格安SIM、スマホセットと単体購入、どちらを選ぶべきか?

[公開日]2015/01/25[更新日]2015/08/25

格安スマホセットか別売りか格安スマホを検討するときに、多くのひとが迷っていることのひとつに、端末とのセット品を購入するか、SIMと端末を別々に購入するか、ということがあります。

それぞれ、どんなメリットとデメリットがあるのかポイントをまとめます。


2015年の5月1日。いよいよSIMロック解除の義務化がスタートしました。この出来事によって、ますます追い風が吹いている格安スマホ界隈です。

さらにはスマートフォン端末のマルチバンド対応も進み、発売中または発売予定機種の多くは、キャリアの垣根を完全に超えることが出来るようになりつつあります。

そもそもの話として、SIMフリー端末はキャリアの縛りを受けないために存在していると言っても良いのですが、MVNO側が提供を受けている回線や、回線を提供しているキャリア側の方針などによって「完全なキャリアフリー」を手に入れるまでには至っていないのが実情です。

これらの問題さえ片付けば、MVNOの端末セットを選ぶか、SIMカードと端末を別々に購入するか、という選択において、利用者が悩むべき問題は値段と手間を天秤にかけることだけとなるはずです。

非常に頭を悩ませることにもなる「端末とのセット購入」vs「SIMカード単体購入」。果たしてどちらの選択が良いのでしょう?どちらかにアドバンテージがあるのでしょうか?

充実著しい「格安SIM+スマホセット」


一昔前は、知る人ぞ知る存在だった格安SIMですが、家電量販店など一部でテレビ広告に登場するなど、表舞台に徐々に出てきた感もあります。とは言え、至れりつくせりのサービスが当たり前に日本にあっても、格安SIMに関しては、格安ゆえにコストの関係で"万全のサポート"など望めないのが現状です。

面倒をとことん嫌う高齢者の方や主婦の方、多忙だったり余計な手間が増えることを極端に嫌うビジネスマンの方などから、高くても大手キャリアを手放せないといった声が多く聞かれます。

「安さを実現するためには、自分で出来ることは自分でやってくださいね」これが格安SIMとMVNOの基本スタンスですが、それでも利用者が増えれば利益だって増しますし、MVNOにとってもプラスなのです。できるだけ使い勝手を良くするために、低コストを維持しながら出来る範囲内でMVNO各社とも非常に知恵を絞っています。

その1つが格安SIMとスマホのセット販売です。予め使用設定済みで、もちろん動作確認も済んでいるスマートフォン端末とセットで購入すれば、導入にかかる手間は大幅に軽減されるというわけです。

格安SIMをとりまく環境のおさらい


かつては自己責任でややアンダーグラウンドな存在であったSIMフリー端末も、SIMロック解除義務化のスタートによって、日の当たる存在となりました。以前からすでに端末はマルチバンド対応は当たり前となっており、よほどのことがなければMVNOの回線を気にすることなく利用出来る環境も整ってきていました。

とはいえ、キャリアで購入したSIMフリー端末や3G専用端末、マルチバンドに対応していない端末なども少なからずあるため、何も考えずに端末を買ってきてもMVNOが利用できるかと言えば、そうはなっていないのです。若干ですが気をつけなければならない点は、残念ながらあるのです。

「格安SIM+スマホセット」のメリット・デメリット


格安SIM+スマホセットを購入するメリットの1つは、MVNOが利用している回線や使用している周波数への対応状況を気にする必要がないということです。動作確認はMVNO側で行っていますから、買ってすぐに使えます。

2つめのメリットは、本体料金負担の軽減です。全てのMVNOが、というわけではありませんが、月々の通信費にスマートフォン端末代金を分割したものを合算して支払うことが可能です。これにより、端末代金の負担感が減ります。

3つめのメリットは、端末設定が不要という点です。SIMフリースマートフォンを使用するためにはAPN設定が必要となります。それほど難しいものではありませんが、機種ごとに設定メニューが微妙に異なっていたり、MVNO側のマニュアルが理解し難かったりして、設定に手間取ることがあります。セット販売の端末を購入すると発送前にAPN設定を行っていてくれるので、受け取ったらすぐ使える便利さがあります。これも全てのMVNOが行っているわけではありません。

ですがデメリットもあります。まずはスマートフォン端末の値段です。単体で購入した方が安い場合が多いのです。次に、最新機種や欲しい機種があるとは限らないことです。この点に付いては、欲しい機種がセット販売対象になっていれば、何の問題も無いと言えます。

「格安SIM+スマホセット」のメリットとデメリットについて、まとめます。

メリットその1:回線種別や周波数対応状況を気にする必要がない

メリットその2:端末料金は格安SIM料金といっしょに分割払いが出来て負担感が少ない

メリットその3:APNの設定不要ですぐ使える(但しMVNO側の対応次第)

デメリットその1:スマートフォン端末自体の値段が単体購入に比べてやや高い

デメリットその2:最新機種や欲しい機種がセット対象になっているとは限らない

ということになります。

「格安SIM単体購入」のメリット・デメリット


格安SIM+スマホセット購入のデメリットは格安SIM単体購入のメリットと同じと言えなくも無いのですが、一応個別に見て行きましょう。

まずは単体購入のメリットですが、1つめは好きなSIMフリー端末を使えるという点が挙げられるでしょう。SIMフリーの最新機種が選択できる点は大きなメリットです。格安SIM自体が安いので、その分端末にお金をかけることも出来るでしょう。

つぎに、既に持っているSIMフリー端末を利用できる点もメリットです。2台持ちとして利用するにしても、格安SIMなら1ヶ月あたりわずか数百円の負担で2台目を持つことが出来ます。SNSの複数アカウント用などに、格安SIM+所有端末を利用している方も少なくありません。

一方のデメリットです。自分で調達した端末に格安SIMを挿して使う場合、使えなかったり性能が発揮できない可能性がある点はデメリットでしょう。現在地点では使えていても、エリアを移動したら電波が入らなくなる可能性もあります。特に、マルチバンドに対応していない旧機種や、キャリアが発売した端末ではこうした問題が起こりやすいと言えます。

「格安SIM単体購入」のメリットとデメリットについて、まとめます。

メリットその1:好きなスマートフォン端末を使える

メリットその2:既に持っている端末を使える

デメリットその1:MVNOの対応状況や回線種別によっては使えない端末やエリアが存在する

ということになります。

格安SIM、スマホセットと単体購入、どちらを選ぶべきか?まとめ


既に上でも述べていますが、一方のメリットはもう一方のデメリットにほぼなっているわけです。いずれにしても、格安SIMを購入する時、利用開始する時に一度だけ悩めば済む問題です。

SIMロック解除義務化の目的のひとつに、外国人が持ち込んだ端末の国内利用制限緩和があるように、SIMフリー端末もMVNOも、ますます使い勝手が良くなっていくことは容易に想像できますので、ますます格安SIMを選ばない理由は減っていくことでしょう。

通話プランも当たり前のように用意されるようになりましたし、パケ・ホーダイ的プランも登場しています。設定の難しさが敷居を上げていましたが、随分と親切なマニュアルも添付されるようになっています。格安SIM+スマホセットはより使いやすく、SIM単体購入もそれなりに親切になってきました。

その上でどちらを選ぶかはアナタ次第です!

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