格安SIMとは?よくあるQ&A
[公開日]2015/02/05[更新日]2017/03/22
仕事では使えないといった偏見や、実際に使えない場面もあるためか、爆発的普及とまでは至っていない「格安SIM」。これまでは、不便を工夫で乗り越えた一部の人たちだけが享受した「格安」でした。しかし、ようやく多数の人が「格安SIM」を活用できる土台ができつつあります。
ここでは、「格安SIM」がよくわからないという方に、よくある質問に回答する形で解説します。
Q.「格安SIM」ってひとことでいうと何ですか?
A.利用料金が極端に安いSIMカードのことです。
格安SIMを提供しているのは「MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)」です。自前の設備を持たず、MNOの回線や設備を借りて営業している事業者です。
極端に安い、というのはdocomo、au、softbankなど「MNO(Mobile Network Operator:移動体通信事業者)と比べてのことで、MNOのスマートフォン向けプランでは1ヶ月あたりの利用料金が5~7000円程度するのに対して、格安SIMでは1000円前後となっています。
Q.「MNO」や「MVNO」って何ですか?
A.モバイル通信サービスを提供している事業者のことです。設備を保有しているかどうかでMNOとMVNOとに分かれています。
MVNOは設備を保有していないため、「V(Virtual=仮想の)」が付くのです。
電波通信事業者を所管する総務省は平成14年6月に「MVNOに係る電気通信事業法及び電波法の適用関係に関するガイドライン」を策定しました。その理由や目的としては、利用者に良いサービスを提供するため、MNOの持つ設備・電波を開放させることでMVNOの参入を促し、競争原理によってサービスの質向上を目指すことです。
Q.なぜ、「格安SIM」は格安で提供できるのでしょうか?
A.MVNOの負担しているコストが低いからです。
MNOは企業が資金を出して、基地局や収容局、交換器などの設備を設置し、保守を行っています。また、税金も投入されています。モバイル通信では電波を使用するのですが、電波は通信方式ごとに決められた周波数帯を使用します。設備さえ作れば電波を出して良いわけではなく、総務省から使用の許認可を受けています。
MNOはそれら全てのコストを負担しているため、値段を必要以上に下げることは出来ません。ですが、MVNOはこれら一切のコストがかからず、唯一MNOに対して支払う回線レンタル料のみを負担しています。
Q.「格安SIM」は借りてるものだと聞きましたが?
A.そうです。SIMカードは貸与されてるものなので、契約解除後は返却します。
「借りてるものを壊すのはいけない」、これは子供でも分かる原理原則です。大きいSIMカードを切って小さいSIMカードスロットに入るように改造する方法が紹介されていますが、このような改造はいけません。
違う格安SIM事業者(MVNO)へ変更する場合には、通常はSIMカードの返却を求められます。サポートのしっかりしているMVNOであれば、契約時に返却用の封筒や手順も同封されています。
尚、SIMカードの返却が必要なのは、MVNOに限らずdocomoなどでも同様です。
Q.借りたSIMカードのサイズが、スマートフォンのSIMカードスロットと合いませんでした。
A.MVNOでは無料で交換してくれますが、中には費用負担を求めてくる場合もあります。
基本的にはSIMカードのサイズが合わなかったり、間違ったSIMカードを送ってきた場合、MVNOに対して交換を求めることができます。費用はかかりません。
ですが、楽天ブロードバンドLTEなどのように、交換には応じないことをはじめから謳っているMVNOもあり、そのようなMVNOでは交換には応じてくれませんので、契約時にSIMカード形状を良く確認する必要があります。
交換期間中の利用できない期間の返金なども対応できません。スマートフォンとセットで購入した場合はMVNO側でSIMカードの種類を選んでくれますので、こうした心配は不要です。
Q.今使っている電話番号を「格安SIM」には引き継げますか?
A.可能です。通話可能プランで契約して番号ポータビリティ(MNP)を利用すれば、新しい格安SIMでも同じ電話番号が利用できます。
ただし、MNOのような決まった月額料金での通話し放題プランに対応していない場合には、通話時間に応じた通話料がかかりますので注意が必要です。
Q.今使っているキャリアのメールアドレスは「格安SIM」では使えますか?
A.残念ながらキャリアメールは格安SIMでは使えません。
キャリアメールは、そのキャリアと契約している間しか利用できないからです。キャリアメールを引き続き使いたければキャリアのインターネット接続サービスだけは解約せず維持しておく必要があります。
ガラケーやスマートフォン端末をもう一台用意するか、デュアルSIMのスマートフォンを用意する必要もありますが、PCでキャリアメールを受信するサービスを利用すれば、端末は不要です。
Q.格安SIMは、ガラケーに挿せば使えますか?
A.残念ながらデータ通信は、ガラケーでは使えません。
データ通信は、と限定したのは、通話とSMSなら使える可能性があるからです。使えるのは通話とSMSが出来るプランで契約した格安SIMカードのみで、さらには契約したMVNOが利用している回線を提供しているキャリアが発売していたガラケーのみになります。
データ通信が出来ない理由としては、ガラケーではAPNの設定を変更することが出来ないためです。
Q.ガラケーがダメでもスマートフォンなら何でも格安SIMが使えますか?
A.契約したMVNOによっては使えないスマートフォンが存在します。
SIMカード形状とスマートフォン側のSIMカードスロットの形状が同じなら、SIMカードは挿入できますが、挿入できたからと言って通信も出来るとは限りません。
LTE回線が使用する周波数帯にはいくつか種類があり、MNOやMVNOが提供している周波数帯にスマートフォン端末が対応していなければデータ通信は行えません。また、au系MVNOは、技適(電波を発振する装置が取得するべき認証)の関係で使えるけど使ったら違法な端末が存在するなど、対応状況は非常に複雑になっています。
確実に通信できるものを選ぶには、MVNO側で動作確認や動作保証をしている機種を使い、それに合う形状のSIMカードを注文すると良いでしょう。
Q.「格安SIM」はデータ通信速度が遅いんですか?
A.MNOに比べると遅いですが、実用性に問題ないプランも数多くあります。
格安SIMが登場した当初は、数百kbpsが限度でしたが、今では200Mbps(MはKの1000倍)を超えるようなデータプランも数多くあります。それでも値段はMNOの数分の一です。
Q.「格安SIM」が使えるエリアはどうなっていますか?
A.MNOと全く同一です。
MVNOが使用している回線はMNOの回線をレンタルしたものです。docomo系MVNOであればdocomoと、au系MVNOであればauと全く同一エリアが使用できることになります。
ただし、旧機種の端末の中には対応している周波数帯が少ないものもあります。対応している周波数帯が多ければ多いほど使用できるエリアも広いということになります。こうした問題はスマートフォン端末固有のものであり、格安SIMの問題ではありません。
Q.大手キャリアで端末を買ったときのように、「格安SIM」にも2年縛りはありますか?
A.殆どのMVNOで、2年縛りはありません。
2年縛りは、高額な端末開発費やハイレベルなサービスを維持していくために考えだされたものです。元からコストも低く、端末の開発も行っていないMVNOにとって、2年縛りを行う必然性はありません。また、MVNO間の競争激化によって、2年縛りなど導入すれば契約前から避諱されてしまいます。
現在、たくさんのMVNO事業者が存在し各社プランが様々ですので、一概にどこがオススメとは言えません。求める通信速度、容量はライフスタイルで様々だからです。ただし、価格競争力のある事業社は限られています。以下、どのような使い方だとしてもチェックして欲しい格安スマホ事業社です。
セルフサービスが基本の「格安SIM」であるがゆえ、若干の知識を必要としますが、サービス提供者たちも使って貰うために日々改善していっています。
店舗はありませんがサポートの電話窓口はありますし、オフィシャルサイトでも情報を公開していますので、ぜひ活用してみて下さい。
ここでは、「格安SIM」がよくわからないという方に、よくある質問に回答する形で解説します。
目次
格安SIMとは?
Q.「格安SIM」ってひとことでいうと何ですか?
A.利用料金が極端に安いSIMカードのことです。
格安SIMを提供しているのは「MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)」です。自前の設備を持たず、MNOの回線や設備を借りて営業している事業者です。
極端に安い、というのはdocomo、au、softbankなど「MNO(Mobile Network Operator:移動体通信事業者)と比べてのことで、MNOのスマートフォン向けプランでは1ヶ月あたりの利用料金が5~7000円程度するのに対して、格安SIMでは1000円前後となっています。
「MNO」とか「MVNO」ってなに?
Q.「MNO」や「MVNO」って何ですか?
A.モバイル通信サービスを提供している事業者のことです。設備を保有しているかどうかでMNOとMVNOとに分かれています。
MVNOは設備を保有していないため、「V(Virtual=仮想の)」が付くのです。
電波通信事業者を所管する総務省は平成14年6月に「MVNOに係る電気通信事業法及び電波法の適用関係に関するガイドライン」を策定しました。その理由や目的としては、利用者に良いサービスを提供するため、MNOの持つ設備・電波を開放させることでMVNOの参入を促し、競争原理によってサービスの質向上を目指すことです。
なんで「格安SIM」は「格安」なの?
Q.なぜ、「格安SIM」は格安で提供できるのでしょうか?
A.MVNOの負担しているコストが低いからです。
MNOは企業が資金を出して、基地局や収容局、交換器などの設備を設置し、保守を行っています。また、税金も投入されています。モバイル通信では電波を使用するのですが、電波は通信方式ごとに決められた周波数帯を使用します。設備さえ作れば電波を出して良いわけではなく、総務省から使用の許認可を受けています。
MNOはそれら全てのコストを負担しているため、値段を必要以上に下げることは出来ません。ですが、MVNOはこれら一切のコストがかからず、唯一MNOに対して支払う回線レンタル料のみを負担しています。
「格安SIM」って借りてるだけ?
Q.「格安SIM」は借りてるものだと聞きましたが?
A.そうです。SIMカードは貸与されてるものなので、契約解除後は返却します。
「借りてるものを壊すのはいけない」、これは子供でも分かる原理原則です。大きいSIMカードを切って小さいSIMカードスロットに入るように改造する方法が紹介されていますが、このような改造はいけません。
違う格安SIM事業者(MVNO)へ変更する場合には、通常はSIMカードの返却を求められます。サポートのしっかりしているMVNOであれば、契約時に返却用の封筒や手順も同封されています。
尚、SIMカードの返却が必要なのは、MVNOに限らずdocomoなどでも同様です。
借りたSIMカードのサイズが合わない時は?
Q.借りたSIMカードのサイズが、スマートフォンのSIMカードスロットと合いませんでした。
A.MVNOでは無料で交換してくれますが、中には費用負担を求めてくる場合もあります。
基本的にはSIMカードのサイズが合わなかったり、間違ったSIMカードを送ってきた場合、MVNOに対して交換を求めることができます。費用はかかりません。
ですが、楽天ブロードバンドLTEなどのように、交換には応じないことをはじめから謳っているMVNOもあり、そのようなMVNOでは交換には応じてくれませんので、契約時にSIMカード形状を良く確認する必要があります。
交換期間中の利用できない期間の返金なども対応できません。スマートフォンとセットで購入した場合はMVNO側でSIMカードの種類を選んでくれますので、こうした心配は不要です。
今のスマホから「格安SIM」に電話番号を引き継げるの?
Q.今使っている電話番号を「格安SIM」には引き継げますか?
A.可能です。通話可能プランで契約して番号ポータビリティ(MNP)を利用すれば、新しい格安SIMでも同じ電話番号が利用できます。
ただし、MNOのような決まった月額料金での通話し放題プランに対応していない場合には、通話時間に応じた通話料がかかりますので注意が必要です。
今のスマホで使っているキャリアメールを「格安SIM」でも使いたい
Q.今使っているキャリアのメールアドレスは「格安SIM」では使えますか?
A.残念ながらキャリアメールは格安SIMでは使えません。
キャリアメールは、そのキャリアと契約している間しか利用できないからです。キャリアメールを引き続き使いたければキャリアのインターネット接続サービスだけは解約せず維持しておく必要があります。
ガラケーやスマートフォン端末をもう一台用意するか、デュアルSIMのスマートフォンを用意する必要もありますが、PCでキャリアメールを受信するサービスを利用すれば、端末は不要です。
「格安SIM」はガラケーにも使える?
Q.格安SIMは、ガラケーに挿せば使えますか?
A.残念ながらデータ通信は、ガラケーでは使えません。
データ通信は、と限定したのは、通話とSMSなら使える可能性があるからです。使えるのは通話とSMSが出来るプランで契約した格安SIMカードのみで、さらには契約したMVNOが利用している回線を提供しているキャリアが発売していたガラケーのみになります。
データ通信が出来ない理由としては、ガラケーではAPNの設定を変更することが出来ないためです。
「格安SIM」はどんなスマホでも使える?
Q.ガラケーがダメでもスマートフォンなら何でも格安SIMが使えますか?
A.契約したMVNOによっては使えないスマートフォンが存在します。
SIMカード形状とスマートフォン側のSIMカードスロットの形状が同じなら、SIMカードは挿入できますが、挿入できたからと言って通信も出来るとは限りません。
LTE回線が使用する周波数帯にはいくつか種類があり、MNOやMVNOが提供している周波数帯にスマートフォン端末が対応していなければデータ通信は行えません。また、au系MVNOは、技適(電波を発振する装置が取得するべき認証)の関係で使えるけど使ったら違法な端末が存在するなど、対応状況は非常に複雑になっています。
確実に通信できるものを選ぶには、MVNO側で動作確認や動作保証をしている機種を使い、それに合う形状のSIMカードを注文すると良いでしょう。
「格安SIM」はデータ通信が遅いの?
Q.「格安SIM」はデータ通信速度が遅いんですか?
A.MNOに比べると遅いですが、実用性に問題ないプランも数多くあります。
格安SIMが登場した当初は、数百kbpsが限度でしたが、今では200Mbps(MはKの1000倍)を超えるようなデータプランも数多くあります。それでも値段はMNOの数分の一です。
「格安SIM」を使えるエリアは?
Q.「格安SIM」が使えるエリアはどうなっていますか?
A.MNOと全く同一です。
MVNOが使用している回線はMNOの回線をレンタルしたものです。docomo系MVNOであればdocomoと、au系MVNOであればauと全く同一エリアが使用できることになります。
ただし、旧機種の端末の中には対応している周波数帯が少ないものもあります。対応している周波数帯が多ければ多いほど使用できるエリアも広いということになります。こうした問題はスマートフォン端末固有のものであり、格安SIMの問題ではありません。
「格安SIM」にも「2年縛り」はあるの?
Q.大手キャリアで端末を買ったときのように、「格安SIM」にも2年縛りはありますか?
A.殆どのMVNOで、2年縛りはありません。
2年縛りは、高額な端末開発費やハイレベルなサービスを維持していくために考えだされたものです。元からコストも低く、端末の開発も行っていないMVNOにとって、2年縛りを行う必然性はありません。また、MVNO間の競争激化によって、2年縛りなど導入すれば契約前から避諱されてしまいます。
格安SIM「MVNO事業者」比較ランキング
現在、たくさんのMVNO事業者が存在し各社プランが様々ですので、一概にどこがオススメとは言えません。求める通信速度、容量はライフスタイルで様々だからです。ただし、価格競争力のある事業社は限られています。以下、どのような使い方だとしてもチェックして欲しい格安スマホ事業社です。
au 4G LTEスマホにSIMを挿すだけ700円/月〜、端末セットもありmineo(マイネオ)スマホ / ケイ・オプティコム格安スマホ:
au 4G LTEスマホにSIMを挿すだけ700円/月〜
LTE通信で500MB,1GB,3GB,5GB/月からデータ容量を選択可能
通話はオプションで色んな用途に利用可能
最低月額 種類 内容 700円(税抜) 端末SIMセット
SIMのみ格安スマホ 端末代金込み2,280円/月でLTEスマホを持てるBIGLOBEスマホ / ビッグローブ格安スマホ:
データ通信であれば端末代込で月額2,280円(税別)/月
LTEで3GB,6GB,10GB/月からデータ容量を選択可能
データ通信のみ、通話オプション付きを選べる
最低月額 種類 内容 2,280円(税抜)
端末代込端末SIMセット
SIMのみ選択格安スマホ LTEデータ制限なし・通話付きで月額2,730円U-mobile / U-NEXT格安スマホ:
通話付・データ制限なしで月額2,730円でスマホを持てる
業界水準を破壊するLTEでデータ容量制限無し
データ通信のみ、通話オプション付きを選べる
最低月額 種類 内容 790円(税抜)
端末別・通話無端末SIMセット
SIMのみ選択格安スマホ
格安スマホとは? まとめ
セルフサービスが基本の「格安SIM」であるがゆえ、若干の知識を必要としますが、サービス提供者たちも使って貰うために日々改善していっています。
店舗はありませんがサポートの電話窓口はありますし、オフィシャルサイトでも情報を公開していますので、ぜひ活用してみて下さい。