格安スマホとは?興味あるけど踏み出せない人によくあるQ&A

[公開日]2014/01/23[更新日]2015/07/23

格安スマホとは格安スマホが注目されていますが、疑問が払拭されず、なかなか手が出せない人が多くいます。安いのには理由があり、フルサービス品と比べて質か量かその両方が劣る可能性があるということは事実です。

ですが、安さの理由さえ知ってしまえば受け入れられる場合があることもまた事実。ここでは格安スマホに関する疑問にお答えしていきます。


格安スマホとは?


Q.格安スマホとはなんですか?

A.値段の安いスマートフォン端末、また安い通信費で使えるスマホ環境を指します。


これまでスマートフォンは、docomoausoftbankなどの「3大キャリア」と呼ばれる大手モバイル通信事業者(MNO:Mobile Network Operator)でのみ利用可能と考えるのが一般的でしたが、それ以外の通信を利用して安価に使用することができます。それが格安スマホです。

大手通信会社(MNO)以外とはMVNO(Mobile Virtual Network Operator)を指します。MVNOを使うにはSIMロックのかかっていない「SIMフリー」のスマートフォン端末が必要となります。なお、「格安スマホ」にはフィーチャーフォン、いわゆる「ガラケー」は含まれません。

SIMフリーの格安スマホで使えるSIMカードは、MVNOから提供されるもの、そのスマートフォン端末が対応している通信方式を採用しているMNOのSIMカードということになります。

なんで格安なの?


格安スマホが安い理由 Q.格安スマホはなぜ格安なんですか?

A.機能や性能を絞って作られているからです。


格安でないスマートフォン端末は、メモリもROM 64GB/RAM 4GB程度搭載し、CPUもオクタコア2GHzクラスを搭載するなど高速です。液晶画面の解像度もフルHDを超えています。さらにおサイフケータイやワンセグを搭載するなど多機能です。それに対し、格安スマホはROM 8GB/RAM 2GB程度、CPUもクアッドコア1.3GHz帯のものが中心です。おサイフケータイなども搭載していません。画面も1000px未満です。

機能や性能を絞ることで安く作れるようになったもの、それが格安スマホなのです。


「端末」ってなに?


Q.格安スマホを調べたときによく見かける「端末って何ですか?

A.「端末」とはスマートフォンの機械そのものです。「1台のスマートフォン=1つの端末」となります。


スマートフォンはインターネットに接続して使うことが前提となっている通信機器です。通信業界では、ネットワークに接続されていて人間が操作するための入出力機構が備わっている機械のことを「端末」と呼んでいます。

スマートフォンもネットワークの一部であり、人間が操作したりしゃべったりすることで「入力」を行い、映像や音声、振動などによって「出力」を行うという入出力機構を備えた「端末」です。

「SIMロック」とか「SIMフリー」ってなに?


SIMフリーSIMロック Q.「SIMロック」とか「SIMフリー」って何ですか?

A.「SIMロック」は、他の通信事業者から貸与されたSIMカードが使えないように「ロック」がかかっていることを指します。

「SIMフリー」は、SIMロックがかかっていないことを指します。


日本では、2015年5月1日以降に発売される全てのスマートフォン端末は、SIMロックがかかっていても発売から180日後には解除することが義務化されましたが、発売当初からSIMロックがかかっていないスマートフォンもあります。

SIMロックがかかっていない、或いはかかっていたけれど外れた状態になっているスマートフォン端末のことを「SIMフリー端末」と呼んでいます。SIMの縛りからフリー(自由)になった、ということなんですね。


「格安スマホ」で3大キャリアのSIMカードは使えないの?


Q.格安スマホ(SIMフリー端末)には、3大キャリアのSIMカードは使えないのですか?

A.格安スマホが対応している通信方式によっては使えない場合があります。


3大キャリアの通信(回線)方式は「LTE」と「3G」方式があります。3G方式にも種類があり「W-CDMA」方式を採用しているdocomoとsoftbank、「CDMA2000」方式を採用しているauとに分かれます。

また、同じLTEであってもキャリアごとに電波の周波数帯などが異なります。現在発売されている格安スマホの多くは多くの周波数や方式に対応していますが、3G専用機種や昔の機種などでは対応していないものもあります。

格安スマホが対応している通信方式や周波数帯と、SIMカードの提供元が対応しているものに互換性がない場合、電波が入らないということになります。入りにくいのではなく、全く入りません。電波が入らないのならSIMカードは挿してないのと同じこと。

こうしたことを避けるには、MVNOが推奨している動作確認機種を調べることが大事です。動作確認が大変という人に向けて、MVNO業者の多くはSIMフリー端末とSIMカードをセットで提供しています。セットでどのようなプランがあるかは、以下の記事にまとめて比較しています。
格安スマホ(格安SIM)の選び方 / 料金・条件の比較一覧

「格安スマホ」はMVNO業者を途中で変更しても使い続けられる?


格安スマホの引越しとMVNO Q.格安スマホは、購入後に他のMVNOへ引越ししても使えるのでしょうか?

A.格安スマホが対応している通信方式によっては使えない場合があります。


たとえば、au系MVNOではLTEのみで3G回線は提供していません(2015年7月現在)。そのためdocomo系MVNOでは使えていた3G専用のスマートフォン端末はau系MVNOでは利用することが出来ません。「使えない(利用できない)」というのは「インターネットへの接続が出来ない」、「通話が出来ない」という意味で、スマートフォン端末の起動だけなら可能です。既にダウンロード済みで通信を行わないアプリなどはSIMカードが無くても利用できます。

なお、LTEはデータ通信専用の規格であり、通話を行う場合には3Gへハンドオーバー(受渡し)を行い、通話を実現しています。


「格安スマホ」はどこが作ってるの?


Q.格安スマホはどこのメーカーが製造しているのでしょう?

A.台湾や中国メーカーなどが製造していますが、日本製の格安スマホもあります。


安く作らなければ安く売ることができないので、製造コストの安い海外などで設計・製造されています。Googleなどのように設計は欧米でも製造のみアジア諸国ということもあります。日本メーカー製のものも海外生産がほとんどです。

格安スマホの仕組み(格安SIM)でiPhoneは使えるの?


iPhoneを格安SIMで使えるのか、興味をもつ人はたくさんいます。結論から言えば、キャリアで購入したiPhoneは、そのままでは格安SIMを使えません。

iPhoneを格安SIMで使うには、端末にかかっているSIMロックを外すか、SIMフリー版iPhoneを購入する方法があります。iPhoneのSIMロックは、キャリアから出荷時に各キャリアのSIMしか使えないようにロックがかかっています。これを外すのが「ファクトリーアンロック」という方法。
特殊なツールや手順を必要とするため、自力では難しいのですが、代行してくれる業者があります。

ファクトリーアンロックの注意点としては、失敗する可能性があることと、キャリアの保証が受けられなくなってしまうことです。但し、Appleの保証は引き続き受けられるようです。

最もシンプルなのが、SIMフリー版のiPhoneを入手することです。但し、SIMフリー版のiPhoneは円安のために値上がりが続いており、格安SIMを使うメリットが減殺されてしまっています。


「格安スマホ」はどうして生まれたの?


Q.格安スマホはどういう経緯で生まれたのですか?

A.総務省による3大キャリア回線の有効活用の一環として生まれました。


総務省は3大キャリアによる寡占的な電波利用に競争原理を持ち込んでより有効活用させようと、3大キャリアの回線を他の事業者へ貸し出すことを義務化しました。これによりMVNOが生まれる素地が出来ました。

MVNOは3大キャリア(MNO)の回線を借りて運営されています。MVNOの「V」はVirtual(仮想の)であることから想像できるように、MVNOは自らの通信用設備を持ちません。莫大なコストのかかる通信用設備の維持・管理費がかからないため、MVNOは安く回線を提供できます。

MVNOが誕生すると、異なるMVNOであっても共通して使えるスマートフォン端末が必要となります。これまでは単独のMNO向けに端末を開発していたのですが、どのMNO、MVNOであっても利用できる端末が求められるようになり、SIMフリーの格安スマホが生まれることとなりました。

「格安スマホ」の通信エリアはどうなってるの?


格安スマホの通信エリア Q.格安スマホの通信エリアはどうなっているのでしょうか?

A.3大キャリアのいずれかの通信可能エリアがMVNOの通信可能エリアとなります。


MVNO各社は3大キャリアのいずれかのネットワーク回線に「相乗り」する形で運営されています。MVNOには「docomo系」「au系」などがあり、これが使用しているネットワークを示しています。docomo系MVNOの通信可能エリアはdocomoとイコールということになります。ただし、au系MVNOの場合はauのLTEエリアのみが通信可能エリアである点は注意が必要です。


「格安スマホ(SIMフリー端末)」はどこで手に入るの?


Q.安いので格安スマホを買いたいんだけど、どこで手に入りますか?

A.家電量販店の店頭やインターネットのMVNO公式サイト、Amazonなどの通販サイトで購入することが出来ます。

MVNOは安く運営するために、基本的には実店舗がありません(Y!mobileや一部を除く)。ただし、家電量販店の店頭では格安スマホコーナーが設置されている場合がありますが、販売されているのは家電量販店系MVNO対応の端末に限らる場合は多いようです。

「格安スマホ(SIMフリー端末)」の支払い方法は?


Q.格安スマホの購入代金はどうやって支払うのでしょう?

A.3大キャリアで購入する時と同様に、色々な方法があります。


インターネット購入の場合は、クレジットカード決済になります。店頭購入の場合には現金払いも可能です。また、MVNOのSIMカードとのセット販売品の場合には、回線使用料に載せる形での分割払いも可能です。

「voLTE」ってなに?


Q.iPhone6などで対応した「voLTE」ってなんですか?

A.voLTEはLTEを利用した音声通話サービスで、voLTEを利用すると音声の品質が向上します。


voLTEは「ボイスオーバー・エルティーイー」または「ヴォルテ」と発音します。従来、スマートフォンやガラケーでの通話はLTE対応機種であっても3G回線にハンドオーバーされていると述べましたが、voLTEの規格では3G回線を使わずLTE回線上で音声通話を行えるようになっています。

現在は同じキャリア同士でないとvoLTEは機能しません。また、voLTEのオプション購入などは特に必要としません。

セット割と自分で端末調達、どっちがいいの?


Q.MVNOでセット割されている格安スマホと同じ機種を自分で買うのとどちらがいいのでしょう?

A.好みに応じて使い分けると良いでしょう。


MVNOのセット割購入の場合は独自ツールがインストールされていたり、通信設定が予めされていることもあり、購入の手間がかかりませんが、値段がやや割高です。ですが、ときどき旧機種をキャンペーン価格で販売することがあります。

自分で購入する場合は通信設定も自分で行う必要がありますが、最も安い値段で売られているものや安くなったタイミングで買えば良いので、安い値段で手に入れることが出来ます。動作確認など難しい方は、セットでの購入・契約を検討してみてください。以下に、各MVNO業者のセットメニューを比較一覧化しています。
格安スマホ(格安SIM)の選び方 / 料金・条件の比較一覧

「格安スマホ」に落とし穴は無いの?


格安スマホのデメリット Q.格安スマホには落とし穴やデメリットはないのですか?

A.3大キャリアに比べると遅い通信速度や、帯域制限があることがデメリットです。


1つのキャリアの回線を複数の事業者でシェアしていたり、MNOの料金的な優位性の確保のためか、MNOの通信速度よりもMVNOの最大通信速度の方が遅くなっています。LTEの最大速度は326Mbpsですが、MVNOの最大速度は225Mbpsに留まっています。

また、MVNOは月間の利用可能データ量を切り売りしている格好であり、3大キャリアのようなパケホーダイプランは用意されていません。使い放題のものも中にはありますが、通信速度も低速です。

また、オンライン認証などにもよく利用されているキャリアメールも利用できないため、プロバイダメールで代用するのが一般的です。また、SMSはオプション扱いとなり追加料金が必要になるのが一般的です。


「格安スマホ」は通話できるの?


Q.格安スマホでも通話が出来ますか?

A.出来ます。
通話セットプランを用意するMVNOも増加中です。ただし、3大キャリアのように通話し放題となるのは、NifmoのIP電話(電話番号が050から始まる)1社にとどまっています。

「格安スマホ」には電話番号が引き継げるの?

Q.格安スマホには電話番号が引き継げるのでしょうか?

A.出来ます。
MNPに対応しているMVNOの通話対応プランに加入すれば、090や070から始まる電話番号を引き継いだまま通話も可能となります。通話セットプランに加入しても、月額料金は3大キャリアよりも低く抑えることができます。

「格安スマホ」にはメールアドレスが引き継げるの?


Q.格安スマホには、いまのケータイキャリアで使っているメールアドレスは引き継げますか?

A.1回線だけ使って乗り換えるのであれば残念ながら出来ません。
キャリアメールを維持するには契約中のキャリア回線を完全に解約することは出来ません。

「格安スマホ」ではテザリングは使えるの?


Q.格安スマホではテザリングは使えるのでしょうか?

A.SIMフリーの格安スマホを購入して使うのであれば可能です。


ただし、SIMフリー版であってもdocomoで購入した端末の場合には正規には出来ません。さらに、テザリングには大量のデータ通信が必要となるので、大容量プランへの加入がおすすめです。

格安スマホとは?よくあるQ&A まとめ


いかがでしたか?回答を見て「なあんだ、そんなこと」と思えたアナタは、格安スマホを選ばない理由が無くなったと思ってよいでしょう。

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