおもいます。回りの空気が読めなかったり、人と協力する気がなかったり、という人は日本でも村八分にされてしまいますよね。
そういった事に直面すると一番に考えるのが「日本」という国のすばらしさなのです。また、ついてすぐに感じるのは日本円の力です。日本円の価値はたとえ1万円であっても他国で強力な力を発揮します。
1万円で家を借りて1月の生活が賄える国だってあるのです。そのような状況から知らず知らずのうちに日本讃美の思考に移り、そばの住民を蔑ろにしてしまう人はだいたい地域に受け入れられず、孤立し、移住失敗に陥るケースが多々みられます。
現地の食事が合わないからといって、日本ならもっと上手い、あるいは日本ならこうなのに、、と考えてしまう人も失敗します。
極端な日本賛美をするつもりはありませんが、日本の上手くて安心・安全な食事事情と言うのは本当にすごいです。1.000円でランチを食べようと思って回りを見渡せば好きな物をなんでも食べられます。
挙句、食べられないのではなくて健康の為に食べない。これを贅沢と言わずになんといいましょうか。海外移住ではその全てが食べられないというのは本当につらいです。
日本やアジアに比べると他の国の食事事情のなんとずさんな事か。例えば筆者の居る国では毎週毎週同じものを食べるのが普通です。日曜日は何々、月曜日は何々という風にほとんど決まっているのです。
幸い、筆者の国は自炊すれば日本食を作り食べる事ができるので助かりますが、日本食の食材となる野菜やしょうゆなどの調味料を買う事が難しい国に移住した方々は本当に口寂しいと思います。
一番大切な心得は、あなたは日本を出て移住しようと思って行動をして、現地についた瞬間、日本人ではなくてその国の人間になるという事です。
なんとなく、物価が安いから、なんとなく日本が嫌いだからという理由で移住することを止める気はありませんが、現地人に同化し、日本食が食べられず、現地食を食す文化にも慣れなくてはいけません。
海外移住に際して日本の住民票や税金、健康保険、年金をどのように扱ったらいいのだろう?と現実的な問題は気になるかと思います。
結論から申し上げますと、海外移住の準備段階で少なくとも3年間は支払い(維持)続けられる準備を整えておいたほうが良いでしょう。
これは間違いありません。なぜなら、食事と福利厚生に関しては世界的に見ても高い水準にあるからです。筆者は、南米に移住しましたが、それまでに南米各国やユーラシア大陸、アジアも旅してきたので、日本を一歩離れた視点で見ることができます。
特に健康保険に関しては、あれだけの金額であれほど手厚い医療が受けられる国は他にないと明言いたします。
筆者の友人で「日本を毛嫌いする移住者・日系人」がたまにいますが、がんなどの病気に掛かると現地の医療は信用できない。という理由から日本にいる親戚などを頼って帰る人は多く居ます。
そして帰ってくると「いやー、日本はすごいねー」となる訳です。
わざわざ選択肢を減らす必要はありません。絶対に健康保険は払う事をお勧めします。
例えば、その国の法律、税制をご存じでしょうか?
移住したい国の所得税はいくらでしょうか?郵便の時に関税で止められてしまうものはありませんか?事業をするときの手続きは?会社に属した時に与えられる福利厚生はありますか?あった場合はどのような事が?健康保険は?受けられる医療は?受けられると明記してある文章に落とし穴はありませんか?
法律はどうでしょうか?日本では歩行者優先が当然と捉えられていますが、筆者のいる国では車両が優先されるのが当たり前です。資金の受け取りはどうしましょうか?筆者の国では世界的に強いドルでもほとんどピン札以外は銀行に受け入れてもらえません。
インターネット環境はどうでしょうか?気候に対してのシャワーの温度調節は可能ですか?あなたのお眼鏡にかなうおしゃれな家具はありますか?目が悪い方はどのようにして眼鏡やコンタクトを買うのでしょうか?それは日本のように安全でしょうか?
こういった事を気にしなくてはいけないのが、旅行するという事と移住するという事の違いです。そして日本と諸外国の違いです。生まれついた国の理から外れて生きるという事は常識から学びなおさないとならないのです。
そして、その気概を持っていない人から移住に失敗して日本に帰る事になります。その時に、帰る所がない。重い税金や社会保険の延滞に頭を悩ませられることがとても恐ろしいのです。
まさに泣きっ面に蜂という状況です。そうならない為に、日本で金銭を稼いでいるうちに払えるものは払って置く事が大切です。
それは保険以上の価値があります。とくに若いうちであれば海外に移住したからと言ってすぐに病気になったりは稀です。
現在は旅行保険のついたクレジットカードなどもありますので、高い海外保険を支払うぐらいならば、少なくとも3年間分の日本に帰れる余力を残しておくことが賢明です。
筆者は20代の中盤で移住をしたので下見というものを全くしませんでした。もちろん、今住んでいる国を旅行で訪れた事はありましたけれど、前述の通り旅行と移住は全く異なるものです。
異なるとはっきり言い切れる理由は、経験しているからです。所得税や法律について知っていますか?という事を前述しましたがあれは筆者自身が移住して驚き、困った項目なのです。
さて、では筆者が言っている下見について説明します。それは実際に住んでみるという事です。また、永住権が簡単に取れる国であればその手続きを始めてみてもよいでしょう。
それは例えば国外旅行に出るときです。南米の国々にはメルコスール(南米南部共同市場)と呼ばれる関税を撤廃する条約が結ばれています。これは経済面の条約だけでなく、メルコスール内の国々はビザが撤廃されて、国民の行き来が自由に出来ます。
ところが、永住権を持っていても筆者は日本人ですから、ブラジルに行くときはやっぱりビザが必要なのです。そして日本人の国籍を捨ててその国の住人と同じ権限を得る事を「帰化」と呼びます。
つまり、帰化しない限り筆者は一生日本人なのです。
永住権というのは、ビザなしでこの国にずっといていいよ。という事です。しかし、実はこの永住権というのは複数の国で取得する事が可能なのです。
一つの国の永住権を取得したから他の国で取れないという事であれば、無責任な発言は出来ませんが、取得可能であれば持っていても損はありません。
またいずれにしても移住となれば、取得しなければならないものなので、手続きに何が必要なのか知っておいて損はありません。
1年目は右も左もわかりません。全てが新しいことだらけです。
2年目は何となく自分の生活や仕事も落ち着いて衣食住が安定してきます。
3年目はいままでしてこなかった手続きなどもするようになり、徐々に嫌な所と日本のいい所が見え始めてきます。
その上で、その国に骨を埋めるか、日本に戻るのか決める事をおすすめします。
筆者は、20代のうちに南米・パラグアイへ海外移住をしました。決め手となったのは、人も穏やかで日本人に優しく日系社会が残っているからです。
特にパラグアイはいまだに多くの方が日本語を話し、スペイン語と日本語のバイリンガルです。また、永住権を取得する方法も他国に比べると非常に簡単です。
自然災害も少なく仕事も探そうと思えば日本語で探せる環境もとても移住者にはありがたいことです。
しかし、多くの方から見るとやはりアジアの方が魅力的に移る事でしょう。
アジアならばタイがおすすめです。気候もよく日本からの距離も近いので心理的にもチャレンジしやすいです。それから遊ぶ所も豊富にあるので飽きる事はないでしょう。
逆におすすめしないのがアメリカです。アメリカはかなりの資産を持っていないと永住権を取得する事が出来ないのに加えて、ご存知の通り医療費がものすごく高いです。
日本は近年、行政の不備などマイナス面が目立ちますが、それでも日本を離れた筆者からみると、日本の行政や法律はとても優秀です。それは日本にしかいない(旅行ではなく移住したことがない)から気付かないのです。
実際に原発の被害にあって恐怖を感じたというならまだしも、漠然と不安を覚えたから。という人は、原発が移住の本当の理由でない場合が多いです。それは原因ではなくてきっかけです。
どの国でも嫌な事はあります。そして隣の芝生は青くみえるものです。住んでいれば多くの問題があり、それはあまりに理不尽で信じられないこともたくさんあります。
原発や地震が理由で日本を離れる人は、自分の移住理由に原発を含めずにもう一度検討されてみるとよいと思います。原発から離れるだけならば北海道や片田舎に住めばいいですし、地震が怖ければ地震被害の少ない地域に移り住めばよいのです。
厳しいことを言うようですが、わざわざ言葉もわからない外国に移住する必要性はないでしょう。
難しい話をしますが、行動心理学の観点からいうと、30代は最後から一歩手前の移住チャンスです。人間は40~50代になって自分を変えることはできません。それはいままで培った自分の社会的地位や常識が決まってくるからです。
さらに40~50代まで日本にいれば会社ではそれなりの地位にいて、部下も持っていて、という事がほとんどだと思います。その環境をすべて捨てて一から新人になって新しい環境で生きていくのは大変です。
なぜなら、いくら偉くてもお金があっても外国の人はそんな事気にもしませんし、その七光りは海外では通じないからです。
また「日本ではうまくいかなかったけど絶対に海外ならば成功できるはずだ。」という思いを抱いていたら、それは誤りです。一つの国でうまくいかなかった場合は他国に出ても上手くいかない可能性が高いです。
移住が成功するのは、外国人や暮らしに柔軟に対応できる20代、30代あるいは自己顕示欲がなくなる60代70代の方々のほうが有利だと思います。
海外移住をする際は、えいやっ!という気持ちだけで決定するのではなくて、日本に居る間に目標国の情報を調べて、現地の人とやりとりをして、友人やあるいは頼る所が出来てから実行することをお勧めします。
また下見も欠かさずに行い、本当に自分がその国に合っているのか、現地の人に同化することに喜びを見出せるか。という事も確認しましょう。
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今回は、そんな海外移住について記事を書いてまいります。筆者はさかのぼる事、5年前に南米のある国にビジネスチャンスを求めて移住した日本人です。
日本では出来ない経験を海外で積み、多くの移住者を見てきた筆者が移住に関する細かい現実と実体験を元にした注意事項など8つの心得をお伝えしていきます。
海外移住の成功例と失敗して帰国する人の違い
さて、海外移住をしてみると成功・失敗する方々がいます。失敗する人の逆が成功する人なので今回は失敗する人の特徴を上げていきます。
融通がきかない人の海外移住はたいてい失敗する
よくいる失敗のケースが「日本人である事に驕りを持っている人」「柔軟でない人」です。日本は確かに良い国です。医療も食も充実していて、中流階級の人口が多く、格差が他国に比べると少ないです。
その政治的・経済的背景を利用して自分は移住する国の人間よりも偉いんだと勘違いしてしまう人は概ね失敗します。
ただ、基本的には日本に居ても同じだとおもいます。回りの空気が読めなかったり、人と協力する気がなかったり、という人は日本でも村八分にされてしまいますよね。
海外移住失敗談1
例えば、40代中頃の方が起こしたこんな事件があります。
その方は、ある地方に海外移住をしようと荷物をまとめて日本から出てきたとおっしゃっていました。しかしその方は、人の意見は聞かないで自分の主張ばかりする人でした。
俺は頭がいいんだ。崇めてくれ、あなたの意見は聞かないけれど、俺の意見は全てを受け入れてくれ。そんな言動を端々に感じる方でした。とはいえ、我々も鬼ではありません。50代の方一人では夕飯もさみしいだろうと、ある日の宴会に呼んだわけです。すると彼は「今日は酒を飲みたくない」という理由から乾杯を無視して、自分の好きな物を好きなだけ食べて帰りました。
もちろん、日本にいたら決して友達にはならないタイプですが、地方という狭い空間なのでいざこざが起きないようにと仲良くしようとした、私たちの努力は水泡に帰したわけです。
これでは受け入れる事できません。その内に助け舟を出す人もいなくなり、誰にも言わずにひっそりとある日いなくなっていました。こういった方は日本でも上手くいくわけがありません。
その方は、ある地方に海外移住をしようと荷物をまとめて日本から出てきたとおっしゃっていました。しかしその方は、人の意見は聞かないで自分の主張ばかりする人でした。
俺は頭がいいんだ。崇めてくれ、あなたの意見は聞かないけれど、俺の意見は全てを受け入れてくれ。そんな言動を端々に感じる方でした。とはいえ、我々も鬼ではありません。50代の方一人では夕飯もさみしいだろうと、ある日の宴会に呼んだわけです。すると彼は「今日は酒を飲みたくない」という理由から乾杯を無視して、自分の好きな物を好きなだけ食べて帰りました。
もちろん、日本にいたら決して友達にはならないタイプですが、地方という狭い空間なのでいざこざが起きないようにと仲良くしようとした、私たちの努力は水泡に帰したわけです。
これでは受け入れる事できません。その内に助け舟を出す人もいなくなり、誰にも言わずにひっそりとある日いなくなっていました。こういった方は日本でも上手くいくわけがありません。
海外移住失敗談2
あるいは、30代後半の一家で移住してきた方の例ではこんな話があります。この一家も非常に自己中心的な考えを持っていました。貴方たちは何で私たちを助けないんですか?移住したばっかりでかわいそうだと思わないんですか?という主張をよくするご一家でした。
「え!?私たちが地域の手伝い?いえ、いえ、移住したばっかりでお手伝いする暇なんてありませんよ。」「え!?宴会ですか?もちろん参加します。。。宴会には。」半年後、ご一家の行方を知るものはおりませんでした。。
「え!?私たちが地域の手伝い?いえ、いえ、移住したばっかりでお手伝いする暇なんてありませんよ。」「え!?宴会ですか?もちろん参加します。。。宴会には。」半年後、ご一家の行方を知るものはおりませんでした。。
日本のようにスムーズに行かないことが当たり前であることを心得る
ましてや、海外に出れば日本以上に不満に思うことはたくさんあります。それだけ日本と他国には違いがあるのです。行政機関の手続きから税金、道路交通法、様々な補償に至るまで日本という国は本当にしっかりとしています。そういった事に直面すると一番に考えるのが「日本」という国のすばらしさなのです。また、ついてすぐに感じるのは日本円の力です。日本円の価値はたとえ1万円であっても他国で強力な力を発揮します。
1万円で家を借りて1月の生活が賄える国だってあるのです。そのような状況から知らず知らずのうちに日本讃美の思考に移り、そばの住民を蔑ろにしてしまう人はだいたい地域に受け入れられず、孤立し、移住失敗に陥るケースが多々みられます。
『郷に入っては郷に従え』
また人間の人体を構成する食を受け入れる事もとても大切な要因です。現地の食事が合わないからといって、日本ならもっと上手い、あるいは日本ならこうなのに、、と考えてしまう人も失敗します。
極端な日本賛美をするつもりはありませんが、日本の上手くて安心・安全な食事事情と言うのは本当にすごいです。1.000円でランチを食べようと思って回りを見渡せば好きな物をなんでも食べられます。
挙句、食べられないのではなくて健康の為に食べない。これを贅沢と言わずになんといいましょうか。海外移住ではその全てが食べられないというのは本当につらいです。
日本やアジアに比べると他の国の食事事情のなんとずさんな事か。例えば筆者の居る国では毎週毎週同じものを食べるのが普通です。日曜日は何々、月曜日は何々という風にほとんど決まっているのです。
幸い、筆者の国は自炊すれば日本食を作り食べる事ができるので助かりますが、日本食の食材となる野菜やしょうゆなどの調味料を買う事が難しい国に移住した方々は本当に口寂しいと思います。
一番大切な心得は、あなたは日本を出て移住しようと思って行動をして、現地についた瞬間、日本人ではなくてその国の人間になるという事です。
なんとなく、物価が安いから、なんとなく日本が嫌いだからという理由で移住することを止める気はありませんが、現地人に同化し、日本食が食べられず、現地食を食す文化にも慣れなくてはいけません。
海外移住のとき住民票・税金・健康保険・年金・保険・カードの手続きはどうしたらいいですか?
海外移住に際して日本の住民票や税金、健康保険、年金をどのように扱ったらいいのだろう?と現実的な問題は気になるかと思います。
結論から申し上げますと、海外移住の準備段階で少なくとも3年間は支払い(維持)続けられる準備を整えておいたほうが良いでしょう。
これは間違いありません。なぜなら、食事と福利厚生に関しては世界的に見ても高い水準にあるからです。筆者は、南米に移住しましたが、それまでに南米各国やユーラシア大陸、アジアも旅してきたので、日本を一歩離れた視点で見ることができます。
特に健康保険に関しては、あれだけの金額であれほど手厚い医療が受けられる国は他にないと明言いたします。
筆者の友人で「日本を毛嫌いする移住者・日系人」がたまにいますが、がんなどの病気に掛かると現地の医療は信用できない。という理由から日本にいる親戚などを頼って帰る人は多く居ます。
そして帰ってくると「いやー、日本はすごいねー」となる訳です。
わざわざ選択肢を減らす必要はありません。絶対に健康保険は払う事をお勧めします。
旅行は楽しむため、海外移住はその国の人として生きる
旅行と移住の違い
まったく知らない土地、あるいは何度も旅行でいった事がある国でも旅行で行くのと移住するのでは想像の何倍も面倒な事があります。例えば、その国の法律、税制をご存じでしょうか?
移住したい国の所得税はいくらでしょうか?郵便の時に関税で止められてしまうものはありませんか?事業をするときの手続きは?会社に属した時に与えられる福利厚生はありますか?あった場合はどのような事が?健康保険は?受けられる医療は?受けられると明記してある文章に落とし穴はありませんか?
法律はどうでしょうか?日本では歩行者優先が当然と捉えられていますが、筆者のいる国では車両が優先されるのが当たり前です。資金の受け取りはどうしましょうか?筆者の国では世界的に強いドルでもほとんどピン札以外は銀行に受け入れてもらえません。
インターネット環境はどうでしょうか?気候に対してのシャワーの温度調節は可能ですか?あなたのお眼鏡にかなうおしゃれな家具はありますか?目が悪い方はどのようにして眼鏡やコンタクトを買うのでしょうか?それは日本のように安全でしょうか?
こういった事を気にしなくてはいけないのが、旅行するという事と移住するという事の違いです。そして日本と諸外国の違いです。生まれついた国の理から外れて生きるという事は常識から学びなおさないとならないのです。
わからないことを人に尋ねられるか海外移住の成功と失敗の境界線
わたしたちは、無意識のうちに小さいころから親、親戚、ご近所、学校、友人から様々な常識を学んでいるのです。それをすべて捨てて新しい国に移住するという事は小学生のように周りから改めて学ぶ気概が必要なのです。そして、その気概を持っていない人から移住に失敗して日本に帰る事になります。その時に、帰る所がない。重い税金や社会保険の延滞に頭を悩ませられることがとても恐ろしいのです。
まさに泣きっ面に蜂という状況です。そうならない為に、日本で金銭を稼いでいるうちに払えるものは払って置く事が大切です。
それは保険以上の価値があります。とくに若いうちであれば海外に移住したからと言ってすぐに病気になったりは稀です。
現在は旅行保険のついたクレジットカードなどもありますので、高い海外保険を支払うぐらいならば、少なくとも3年間分の日本に帰れる余力を残しておくことが賢明です。
海外移住先の下見は必須!本格移住の前にプチ海外移住のすすめ
筆者は20代の中盤で移住をしたので下見というものを全くしませんでした。もちろん、今住んでいる国を旅行で訪れた事はありましたけれど、前述の通り旅行と移住は全く異なるものです。
異なるとはっきり言い切れる理由は、経験しているからです。所得税や法律について知っていますか?という事を前述しましたがあれは筆者自身が移住して驚き、困った項目なのです。
さて、では筆者が言っている下見について説明します。それは実際に住んでみるという事です。また、永住権が簡単に取れる国であればその手続きを始めてみてもよいでしょう。
永住権があっても帰化しなければ日本人のまま
ここで永住権と国籍について説明いたします。筆者は日本人ですが南米のある国の永住権と個人証明書をもっています。しかし、筆者の権限と現地に住んでいる方の権限は異なります。それは例えば国外旅行に出るときです。南米の国々にはメルコスール(南米南部共同市場)と呼ばれる関税を撤廃する条約が結ばれています。これは経済面の条約だけでなく、メルコスール内の国々はビザが撤廃されて、国民の行き来が自由に出来ます。
ところが、永住権を持っていても筆者は日本人ですから、ブラジルに行くときはやっぱりビザが必要なのです。そして日本人の国籍を捨ててその国の住人と同じ権限を得る事を「帰化」と呼びます。
つまり、帰化しない限り筆者は一生日本人なのです。
永住権というのは、ビザなしでこの国にずっといていいよ。という事です。しかし、実はこの永住権というのは複数の国で取得する事が可能なのです。
一つの国の永住権を取得したから他の国で取れないという事であれば、無責任な発言は出来ませんが、取得可能であれば持っていても損はありません。
またいずれにしても移住となれば、取得しなければならないものなので、手続きに何が必要なのか知っておいて損はありません。
海外移住の下見は3年以上の長期がおすすめ
そして下見はできれば3年間は在住する事をおすすめします。3年と区切るのは少なくとも筆者は3年目にしてなんとなく、国や国民についてしっくりとわかるようになったからです。1年目は右も左もわかりません。全てが新しいことだらけです。
2年目は何となく自分の生活や仕事も落ち着いて衣食住が安定してきます。
3年目はいままでしてこなかった手続きなどもするようになり、徐々に嫌な所と日本のいい所が見え始めてきます。
その上で、その国に骨を埋めるか、日本に戻るのか決める事をおすすめします。
海外移住候補は永住権が取りやすい国かアジアがおすすめ
筆者は、20代のうちに南米・パラグアイへ海外移住をしました。決め手となったのは、人も穏やかで日本人に優しく日系社会が残っているからです。
特にパラグアイはいまだに多くの方が日本語を話し、スペイン語と日本語のバイリンガルです。また、永住権を取得する方法も他国に比べると非常に簡単です。
自然災害も少なく仕事も探そうと思えば日本語で探せる環境もとても移住者にはありがたいことです。
しかし、多くの方から見るとやはりアジアの方が魅力的に移る事でしょう。
アジアならばタイがおすすめです。気候もよく日本からの距離も近いので心理的にもチャレンジしやすいです。それから遊ぶ所も豊富にあるので飽きる事はないでしょう。
逆におすすめしないのがアメリカです。アメリカはかなりの資産を持っていないと永住権を取得する事が出来ないのに加えて、ご存知の通り医療費がものすごく高いです。
原発・地震災害が怖くて移住したい
日本は近年、行政の不備などマイナス面が目立ちますが、それでも日本を離れた筆者からみると、日本の行政や法律はとても優秀です。それは日本にしかいない(旅行ではなく移住したことがない)から気付かないのです。
実際に原発の被害にあって恐怖を感じたというならまだしも、漠然と不安を覚えたから。という人は、原発が移住の本当の理由でない場合が多いです。それは原因ではなくてきっかけです。
どの国でも嫌な事はあります。そして隣の芝生は青くみえるものです。住んでいれば多くの問題があり、それはあまりに理不尽で信じられないこともたくさんあります。
原発や地震が理由で日本を離れる人は、自分の移住理由に原発を含めずにもう一度検討されてみるとよいと思います。原発から離れるだけならば北海道や片田舎に住めばいいですし、地震が怖ければ地震被害の少ない地域に移り住めばよいのです。
厳しいことを言うようですが、わざわざ言葉もわからない外国に移住する必要性はないでしょう。
海外移住は何歳までにするべきなのか?
難しい話をしますが、行動心理学の観点からいうと、30代は最後から一歩手前の移住チャンスです。人間は40~50代になって自分を変えることはできません。それはいままで培った自分の社会的地位や常識が決まってくるからです。
さらに40~50代まで日本にいれば会社ではそれなりの地位にいて、部下も持っていて、という事がほとんどだと思います。その環境をすべて捨てて一から新人になって新しい環境で生きていくのは大変です。
なぜなら、いくら偉くてもお金があっても外国の人はそんな事気にもしませんし、その七光りは海外では通じないからです。
また「日本ではうまくいかなかったけど絶対に海外ならば成功できるはずだ。」という思いを抱いていたら、それは誤りです。一つの国でうまくいかなかった場合は他国に出ても上手くいかない可能性が高いです。
移住が成功するのは、外国人や暮らしに柔軟に対応できる20代、30代あるいは自己顕示欲がなくなる60代70代の方々のほうが有利だと思います。
海外移住は人生の一大イベント!しっかりした下準備と柔軟性が成功のカギになる
海外移住をする際は、えいやっ!という気持ちだけで決定するのではなくて、日本に居る間に目標国の情報を調べて、現地の人とやりとりをして、友人やあるいは頼る所が出来てから実行することをお勧めします。
また下見も欠かさずに行い、本当に自分がその国に合っているのか、現地の人に同化することに喜びを見出せるか。という事も確認しましょう。
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